スーパーなどで手軽に購入できる麻婆豆腐の素は、用意する材料が少なく調理も簡単で家庭の強い味方。1971年6月に『丸美屋』の『麻婆豆腐の素』が発売されてから53年後のいまでは各メーカーから数多くの『素』が発売され、おいしさを競っている。その中でも、中華料理の名店が監修などをした商品は少しお高めだが、高級感漂う本格派。そこで、スーパーなどで手に入る名店の商品を3名のプロが忖度なしに食べ比べ、審査員の合計点でランキングを作成しました。
- 4つのポイントで定番の『麻婆豆腐の素』を審査
- 1位【88点】『陳麻婆豆腐の素』(ヤマムロ)
- 2位【86点】『熟成の旨み、あふれる麻婆豆腐』(新宿中村屋「本格四川」)
- 3位【79点】『麻婆豆腐醤』(重慶飯店)
- 4位【65点】『コクと旨み、ひろがる麻婆豆腐』(新宿中村屋「本格四川」)
- 5位【61点】『中華街の麻婆豆腐がつくれるソース 広東式』(横浜大飯店)
- 6位【55点】『麻婆豆腐の素』(宮島酒家「南国酒家」)
- 6位【55点】『中華街の麻婆豆腐がつくれるソース 四川式』(横浜大飯店)
- 8位【52点】『麻辣麻婆豆腐』(聘珍樓)
- 8位【50点】『麻婆豆腐の素 中辛』(コーミー「味仙」)
- 10位【46点】『麻婆豆腐の素』(神楽坂「龍公亭」)
- 麻婆豆腐の素アレンジレシピ
4つのポイントで定番の『麻婆豆腐の素』を審査
《審査員》
・料理研究家・管理栄養士の満留邦子さん
・麻婆豆腐マニアのアーティスト・藤崎涼さん
・「中国菜エスサワダ」オーナーシェフの澤田州平さん
辛さは基本「中辛」で調査。各商品とも、具が“豆腐”“長ねぎ”“豚ひき肉”(元々入っている具材はその具材を利用)になるように不足具材を足して調理し、「おいしさ」「香り」「バランス」「コスパ」をそれぞれ10点満点で審査した。
料理研究家・管理栄養士の満留邦子さん
家族の健康を考えた「家庭料理」が得意で、書籍、雑誌や新聞、企業のレシピ開発、料理教室など食にかかわるさまざまな活動を行う。『あさイチ』(NHK)などテレビ出演も多い。
ドラマー・音楽プロデューサーの藤崎涼さん
ドラマーとして横浜銀蝿一家などのサポートや音楽プロデューサーとして活躍しながら、週に4回は「朝マーボー」を実践する麻婆豆腐マニア。『マツコの知らない世界』(TBS系)などに出演。
「中国菜エスサワダ」オーナーシェフの澤田州平さん
本場香港で修業を積み、中国料理の真髄を学んだ後、2016年大阪に「中国菜エスサワダ」を開業し、ミシュラン1つ星獲得。『ジョブチューン』(TBS系)の審査員としてもおなじみ。
1位【88点】『陳麻婆豆腐の素』(ヤマムロ)
【おいしさ:22】【香り:24】【バランス:22】【コスパ:20】
中国四川省の『陳麻婆豆腐店』より直輸入。「これぞ麻婆豆腐の本格的な味、辛さ、山椒の香りとしびれが◎」(澤田さん)。「花椒の余韻が長くて、辛みも充分」(満留さん)。「麻辣も申し分ない。牛ひき肉をしっかり炒めて作るとより本格的な味に」(藤崎さん)。
2位【86点】『熟成の旨み、あふれる麻婆豆腐』(新宿中村屋「本格四川」)
【おいしさ:22】【香り:22】【バランス:20】【コスパ:22】
豚・鶏・牛のひき肉を炒め合わせた奥深い旨み。「肉感があり、コクのある味わいでお子様でも大丈夫。別添えの山椒で香りUP」(澤田さん)。「スパイスのバランスがよく、やさしい辛さ。味に深みもある」(満留さん)。
