血管病予防には漢方薬も役立つ
高血圧症や動脈硬化症などの症状に対して内科でも処方されている、漢方薬を取り入れることも血管病の予防につながります。
血管病予防には「血流をよくして全身に酸素や栄養を行き渡らせる」「ストレスで乱れた自律神経を整える」といった作用のある漢方薬が選ばれています。
おすすめの漢方薬
・八味地黄丸(はちみじおうがん)
老化によって衰えた体を温め、血流をよくして全身に栄養を与える効果が期待できます。動脈硬化傾向のある人に向いている漢方薬で、疲労感があり、口の中が渇くなどの症状がある場合に用います。
・釣藤散(ちょうとうさん)
エネルギーや栄養の巡りを整えてストレスによる緊張を鎮め、自律神経を整える効果が期待できます。高血圧傾向のある人に向いている漢方薬で、頭痛やめまい、肩こり、高血圧症などに用いられます。
漢方薬を始める際の注意点
漢方薬は食事の工夫などでは不調が改善しなかった人でも、効果を感じる場合が多くあります。
ただし、漢方薬はその人の体質に合っていないと、効果が実感できないだけでなく、副作用が起こることもあります。自分に合う漢方薬を見つけるために、服用するときには漢方に詳しい医師や薬剤師に相談するのが安心です。
◆教えてくれたのは:医師・木村 眞樹子さん
きむら・まきこ。医師。 都内大学病院、KDDIビルクリニックで循環器内科および内科に在勤。総合内科専門医・循環器内科専門医・日本睡眠学会専門医。産業医として企業の健康経営にも携わる。 自身の妊娠・出産、産業医の経験を経て、予防医学・未病の重要さと東洋医学に着目し、臨床の場でも西洋薬のメリットを生かしながら漢方の処方を行う。 症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」(https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/)でもサポートを行う。