ゆっくり眠るには、最適な季節ともいえる秋。しかし、加齢とともに、睡眠による悩みを抱える人も少なくない。そこで快適な睡眠に導く、寝具に注目。細部へのこだわりが上質な眠りに近づく第一歩。最高の睡眠を叶える「極上寝具」の最適解とは──。
「高すぎ」も「低すぎ」もNG!「楽に呼吸できる」高さを選ぼう
快眠セラピストの三橋美穂さんが言う。
「寝ているときに、“立っているときの姿勢”を保てるかを判断基準にしましょう。高すぎる枕を選ぶ人が多いですが、立ち姿勢に照らすと頭だけが不自然に前に飛び出している状態に。喉元がつまって息がしにくくなったり、首や肩のこりにもつながります。
逆に低すぎると呼吸が浅くなる。楽に呼吸ができるかどうかをチェックして。おすすめの形状は、中央部分が低めで両サイドが高くなっている立体構造のもの。寝返りをうっても肩の圧迫感が気になりません」
室内の温度は「涼しい」くらいがベスト
RESM新東京睡眠・呼吸メディカルケアクリニック副院長の下浦雄大さんが解説する。
「睡眠は暑さには弱いですが、寒さには強い。人間の体は寝る前は体温が下がった方がよく眠れるし中途覚醒もしにくいので、パジャマをしっかり着て、涼しいと感じるくらいの部屋で眠りに向かうのがいいでしょう。トイレが近くなるので寒すぎないように注意。寝起きをよくするためには起床90分前に部屋が暖かくなって体のリズムとシンクロできるような設定ができるといい」
「寒い部屋で寝ていると高血圧や肺炎など呼吸器系疾患のリスクが高くなるので、最低室温はWHOが推奨する18℃以上に保って。いちばん大事なのは布団の中の温度で、33℃のときがもっとも快適に眠れるといわれています」(三橋さん)
素材は綿やシルク。通気性や吸湿性を重視
「季節を問わず、寝ている間は汗をかくので、吸湿性がいいものを選ぶ。肌にあたるところは綿やシルクなどの天然素材がいいです。これから涼しくなり暖かさが求められますが、生地は厚いだけでなく形状が手首、足首がすぼまっているものを選ぶと、冷気が入りにくい。厚さと形の両方を見ながら選ぶのが大事です」(三橋さん)
マットの硬さを選ぶ際には「枕とセット」で
「ベッドマットや敷布団は硬すぎず柔らかすぎず、寝たときにお尻が沈み込まないものを選んで。枕のありなしで沈み方が変わるので、確認する際は枕をした状態で行うのが理想です。
硬めのものを選んで、その上に『マットレストッパー』といわれる5cm前後のマットをのせるのもおすすめ。マットもどんどんヘタるので、ある程度の年数で買い換える必要があります。マットレストッパーを交換すれば、マットはより長く使用できますよ」(三橋さん)
※女性セブン2024年10月24・31日号