50代留学生の1年間の留学費用は?
実際に韓国で生活を始めてみると、予想外の二つの問題に直面しました。それはかつてないレベルの円安と物価の高騰です。これらの影響で体感として、コロナ前に比べて物価が2.5倍アップした感じがします。おまけにコロナ前は100円=1000ウォンとレート計算も簡単でしたが、現在は100円=約850ウォンで計算しなければならずややこしいのです。私は日本から円を持ち込んで為替レートが良い時に両替所で両替していますが、年間を通じて授業料や住居費を含めたすべての費用が高騰し、おそらくすでに100万円以上は軽々予算オーバーしていると思います(涙)。
ちなみに初年度にかかった費用は、授業料、住居費、新生活準備金、交通費、光熱費(管理費、ジム使用料などを含む)、食費、通信費、国民健康保険料(6か月以上滞在すると自動的に支払う)などを合計すると、約450万円(退去時に全額戻る入居時の保証金100万円含む)ほどになります。
留学に対する家族の反応は?
「50代で留学中」と人に話すと、日本でも韓国でも、「旦那さんや家族は何て言ってるの? 旦那さんはよく許してくれたね」という反応が最も多いのです。実際、夫と娘たちは「賛成もしないけど反対もしない」といういたってクールなスタンスです。私は一度思い立ったらやらずにはいられない性格なので、実はほとんど家族に相談せずに、留学の準備を始めてしまいました。それでも娘たちには相談していたのですが、夫と両親に告げたのは出発の1か月ほど前で、呆れられているうちに逃げるように韓国にきてしまった点は、今でもちょっと反省しています。
とはいえ、自分の中で次のような完全帰国の条件を三つ決めています。
【1】自身に深刻な健康問題が起きたとき
【2】両親に深刻な健康問題が起きたとき
【3】娘が結婚して孫ができたとき
これらのどれかの状況になった場合は、無条件で帰国すると決めています。
留学を始めて1年半が過ぎましたが、幸いホームシックになったことは一度もありません。それでも遊びに来た家族が日本に帰る時は、やはり毎回強烈な寂しさを感じます。また、普段はたいてい夜中に一度は目が覚めるのですが、娘がいるときは朝までぐっすり眠れるので、そんな時、家族の存在はすごいなと改めて思います。
◆ライター・田名部知子
『冬のソナタ』の時代からK-POP、韓国ドラマを追いかけるオタク記者。女性週刊誌やエンタメ誌を中心に執筆し、取材やプライベートで渡韓回数は100回超え。韓国の食や文化についても発信中。2023年1月、韓国ソウルで留学生活と人生初めての一人暮らしをスタート。大学が集まる新村(シンチョン)にある西江(ソガン)大学の語学堂に通う。twitter.com/t7joshi
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