寒くなった今の時期、大根やにんじん、ごぼうなどの根菜がおいしい季節を迎える。野菜ソムリエプロの福島玲子さんは、「旬の野菜は正しく保存することで、おいしさをキープすることができます」と話す。詳しく教えてもらった。
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大根&にんじんの保存、根と葉は分けると◎
形が似ている大根とにんじんは、保存の方法も似ています。保存する際のポイントを知っておきましょう。どちらも冷凍すれば1か月程度もちます。
大根は葉まで使える!保存のポイント
大根を丸ごと保存するときは、根と葉を分けるのがポイントです。葉がついたままだと、葉が根の水分と栄養を吸い上げてしまい、味や風味が落ちるからです。
カットした根はラップで包んで乾燥を防ぎ、野菜室または冷暗所に置きましょう。1〜2週間程度もちます。葉は湿らせたキッチンペーパーで包み、ポリ袋に入れて野菜室で保存します。すぐにしおれるので、葉はできるだけ早めに調理してください。
冷凍の場合も根と葉に分け、使いやすい大きさにカットして保存します。冷凍用の保存袋に入れるときは、キッチンペーパーなどで水気をよく拭き取りましょう。また、大根おろしにしてから軽く水気を切り、保存袋に入れて冷凍しても使い勝手がよいのでおすすめです。冷凍の場合は1か月程度で使い切りましょう。
カットにんじんはラップでぴったり包む
にんじんを保存するときは、大根と同様にまずは根と葉を分けましょう。冷蔵の場合は乾燥しないように新聞紙でくるんでから、さらにビニール袋に入れて野菜室へ。
カットしたにんじんの場合は、ラップでぴったりと包んでから野菜室に置けばOKです。ラップをせずにはだかのまま冷蔵庫で保存すると、乾燥してすぐに皮が黒く変色してしまいますので気をつけてください。保存期間の目安は大根と同じく1〜2週間程度です。
冷凍するときは、皮を剥いて使いやすい大きさにカットしてから、保存袋に入れて冷凍庫に置きましょう。こちらも保存期間は1か月程度が目安です。
ごぼうの保存&根菜類の冷蔵保存で気をつけること
ごぼうは泥付きか、洗いかで保存する方法が異なるので注意しましょう。また、根菜類に共通する、冷蔵保存する際のポイントもお話しします。
ごぼうは泥付きか洗いかで保存法を変える
ごぼうは泥付きのものと、洗ってあるものとで保存の方法が異なります。泥付きのごぼうは日持ちがよく、新聞紙で包んで1週間ほど常温保存ができます。一方、洗いごぼうは常温保存してはいけません。一度水にさらされて乾燥しやすくなっているので、水分の蒸発を防ぐためにラップでくるんでから冷蔵庫に入れましょう。冷蔵保存の目安は2〜3日間です。長く保存すると風味を損なうので、早めに食べることをおすすめします。
冷凍する場合は、ささがきにするとさっと使えて便利です。生のまま冷凍すれば味噌汁などの加熱調理で使えますし、茹でてからであればそのままごぼうサラダなどに使えます。ささがきだけでなく、千切りにしてきんぴら用にしてもいいですし、使い勝手のよい形にして保存するとよいです。1か月ほどで使い切るようにしましょう。
根菜類の保存は“立てる”がポイント
大根、にんじん、ごぼうはともに、野菜室の中でできるだけ立てて保存するのがベストです。
野菜は収穫後も蒸散と呼吸を繰り返して成長するので、生えているときと同様に立てることでストレスが最小限になります。横にすると、元の状態に戻ろうとしてエネルギーを使うため、味の劣化につながるので気をつけてください。
ごぼうや大根は長いので、立てるのが難しいときはカットしましょう。その際、切り口が乾燥しやすいので、ラップで切り口をよく包むと安心です。
◆教えてくれたのは:野菜ソムリエプロ・福島玲子さん
ふくしま・れいこ。野菜ソムリエプロのほか、アスリートフードマイスター2級、ジュニア食育マイスター、食の検定1級、ベジフルカッティングスペシャリスト、エコクッキングナビゲーターなど多数の資格を持ち、日本野菜ソムリエ協会創立 20 周年記念事業『野菜ソムリエ名鑑 vol.1』に掲載されている。現在は、“野菜や果物から健康に”との考えを大切に講演・セミナー講師、イベント・セミナー運営サポート、コラム、料理教室、レシピ開発や監修・ジュニアアスリートの栄養指導・など、多岐にわたって活動中。https://ryufrei.com/
構成/イワイユウ