感染症を予防する食材
感染症に負けない体を作るには、ウイルスを退治する免疫細胞の主成分となる「たんぱく質」と、ウイルスなどの侵入を防ぐ粘膜の機能維持に関わる「ビタミンA」の両方を含む「鶏卵」を食べましょう。
ビタミンAは熱にやや弱いため、加熱する場合は、さっと火を通す程度のスクランブルエッグなどがよいでしょう。また、ビタミンAは酸化に弱いため作り置きはせず、調理後はすぐに食べるのがおすすめです。
感染症予防には漢方薬も役立つ
基本的な感染症対策や食事のほかに、漢方薬での体質改善で免疫機能を向上させることも、感染症の予防につながります。
「胃腸の働きをよくして、食事の消化吸収を上げる」「血流をよくして栄養を全身に届ける」「自律神経を整え、ストレスによる疲労を減らしたり、睡眠の質を上げたりする」といった漢方薬が免疫機能の低下をサポートします。
おすすめの漢方薬
・補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
胃腸の働きをよくして消化吸収機能を上げ、疲労を回復し、気力を充実させる効果が期待できる漢方薬です。食欲があまりない人や体力が低下している人に向いています。
・加味逍遙散(かみしょうようさん)
血流をよくして不足した栄養を補ったり、自律神経を整えたりする働きのある漢方薬です。疲れやすくイライラしやすい人、冷え・不眠などがある人に向いています。
漢方薬を始める際の注意点
漢方薬は食事の工夫などでは不調が改善しなかった人でも、効果を感じる場合が多くあります。
ただし、漢方薬はその人の体質に合っていないと、よい効果が見込めないだけでなく、副作用が起こることもあります。自分に合う漢方薬を見つけるために、服用の際は漢方に詳しい医師や薬剤師に相談するのが安心です。
◆教えてくれたのは:医師・木村眞樹子さん
きむら・まきこ。医師。医学部を卒業後、循環器内科、内科、睡眠科として臨床に従事。妊娠、出産を経て、産業医としても活動するなかで、病気にならない体をつくること、予防医学、未病に関心がうまれ、東洋医学の勉強を始める。臨床の場でも東洋医学を取り入れることで、治療の幅が広がることを感じ、西洋薬のメリットを活かしつつ漢方の処方も行う。 また、医療機関で患者の病気と向き合うだけでなく、医療に関わる人たちに情報を伝えることの重要性を感じ、オンラインで漢方を購入できる「あんしん漢方」(https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/)などで情報発信もしている。