午後の仕事は整理整頓から
集中力が続かない原因の1つに、「明確性の欠如」があります。これは「何から手を付けたらいいのか」や「いつまでに終えればいいのか」といったことが明確になっておらず、不必要に焦ってしまい、集中できなくなってしまうこと。集中して物事を進めるためには、やるべきことを整理整頓してひとつの作業に集中し、それを達成したら次に進むということを繰り返すことが大切です。
しかし、デスク回りが散らかっていると、気が散りやすく、ひとつの作業に集中しづらいもの。昼食後の眠くなる時間を利用して、デスク回りの整理整頓を進めると、気持ちよく仕事をしやすくなります。
「本来、整理整頓は気分をすっきりさせてくれますので、自律神経を安定させる働きがあります。これを有効的に活用するためには、毎日コツコツ、少しずつテーマを決めて片付けること。これがポイントです」
3行日記で一日を上手に終わらせる
無事一日を終えた後は、さらに次の日の集中力を高めるための習慣を採り入れるのがおすすめです。小林さんがすすめるのは、心のモヤモヤを吐き出すための「3行日記」。
これは、1行目に「今日、いちばんダメだったこと(失敗したこと)」、2行目に「今日、いちばんよかったこと(うれしかったこと)」、3行目に「明日、必ずやりたいこと(小さな目標)」を書くというものです。
1行目でその日の反省をし、2行目でよかったことを振り返ってモチベーションを上げ、3行目で翌日の目標を明確にすることで、前向きな気持ちで眠ることができます。
「誰かに見せるものでもないので、感情のおもむくままに書き連ねてしまって大丈夫です。というよりも、感情を整理するための作業なので、自分の心に素直に従って書き出すべきでしょう」
文字を書くこと自体に心を落ち着かせる効果が
この3行日記で重要なのは、1~3行目の順番を守ることと、「手書き」であること。文字を書くこと自体に心を落ち着かせ、自律神経を整える効果があるためです。
「その日にあった嫌なことやストレスは、その日のうちに吐き出してしまいましょう。一日の最後に3行日記を書く――このちょっとした時間があることによって、翌日の集中力がいっそう高まるといっても過言ではありません」
◆教えてくれた人:順天堂大学医学部教授・小林弘幸さん
こばやし・ひろゆき。順天堂大学医学部卒業、同大学大学院医学研究科修了。ロンドン大学付属英国王立小児病院外科、トリニティ大学付属医学研究センター、アイルランド国立小児病院外科での勤務を経て、順天堂大学小児外科講師・助教授を歴任。「腸のスペシャリスト」として、順天堂大学に日本初の便秘外来を開設。著書に『お医者さんがすすめるバナナの「朝食化」ダイエット』(アスコム)、『医者が考案した「長生きみそ汁」』(同)など。