尿漏れに役立つ食事
尿漏れには、尿道周りの筋肉の収縮などを整える効果がある「マグネシウム」を含む食材の摂取がよいとされています。
日本人女性におけるマグネシウムの1日の推奨摂取量は、30〜64歳は290mgです。通常の食事での耐容上限量(健康障害を未然に防ぐ量)は設定されていませんが、食事以外での摂取は成人は350mg/日が設定されているので、サプリメントなどを服用する際は注意してください。(公益財団法人長寿科学振興財団「マグネシウムの働きと1日の摂取量」https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/mineral-mg.html)。
手軽にスーパーで入手できる食材で100g中のマグネシウムの含有量が多いとされるのは、切り干し大根(160mg)、しらす干し(130mg)、ほうれん草(69mg)、めかぶ(61mg)です(文部科学省「食品成分データベース」https://fooddb.mext.go.jp)。これらの食材を日々のメニューにとり入れるとよいでしょう。
尿漏れ解消に役立つ漢方薬
尿漏れに効果が認められ、泌尿器科などで処方されている漢方薬もあります。漢方薬は尿漏れの解消だけでなく予防も期待できることや、毎日決められた量をのむだけで取り入れやすいのもうれしいポイントです。
具体的には、「膀胱の機能を正常化する」「排尿のコントロールを改善する」といった働きのある生薬を含む漢方薬を選びます。
おすすめの漢方薬
・八味地黄丸(はちみじおうがん)
疲れやすく、手足の冷えがある人に。老化によって衰えた腎(じん)を補うことで泌尿器系の機能を整える漢方薬です。尿漏れや排尿困難、倦怠感、腰痛、口の渇きなどにアプローチします。
・牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)
下半身のしびれや痛み、むくみ、排尿トラブルなどがある人に。頻尿または尿量の減少、倦怠感、腰痛、浮腫などにアプローチします。
漢方薬を始める際の注意点
漢方薬は食事の工夫などでは不調が改善しなかった人でも、効果を感じる場合が多くあります。
ただし、漢方薬はその人の体質に合っていないと、よい効果が見込めないだけでなく、副作用が起こることもあります。自分に合う漢方薬を見つけるために、服用の際は漢方に詳しい医師や薬剤師に相談するのが安心です。
◆教えてくれたのは:ヨガインストラクター・高橋かなこさん
たかはし・かなこ。RYT200(全米ヨガアライアンス認定)修了インストラクター。企業での事務経験から、デスクワークで疲れた部位や崩れた姿勢のためのレッスンを得意とする。自身のダイエット成功経験から、美しい体を作るためには食と思考が大切だと痛感し、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」(https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp)などで精力的に情報発信を行っている。