10月20日、掃除ロボット「ルンバ」で知られるアイロボットが同社初の空気清浄機を発売し、話題になっています。掃除機に強いメーカーが開発した空気清浄機は、何が強みなのでしょうか? 家電ライターの田中真紀子さんに解説してもらいました。
日本は大手総合家電メーカーが、海外では掃除機メーカーが空気清浄機を開発
田中さんによると、掃除機を主力商品としながら空気清浄機を出すのは、海外メーカーに多いそう。
「日本では大手総合家電メーカーが掃除機も空気清浄機も出すケースは珍しくないのに対し、海外では掃除機を主力製品とするメーカーが空気清浄機を出している印象、もしくは出してきた印象があります。
有名なのはダイソン。羽根のない扇風機の構造で空気清浄機を出していますよね。おしゃれなコードレススティッククリーナーで知られるエレクロトラックスも、北欧ならではのデザイン性を備えたファブリック調の空気清浄機を、そしてアイロボットも10月20日に初となる空気清浄機を発売しました」(田中さん・以下同)
空気清浄機の技術的知見や研究が、掃除機にも生かされている?
掃除機に強い海外メーカーが空気清浄機を開発するのはなぜでしょうか。
「空気清浄機自体は構造的にシンプルなため、わりと参入しやすいジャンルといわれています。ただし実際に高い性能を発揮するには、高性能フィルターやパワフルに空気を吸い込むモーターとファン、捉えた空気を逃さない密閉性などが求められ、そこに大きな差が出てきます。
掃除機メーカーの中でも、特に高く評価されているメーカーは、これらの技術的な知見に加え、ハウスダストなど汚染物質に関する研究も行われています。掃除機で床をきれいにすると同時に、空気清浄機で空間をきれいにする相乗効果を考えると、自然な流れと言えるでしょう」
同じメーカーで掃除機と空気清浄機をそろえるメリットも
具体的には、掃除機メーカーが出す空気清浄機にはこんな強みがあると言います。
「例えば、ダイソンはもともと掃除機に0.1μmまでの微粒子を捉えるフィルターを搭載しており、排気のきれいさにこだわってきました。その技術とポリシーは空気清浄機にも搭載されており、0.1μmまでの微粒子を99.95%除去します。
また最近発売されたアイロボットの空気清浄機『Klaara p7 Pro』は、ロボット掃除機ルンバと連動し、ルンバが掃除を始めるとモーターのファンを自動的にパワーアップし、ホコリ掃除をアシストします。さらにエレクトロラックスはデザイン性の高さが人気であるように、同じメーカーでそろえるとデザインのテイストを合わせやすい面もあるでしょう」
排気をきれいにする技術の踏襲、連携することによる相乗効果、デザイン性の統一などなど、各メーカーで強みは異なるものの、掃除機と空気清浄機同じメーカーでそろえるメリットはあるようです。
以上を踏まえて、田中さんが注目している、掃除機メーカーの空気清浄機を教えてもらいました。