立冬の食養生といえば冬瓜(とうがん)。野菜ソムリエプロの福島玲子さんは、「 夏にとれて冬まで保存が効くという意味で名づけられた冬瓜は、昔から滋養によい保存食として重宝されてきました」と話します。そんな冬瓜の選び方と、正しい保存方法について教えてもらいました。
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冬瓜の選び方|白い粉が完熟したサイン
秋から冬へと移り変わる季節の変わり目で体調を崩しやすい時期こそ、薬膳としても使われる栄養価の高い冬瓜を食べて体調を整えましょう。まずは、おいしい冬瓜の選び方からお話しします。
白い粉をふいたものが◎重さも確認を
冬瓜を選ぶときは、まず皮からチェックしましょう。表面に傷がなく、ツヤがあるものがよいです。傷があると、その部分から傷みが発生するので避けてください。
また、白っぽい色味の品種は完熟すると皮全体に白い粉をふきますので、粉がついているものを選ぶのがおすすめです。粉をふかない品種は、皮が緑色の琉球種。琉球種を選ぶときは緑色が濃くて鮮やかなものにしましょう。
さらに、ずっしりと重みがあるか確認してください。冬瓜は全体の95%が水分でできているので、果肉がみずみずしいものほど重みがあります。軽いものは、水分が抜けて味が落ちている可能性が高いので避けるようにしましょう。
カット冬瓜は色味・種・切り口をチェック
カットされている冬瓜を買う場合は、切り口がみずみずしく真っ白なものが新鮮な良品です。さらに、種がぎゅっとつまっているものがおすすめ。種の周りがスカスカだったり、茶色っぽく変色していたりするものは、時間が経って味が落ちているので避けてください。
ちなみに、冬瓜は夏から冬まで保存できるほど日持ちがする野菜ですが、カットするとあまり持ちません。カットされた冬瓜を購入するときは、早めに食べきるようにしましょう。
正しい保存法は?丸のまま&カットの違い
保存性が高い冬瓜ですが、丸のままのものとカットしたものとでは保存の仕方が変わります。カットした冬瓜は足が早いので、きちんと保存して早めに食べてくださいね。
丸のままなら常温でOK!カット後はきちんと密閉
丸のままで冬瓜を保存する場合は、新聞紙で包んでから、直射日光が当たらない、風通しのよい常温の場所で保存すればOKです。新聞紙で包むことで乾燥を防ぎ、おいしさを長持ちさせることができます。
カットした場合は、切り口から傷みが進行しますので、きっちりと密閉することが大切です。カットしたら、まずは中心部にあるワタをスプーンなどを使って取り除きましょう。ワタから腐敗してしまうので、しっかりと取り除いてください。そして、空気に触れないようにラップでしっかりと包み、冷蔵庫で保存します。保存期間の目安は1週間程度です。
食べきれないときは冷凍保存を!調理法も解説
カットした冬瓜をすぐに食べきれない場合は、冷凍保存がおすすめです。冷蔵と同様にワタを取り除いたあと、皮を剥いて食べやすい大きさにカットしてから、保存用のジップ袋や保存容器に入れて冷凍庫へ。1か月程度保存ができます。
冬瓜は水分が多い野菜なので、解凍すると食感が落ちてしまいます。そこで、冷凍した冬瓜を料理に使うときは、凍ったまま煮物やスープなどに入れて調理することで、食感を活かしておいしくいただけます。
◆教えてくれたのは:野菜ソムリエプロ・福島玲子さん
ふくしま・れいこ。野菜ソムリエプロのほか、アスリートフードマイスター2級、ジュニア食育マイスター、食の検定1級、ベジフルカッティングスペシャリスト、エコクッキングナビゲーターなど多数の資格を持ち、日本野菜ソムリエ協会創立 20 周年記念事業『野菜ソムリエ名鑑 vol.1』に掲載されている。現在は、“野菜や果物から健康に”との考えを大切に講演・セミナー講師、イベント・セミナー運営サポート、コラム、料理教室、レシピ開発や監修・ジュニアアスリートの栄養指導・など、多岐にわたって活動中。https://ryufrei.com/
構成/イワイユウ