いちょうの木は秋になると色づき、銀杏(ぎんなん)の実をつける。野菜ソムリエプロの福島玲子さんは、「銀杏は9〜11月が旬。鮮やかな色味にねっとりとした食感、独特の風味がお好きな人も多いでしょう。よい銀杏を見分けるにはコツがあります。また、保存のポイントを知ることで風味を長持ちさせ、おいしく食べることができます」と話す。詳しく教えてもらった。
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おいしい銀杏の選び方、大きさ、色味
漢方に用いられ、古くから薬用の食材として親しまれてきた銀杏。酒のつまみとしても好まれる銀杏には、おいしいものを見分けるコツがあります。
銀杏は大きいものが◎色味やツヤもチェック
殻つきの銀杏を選ぶときは、色が白くて表面にツヤのある、なめらかなものが◎です。大きいものはよく育っている証拠です。
ただし、振ったときにコロコロと音がするものは身がスカスカになっている傾向があるので、できるだけ避けましょう。
むき銀杏はきれいな翡翠色を選んで
むいてある銀杏を買うときは、きれいな翡翠色(緑色)でモチモチとしているものを選びましょう。新鮮であるサインです。
収穫から時間が経った銀杏は、黄色っぽく、香りが強い傾向にあります。こういったものは味が落ちている可能性があるので、避けたほうがいいでしょう。
銀杏の正しい保存法&手軽な食べ方
殻つきの銀杏は、日持ちが長い食材です。正しく保存することで、おいしさを保つことができます。ただし、長く置いておくと実が黄色くなって味が落ちるので、食べきれないときは冷凍保存するのがよいでしょう。
銀杏は常温・冷蔵・冷凍で保存期間が変わる
殻つきの銀杏は、新聞紙か紙袋に入れ、常温の涼しい場所に置けば1週間程度保存できます。
冷蔵庫に置くとさらに保存期間が延びます。殻つきのまま湿らせたキッチンペーパーや新聞紙に包み、ポリ袋に入れましょう。1か月程度、保存可能です。
銀杏は冷凍するのもおすすめです。殻を剥いて1回に食べる分ずつ小分けにしてラップに包み、フリーザーパックに入れましょう。加熱してから冷凍してもよいです。冷凍保存であれば、3か月程度保ちます。
殻つきの銀杏を食べるときは、茶封筒に入れて塩を少々振ってから電子レンジへ。レンジで加熱すると殻が破裂するため、飛び散らないように封筒の口を2〜3回きっちり折りましょう。1分〜1分半ほど加熱すれば、ひびが入りますので、キッチンバサミなどで殻をむいて食べます。
もちろん、フライパンで乾煎りするのもOK。殻に割れ目を入れた銀杏をトースターやオーブンに並べ、200℃程度で10分ほど加熱してもいいです。
ちなみに、加熱せずに生のまま銀杏の薄皮を剥きたいときは、銀杏を20〜30分ほど水にさらします。薄皮がだんだんとふやけてやわらかくなり、指や濡らしたキッチンペーパーでこそげ取れます。
◆教えてくれたのは:野菜ソムリエプロ・福島玲子さん
ふくしま・れいこ。野菜ソムリエプロのほか、アスリートフードマイスター2級、ジュニア食育マイスター、食の検定1級、ベジフルカッティングスペシャリスト、エコクッキングナビゲーターなど多数の資格を持ち、日本野菜ソムリエ協会創立 20 周年記念事業『野菜ソムリエ名鑑 vol.1』に掲載されている。現在は、“野菜や果物から健康に”との考えを大切に講演・セミナー講師、イベント・セミナー運営サポート、コラム、料理教室、レシピ開発や監修・ジュニアアスリートの栄養指導・など、多岐にわたって活動中。https://ryufrei.com/
構成/イワイユウ