2024年3月22日、能登半島地震で甚大な被害を受けた被災者を見舞うため、石川県の輪島市と珠洲市を訪問された天皇皇后両陛下。今回のご訪問では、被災地に負担をかけないように、さまざまなご配慮を見せられた。
被災者の状況をふまえて慎重に日程をご検討
2024年1月11日、宮内庁の西村泰彦長官が会見で、天皇皇后両陛下の被災地ご訪問について「現地の状況を見極めつつ、ご意向も伺いながら現地としっかり調整をしていきたい」と明かしている。翌月の2月、天皇陛下が会見された際にも、現地入りされる意向を示されていた。
「被災地にお見舞いに伺うことについては、私としては、現地の復旧の状況を見つつ、被災者の皆さんのお気持ちや、被災自治体を始めとする関係者の考えを伺いながら、訪問できるようになりましたら、雅子と共に被災地へのお見舞いができればと考えております」
被災地に向かわれたいというお気持ちがあった両陛下。地震発生直後に訪問されなかったのは、現地の負担を考え、ご訪問の日程を慎重に検討されたようだ。
天皇陛下は同会見で、能登半島地震について触れられた際、2023年10月に石川県を訪問されたことを振り返られた。
「年明けから間もない今年の元日の夕方に発生した能登半島地震は、お正月に家族で集まっていた多くの家庭を襲い、大勢の方が亡くなり、また、けがをされたり、住まいを無くされたりしました。
今回の地震に見舞われた能登地域は、雅子も私も、それぞれ学生時代に訪れて、思い出深く思ってきた地域であるとともに、昨年10月に、二人でそろって金沢市を訪問し、県民の皆さんに温かく迎えていただいたことが特に心に残っており、その石川県において、多くの方が犠牲となられ、今なお安否が不明の方がいらっしゃることや、避難を余儀なくされている方が多いことに深く心を痛めております。亡くなられた方々に心から哀悼の意を表しますとともに、御遺族と被災された方々に心からお見舞いをお伝えいたします」