健康・医療

足を温めるだけで不調が改善されるのはなぜか?「肝臓が元気に」など3つのメリット

素足
足を温めて気になる不調を改善!(Ph/photoAC)
写真7枚

のべ8万人の体を見てきた整体師の吉田佳代さんによると、さまざまな不調は足を温めることで改善できるのだとか。その効果とケアの方法についてまとめた『不調を解消する すごい足温め』(あさ出版)を、医学博士・医師の白澤卓二さん監修のもと上梓しています。この著書の中でも紹介している不調の原因となる冷えが起こる4つの理由と足を温めることの健康効果について、吉田さんから教えていただきました。

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冷えが起こる大きな原因は4つある

病気になりにくい健康的な体の大敵は「冷え」だといいます。

「冷えは体のさまざまな要因によって体全体、または一部分が温まりにくい状態になることで起こります」(吉田さん・以下同)

冷えが起こる大きな原因は次の4つ。

【1】血液の循環が悪い
【2】筋肉量が少ない
【3】自律神経の乱れ
【4】ホルモンバランスの乱れ

それぞれについて詳しく知り、冷えづらい健康な体を目指しましょう。

靴下を履いた足
冷えの原因は主に4つ(Ph/photoAC)
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血液の循環が悪いと熱が体に与えられない

東洋医学では、昔からさまざまな病気の原因だと考えられてきた、血液の汚れ。血液の汚れとは、老廃物が滞留している状態などのことを指します。汚れた血液はドロドロとして流れにくく、循環が悪くなります。

「その結果、細胞が活性化するための酸素や栄養素の供給が不足し、新陳代謝の働きが滞ってしまいます」

人を含む恒温動物は、血液が流れることで全身に熱が与えられます。そのため、血液の循環が悪いと、熱量が不足し冷えにつながります。

筋肉量が少ないと熱が生まれない

体の熱を作り出す役割をもつのが筋肉です。運動不足で筋肉をあまり使わない生活をしていると、熱量が不足して体が冷えた状態が続くといいます。

厚着をしたり、暖房をつけたりしても体が温まりづらく、冷たいのが当たり前の状態になってしまうのが冷え性です。歳とともに筋肉量は減ってしまうため、年齢を重ねると冷え性になりやすくなります。

「熱を作り出す筋肉の多くは、下半身にあります。そして筋肉中には血液がたくさん通っています。日頃から歩いたり、ストレッチをしたりして下半身を温め、適度に筋肉を刺激し、熱を発する体を作っておきましょう」

足のストレッチをしている
歩いたり、ストレッチをしたりして下半身の筋肉に刺激を(Ph/photoAC)
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自律神経が乱れると体温調節がうまく機能しなくなる

自律神経が乱れると、体温調節がうまく機能しなくなることがあります。例えば、自律神経の乱れが原因の「冷えのぼせ」は、上半身に熱がこもって、下半身に熱が足りないという状態です。これにともなって、足の冷えや心臓のドキドキ、めまい、頭痛といった不調が現れることもあるといいます。ストレスや不規則な生活が続くことは、自律神経が乱れる原因になります。

「『心のバランスが偏っているな』『緊張が続いているな』というときは、体が冷えている可能性があります。お風呂に入るなどして、まずは体を温め心身ともにリラックスさせましょう」

ホルモンバランスの乱れが自律神経の乱れにもつながる

排卵や生理、更年期など、男性よりもホルモンバランスが乱れやすい女性。ホルモンバランスが乱れると、自律神経も乱れやすくなります。

「自律神経が乱れて血液循環が悪くなり、冷えの症状が出てきます。リラックスするためにも、シャワーだけで済ますのではなく、ゆっくり湯船に浸かって体を温めましょう」

桶とひよこの人形
ゆっくりと湯船に浸かり、体を温めて(Ph/photoAC)
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