肥満や糖尿病など健康の敵となる血糖値は、食事で下げることができる。そこで、血糖値コントロールで自身も半年で20kg減を実現した管理栄養士で料理家の前田量子さんに、ヘルシー弁当のレシピを教えてもらった。レンチン調理で手軽に作ることができるメニューを組み合わせた弁当に、まずは2週間挑戦してみよう。
血糖値を下げる食事のカギ3つ
若い頃と同じような食事で糖質を摂り過ぎると、血糖値はさらに上がり、分泌されるインスリンでは抑えきれない余分な糖質が中性脂肪として蓄積される。肥満をはじめ、糖尿病や動脈硬化などの病気を引き起こす。
「血糖値を抑えるには、【1】食事の糖質を減らす。【2】糖の吸収を緩やかにする食物繊維を多く含む野菜や海藻を摂る。【3】糖代謝を上げるたんぱく質を充分に摂る。 紹介するお弁当はこの3つのポイントを押さえつつ、おいしく食べて、すっきりやせを目指せますよ」(前田さん・以下同)
血糖値上昇の予防には、食物繊維やビタミンACEたっぷりの副菜が最適。当日は副菜2種類と主食、主菜を合わせるだけ。
「レンチン調理など、手早く作れるものばかりですよ!」
【1週目】少量で味が決まる焼き肉のたれは低カロリーのものを
1週目の木曜のお弁当は次の通り。
【主菜】チャプチェ風
【副菜】ブロッコリーナッツ和え、たけのこと青梗菜のコチュジャン炒め
【主食】きのこ混ぜご飯
(糖質58.6g、531kcal)
【主菜】「チャプチェ風」のレシピ
《作り方》
【1】牛もも肉100gは4~5cm長さに切る。しめじ約1/3パック(30g)は石突きを切り小房にほぐす。パプリカ(赤・黄)各1/12個・長ねぎ1/10本(各10g)は細切り、しょうが・にんにく各5gはみじん切りにする。しらたき10gはざく切りにし、耐熱容器に入れ、ラップをかけて電子レンジで1分加熱する。
【2】フライパンにごま油小さじ1を熱し、【1】を入れて中火で炒め、肉に火が通ったら焼き肉のたれ大さじ1(20kcal以下)を加えて炒め絡める。
【副菜】「ブロッコリーナッツ和え」(糖質3.6g、69kcal)のレシピ
ブロッコリーの葉酸が若返り細胞を活性化。
《作り方》
耐熱容器に小房に分けたブロッコリー1/2株(100g)を並べ、ラップをかけて電子レンジで2分加熱する。砕いたアーモンド6粒(10g)、しょうゆ・砂糖各小さじ1で和える。
【副菜】「たけのこと青梗菜のコチュジャン炒め」(糖質0.9g、50kcal)のレシピ
食物繊維と鉄を補給!辛味で代謝促進も。
《作り方》
【1】水煮たけのこ100g、青梗菜2/5株(40g)は食べやすく切る。
【2】フライパンにごま油小さじ1を熱し、【1】を入れて中火で3分炒め、コチュジャン小さじ2を加えて炒め絡める。
【主食】「きのこ混ぜご飯」(糖質46.5g、205kcal)のレシピ
腸の老廃物をスムーズに排出し便秘解消に。
《作り方》
耐熱容器に石突きを切り小房にしたしめじ約1/2パック(50g)、しょうゆ小さじ1を入れ、ラップをかけて電子レンジで1分20秒加熱する。ご飯120gを加えて混ぜる。
【2週目】豚肉はもも肉を!カロリーはバラ肉の約1/3
2週目の木曜のお弁当は次の通り。
【主菜】ヘルシーチャーシュー
【副菜】たけのこと青梗菜のコチュジャン炒め、昆布と大豆と油揚げの煮物
【主食】ひじきとにんじんと油揚げの混ぜご飯
(糖質51.4g、520kcal)。
【主菜】「ヘルシーチャーシュー」のレシピ
《作り方》(3人分)
【1】耐熱容器に豚もも肉ブロック375g、しょうゆ大さじ11/2、みりん大さじ11/3を入れ、数回裏返してなじませる。
【2】【1】の隙間に箸で1か所穴をあけたピーマン小4個(90g)を置き、ラップをかけて電子レンジで10分加熱する。取り出して裏返し、再度ラップをかけて電子レンジで6分加熱する。取り出して竹串を刺し、透明な肉汁が出たらOK、出なければ追加で加熱を。食べやすく切って弁当箱に盛り、青じそ2枚(4g)を添える。
【副菜】「昆布と大豆と油揚げの煮物」(糖質0.2g、47kcal)のレシピ
昆布のカリウムでむくみを、大豆で動脈硬化を予防。
《作り方》
小鍋に水で戻した切り昆布20g(戻し後60g)、ゆで大豆20g、油抜きして細切りした油揚げ1/2枚(10g)、めんつゆ(3倍濃縮)小さじ2を入れ、弱火で7~8分煮る。
【主食】「ひじきとにんじんと油揚げの混ぜご飯」(糖質46.3g、211kcal)のレシピ
ゆでひじきの食物繊維はキャベツの約2倍。
《作り方》
耐熱容器に水で戻して水切りしたゆでひじき15g、にんじんのせん切り1cm分(10g)、油抜きした油揚げの細切り1/4枚(5g)、めんつゆ(3倍濃縮)小さじ1を入れ、ラップをかけて電子レンジで1分30秒加熱する。ご飯120gを加えて混ぜる。
※糖質などの栄養価は1人分です。
※主菜の分量は特記以外すべて1人分です。
※夏の弁当作りは衛生面に特に注意し、しっかりと加熱する、汁気は切る、素手で触らない、冷めてから蓋をするなどの工夫をしてください。
◆教えてくれたのは:管理栄養士、料理家・前田量子さん
調理科学に裏付けされた栄養バランスのよい料理が好評。著書に自身の体験をもとにした『おデブ管理栄養士だった私が20kgやせた お腹がすかないダイエット』(主婦の友社)など。https://www.instagram.com/nicos.kitchen/
取材・文/佐々木めぐみ 撮影/菅井淳子
※女性セブン2024年9月12日号