再起動イベントで生まれた極上エピソード
亡き母の結婚祝いのデート写真
12年前、私が高校生のときに亡くなった母の写真やメールのやりとりが出てきました。特に、両親が結婚20周年のお祝いデートをしたときの写真は思い出の一枚です。闘病中の母がすごく喜んでいたと父から聞いていたんです。いまでも、父と一緒にふたりの結婚記念日をお祝いしているので、記念の一枚になりました。(R子さん)
写真が苦手な亡き夫の貴重な普段写真
2年前、夫が51才で突然病に倒れ、帰らぬ人に。写真に撮られることが苦手だった夫の数少ない写真の中で、絶対に見たい一枚がありました。それは2006年のクリスマスに撮ったもの。白いニットを着た何気ないカットで、ふだんの表情を写した貴重なものでした。撮った年や日付も、ケータイの機種も覚えているほどお気に入りでしたから、電源が入らないことが悲しくて仕方がなかった。今回また見ることができて本当にうれしいです。(Aの美さん)
認知症だった母の肉声に涙腺崩壊
10年ほど前のガラケーから、当時同居していた実母の画像が出てくればいいなと思い、2人の娘とイベントに参加。3人のケータイが復活すると、当時小学6年生の次女が綾波レイのコスプレをした姿や、まだスマートだった夫、父方の祖父母などの懐かしい画像が次々と復活して3人で大騒ぎに。
でも、実母の写真は見つからずあきらめかけていたとき、母からの留守電メッセージが見つかりました。内容は「至急来てください」という切迫したものと、車のナンバーについて話す元気な声。当時、母はアルツハイマー型認知症を患っていたので、半分幻覚の中で話していたのだろうと思いますが、それでも肉声が聞けてうれしいです。また会いたいなあ。(M美さん)
成人を迎えた娘の幼少期の写真や留守電にほっこり
成人式を迎えた娘に幼少期の写真を見せたくて、2006年に使っていたガラケーを再起動しました。これは、娘を連れて家を出て独立することを決めた時期のもの。娘が子供向けイベントで白衣を着ている姿やらなんやらが出てきて、タイムカプセルを開けているみたいな気分。
さらに、私が仕事で遅くなった日の、娘からの留守電メッセージが。「帰るのが遅いから心配しています。また後で電話ください」という不安そうな声。しみじみと聞き入ってしまいました。(T子さん)
愛犬の写真に感謝の気持ちが湧き上がる
クローゼットで10年眠っていたケータイに残る、愛犬ムーンの写真を見るのが目的でケータイを復活させました。
高校に入学したものの環境に適応できずにいた頃、ムーンを飼うことに。ともに暮らすうち、学校生活への意欲を取り戻せたのは、ムーンのおかげなんです。(A子さん)
大震災の避難時の両親からのメールで風化させたくない記憶が明確に
3.11(東日本大震災)で被災したときに、遠方に住む両親から「避難所に行けば水や食料が出るらしいよ。寒いから毛布を持っていくといいみたい」といったアドバイスのメールを見つけました。
そしてしみじみと、ケータイの中には、風化させてはいけない記憶も残っているのだなと感じました。5才の娘にもいつか伝える日が来るのかもしれません。(N夫さん)
「おもいでケータイ再起動」(参加費無料)
12月の開催予定
12/2~12/4 KDDIビルアネックス(東京都新宿区)
12/6~12/8 GINZA 456(東京都中央区)
12/13~12/15 au Style HIROSHIMA(広島県広島市)
12/14~12/15 JALウイングホール(東京都品川区)
12/20~12/22 十勝毎日新聞社(北海道帯広市)
東京都内では毎月開催中。以降の日程や予約については公式サイトで確認を。
https://www.au.com/omoidekeitai/eventlist/
取材・文/佐藤有栄
※女性セブン2024年12月12日号