そして最後はマットに仰向けに寝て、正真正銘のリラックス。そこでコーチが、「寝ている皆さんのふくらはぎを触らせてくださいね」って不思議なことを言うの。静かなスタジオにコーチの足音が小さく聞こえていたけれど、それがだんだん近づいてきて私の足元へ。「失礼します」と言ったかと思うと、いきなり私の両足首をつかんでプルプルプル。数回、振った後で、ふくらはぎの数か所をキュッキュッキュとつかんだの。
痛くはないけど、「気持ちいッ」と言うほどでもない。なんたって20人以上の脚に同じようにするんだから、ひとりにかける時間は10秒あるかないかよ。全力を出し切った私は、「なぜ?」と考える力も残っていなかったんだけど、その威力に気がついたのは翌日、翌々日、翌々々日。
久しぶりに本気で膝を伸ばしたり、縮めたりしたから足の筋肉痛は覚悟していたのに、まったくないの。あるのは腹筋の鈍い痛みだけ。朝起きぬけに脚を曲げ伸ばししても、ちっとも、どこも痛くない。思い当たるのは、あのキュッキュッキュッだけ。こんなことってある? 「ふくらはぎは第二の心臓」って言うけれど、やっぱりふくらはぎをマッサージしてもらったおかげで全身の血行がよくなったのかしら。