3位【79点】『麻婆豆腐醤』(重慶飯店)
【おいしさ:18】【香り:22】【バランス:18】【コスパ:21】
総料理長監修の独自ブレンドによる秘伝味。「本格的な香りの大人な味で、ご飯に合わせて食べたい」(澤田さん)。「スパイスが効いているが、ひき肉の食感がもう少しあるとよいかも。塩味は強め」(満留さん)。
4位【65点】『コクと旨み、ひろがる麻婆豆腐』(新宿中村屋「本格四川」)
【おいしさ:15】【香り:16】【バランス:16】【コスパ:18】
特製XO醤、えび、ほたて、刻んだ豆豉の旨みが調和。「大きめのひき肉がゴロゴロ入っている」(藤崎さん)。「旨みが重なりすぎて、変な味に感じる」(澤田さん)。
5位【61点】『中華街の麻婆豆腐がつくれるソース 広東式』(横浜大飯店)
【おいしさ:17】【香り:14】【バランス:15】【コスパ:15】
香港のオイスターソースたっぷり、ほどよい辛みの広東式。「幅広い年齢層が食べやすい」(澤田さん)。「オイスターソース味が豆腐に合うが、麻婆豆腐?」(満留さん)。
6位【55点】『麻婆豆腐の素』(宮島酒家「南国酒家」)
【おいしさ:15】【香り:13】【バランス:13】【コスパ:14】
清湯をベースに、中国しょうゆ、香辣醤をプラス。「しょうゆ味が前に出ている」(澤田さん)。「旨みと甘みももう少し少なくてもよい」(満留さん)。
6位【55点】『中華街の麻婆豆腐がつくれるソース 四川式』(横浜大飯店)
【おいしさ:15】【香り:13】【バランス:14】【コスパ:13】
花椒入り唐辛子みそ「麻辣醤」を使った辛口タイプ。「辛さはしっかりあり、コチュジャンのような味がする」(澤田さん)。「辛みが強すぎる」(満留さん)。
8位【52点】『麻辣麻婆豆腐』(聘珍樓)
【おいしさ:14】【香り:14】【バランス:13】【コスパ:11】
辛さ、痺れ、旨味、香りのバランスが調和「オイル感が強い」(満留さん)。「トマトピューレが入っているのが面白い。甘いのが残念」。(藤崎さん)。
8位【50点】『麻婆豆腐の素 中辛』(コーミー「味仙」)
【おいしさ:11】【香り:12】【バランス:12】【コスパ:15】
名古屋で人気な中国台湾料理店「味仙」の味。「豆板醤の香りが印象的」(澤田さん)。「シンプルな原材料に粗びき唐辛子の見た目も◯」。(藤崎さん)。
10位【46点】『麻婆豆腐の素』(神楽坂「龍公亭」)
【おいしさ:13】【香り:13】【バランス:12】【コスパ:8】
保存料・着色料不使用の広東風。「豆鼓は効いている」(満留さん)。「原材料はいい感じだが、豆板醤を効かせてほしかった」(藤崎さん)。
麻婆豆腐の素アレンジレシピ
澤田州平さんおすすめ!「ひき肉入り麻婆豆腐の素で麻婆チーズトースト」
「とろみのある麻婆豆腐の素(ひき肉入り)を食パンに塗り、チーズをのせて焼くだけ。残り物の麻婆豆腐や、なすや玉ねぎなどの野菜を混ぜてもいいですよ」(澤田さん)
《作り方》
食パンにひき肉入りの麻婆豆腐の素大さじ3程度を塗り、ピザ用チーズをたっぷりのせ、トースターでこんがり焼けばできあがり。
※必要な具材は各商品のパッケージに書いてある調理する上で準備が必要な具材を表します。
※撮影は7月初旬に実施。価格はメーカー希望小売価格の税込み表示で、オープン価格の場合は編集部調べの実勢価格。
撮影/田中宏幸 取材・文/山下和恵
※女性セブン2024年8月1日号