夏のホットフラッシュ対策に役立つ食材
ホットフラッシュの症状を緩和するには、大豆イソフラボンやビタミンEが含まれている食材を取り入れることもおすすめです。
大豆イソフラボンはエストロゲンと似た働きを持ちます。また、個人差はありますが、大豆イソフラボンが腸内細菌によってエクオールという物質に代謝されると、その働きがさらに強くなるため、ホットフラッシュを含む更年期の症状を緩和する効果が期待できます。
ビタミンEは、ホルモンバランスの調整や血行の改善に働きかけることで、更年期の症状を緩和する効果が期待できる栄養素です。
大豆イソフラボンやビタミンEを多く含む食材として油揚げや納豆などが挙げられます。冷やしうどんや冷や汁などの冷たい料理の具材にすると、夏でもさっぱりとして食べやすいでしょう。
ただし、大豆イソフラボンの1日の摂取目安の上限値は70〜75mg(食品安全委員会「大豆イソフラボン」https://www.fsc.go.jp/e-mailmagazine/sousyuhen.data/09.pdf)と設定されており、過剰摂取しないよう注意が必要です。納豆であれば1日1パック、豆腐なら半丁(110g)を目安に摂取しましょう。
夏のホットフラッシュ改善には漢方薬も役立つ
夏に悪化するホットフラッシュの改善には、漢方薬も効果的です。「体の熱バランスを整え、のぼせや精神の安定に働きかける」「血流を整え体の熱を冷まし、のぼせやめまいなどの症状を改善する」といった働きをもつ漢方薬で、更年期症状へアプローチします。
おすすめの漢方薬
・加味逍遙散(かみしょうようさん)
エネルギーや血流の巡りを整え、上半身の熱を冷ましたり、冷えているところにはエネルギーを補ったりすることで、体の熱バランスを整えるように働きかけます。ホットフラッシュや冷えのぼせのほか、神経の高ぶりや抑うつなどの精神症状がある人におすすめです。
・女神散(にょしんさん)
エネルギーや血の巡りを促すことで体の余分な熱を冷まし、女性ホルモンの乱れによる不調にアプローチします。のぼせやめまいなどがある人に用いられ、ホットフラッシュにも効果が期待できます。
漢方薬を始める際の注意点
漢方薬は医薬品として効果が認められており、食事の工夫などでは不調が改善しなかった人でも、効果を感じる場合が多くあります。
ただし、漢方薬はその人の体質に合っていないと、よい効果が見込めないだけでなく、副作用が起こることもあります。自分に合う漢方薬を見つけるために、服用の際は漢方に詳しい医師や薬剤師に相談するのが安心です。
◆教えてくれた人:薬剤師・山形ゆかりさん
やまがた・ゆかり。薬剤師、薬膳アドバイザー、フードコーディネーター。病院薬剤師として在勤中、食養生の大切さに気付き薬膳の道へ。牛角・吉野家ほか薬膳レストラン等15社以上のメニュー開発にも携わる。「健康は食から」をモットーに健康・美容情報を発信する「Medical Health -メディヘル-youtubeチャンネル」(@medicalhealth–7900)で簡単薬膳レシピ動画を公開するなど精力的に活動している。症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」(https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/)でも薬剤師としてサポートを行う。
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