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《追悼》もんたよしのりさんが西城秀樹さんに提供した『ギャランドゥ』、“大人のときめきを表す擬態語”は最高にイカしている

もんたよしのりが歌う『ギャランドゥ』は“パッション”を感じる(Ph/SHOGAKUKAN)
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ヒデキに提供した『ギャランドゥ』は絶対に外せない

歌唱力モンスター同士のバトルが最高に熱い大橋純子さんとのデュエット曲『夏女ソニア』のほか、『DESIRE』、『お前が好きやねん』など名曲は多いが、やはりもんたよしのりさんといえば、彼が西城秀樹さんに提供した『ギャランドゥ』(1983年)は絶対に外せない。

髪をバシッと切った西城秀樹さんがこの歌をノリノリで歌唱したときは、あまりのダンディーさに「この曲をヒデキに与えし音楽の神よ、ありがとう……!」と祈りを捧げたものだ。その音楽の神(作詞作曲)がもんたよしのりさんと知ったのはかなり後だが、いい曲を書くんだなあ、と感動したものである。

今では、もんたさんの造語「ギャランドゥ」という言葉はなぜかヘソ周りの毛の代名詞なってしまったけれど、最高にイカシた、大人のときめきを表す擬態語だと思っている。

『ギャランドゥ』はもんたさんもセルフカバーしているが、ヒデキはセクシー、もんたさんはパッション、という感じで、独特な衝撃が楽しめる。シャカシャカと心地よく乾いた声は、いろんな感情を自由自在に放出してくるので、どんなカバー曲も、ご本家とまったく違った聴き心地になるのが楽しい。

化粧品メーカー・ノエビアのCMでの彼のカバーは有名だ。1989年の夏・秋では『イミテイション・ゴールド』(山口百恵)、1991 年の秋では『冬の稲妻』(アリス)をカバー。これが鶴田一郎の美人画とマッチし、すばらしく「いい女になれそう」と感じさせるのだ。クーッ、さすがコスメティック・ルネッサンス!

ノエビアのCMシリーズは、もんたさんのほかにも、柳ジョージさん、上田正樹さん、森進一さん、世良公則さん、桑名正博さんなども参戦。この見事すぎる人選、CMスタッフにしゃがれ美声マニアがいるとしか思えない。しかしおかげで、しゃがれ美声とコスメとの相性の良いということが証明された。この功績は大きい。

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