猫の気分を察して合わせよう
猫に嫌われないためには、猫の都合や気持ちに、飼い主さんのほうから合わせる、寄り添うという姿勢が求められるようです。では、猫の気持ちは、どのようにして読み取ることができるでしょうか。
「猫もいろいろサインを出してくれます。喉をごろごろ鳴らすとか、足にすりすりしてくるとかは分かりやすいですよね。鳴き声で心理状態が分かることもありますよ。ニャッとかニャオとか短く鳴くときは構っても大丈夫。ニャーンと長めに鳴くときは、何か訴えたいことがあるかもしれないので、猫の身体やトイレやフードボウルなどに異変がないか、確認してください。シャーとかフーとかうなり声のときは当然、近寄らないのが吉です」
鳴き声と同様に、尻尾もまた猫の感情がよく表れる部分です。
「犬は尻尾をぶんぶん振っているときは喜んでいることが多いですが、猫は大きくぱたぱた尻尾を振って床をたたいたりしている場合、不機嫌のことが多いです。そっとしておきましょう。尻尾をくにゃりくにゃり動かすときや、ピンと立てているときは遊びたいと思っていたり機嫌がよかったりするときだと考えられるので、スキンシップを取ってみましょう」
嫌いなニオイや大きな音もNG
大きな音や猫が嫌うニオイを飼い主さんが発しないようにすることも嫌われないコツだといいます。日頃からドアの開け閉めや足音など、生活音が大きいタイプの人は、気を付けないと知らない間に猫から敬遠されているかもしれません。
「猫の前でタバコを吸わないのはもちろん、吸った後、タバコのニオイが残っている間は猫に近づかないほうがいいですね。香水をつける人は洗い流してから。柑橘類やハーブの香りも苦手な猫が多いです。のら猫が庭に入らないようにする忌避剤などに使われているぐらいですからね。生活用品にこれらが含まれていたら、無香のものに変えられないか検討してみてください」
◆教えてくれたのは:獣医師・山本昌彦さん
獣医師。アニコム先進医療研究所(本社・東京都新宿区)病院運営部長。東京農工大学獣医学科卒業(獣医内科学研究室)。動物病院、アクサ損害保険勤務を経て、現職へ従事。https://www.anicom-sompo.co.jp/
取材・文/赤坂麻実
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