健康・医療

ビタミンに関する間違った常識 「風邪予防になる」「レンチンで破壊される」…正し知って効率よく摂取する方法を専門家が解説

バナナ、なす、トマト、オクラ、キャベツ、人参、玉ねぎ、にんにく、キウイ、エリンギ、かぼちゃ、きゅうりなど
ビタミンは健康維持に欠かせない栄養素だが、間違った認識も多いようだ(写真/イメージマート)
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「ビタミンCを摂ると風邪の予防になる」という話を聞いたことはありませんか? 実はそれ、“間違い”かもしれません。健康や美肌のためにと、ビタミンを意識的に摂っている人も多いようですが、科学的根拠に乏しく、踊らされていることも少なくないのだとか。そこで、知っているようで知らないビタミンの基礎知識について、改めて紹介します。

ビタミンは全部で13種類ある

ビタミンは、3大栄養素である糖質・脂質・たんぱく質などの代謝や吸収を助けたり、体の機能を維持したりと、健康維持に欠かせない栄養素だ。

「ビタミンは、体内ではほとんど作られず、作れても微量のため、食べ物から摂取しなければなりません」

と話すのは、大妻女子大学家政学部食物学科教授の小林実夏さんだ。ビタミンは13種類あり、水溶性ビタミンと脂溶性ビタミンに大別される。

水溶性ビタミン9つを擬人化したイラスト
水溶性ビタミン9(イラスト/こさかいずみ)
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脂溶性ビタミン4つの説明イラスト
脂溶性ビタミン4(イラスト/こさかいずみ)
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「水溶性ビタミンは、ビタミンB群(B1、B2、ナイアシン、パントテン酸、B6、ビオチン、葉酸、B12)やビタミンCを指し、水に溶ける性質を持っています。たくさん摂っても不要な分は尿として排出されるため、体内には蓄積されにくい。一方、脂溶性ビタミンは、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKを指し、脂質に溶ける性質を持っています。肝臓や脂肪組織に蓄えられるため、摂りすぎると不調を招く恐れもあります」(小林さん・以下同)

ここからは、各ビタミンの役割について詳述する。

50代以上の女性はビタミンDとKが大切

風邪を予防し、肌を美しくするなど、50代以上の女性が摂るべきなのはビタミンCと思われがちだが…。

ビタミン13種類の主な働き一覧リスト
ビタミン13種類の主な働き一覧リスト
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「閉経後の女性は骨密度が急激に低下するので、カルシウムの吸収を促したり、骨にカルシウムが沈着するのを助けたりするビタミンDとビタミンKが大切になります」

特にビタミンDは認知症予防においても注目されているという。

「2023年にイギリスで行われた調査によると、ビタミンDのサプリメントを摂取していた高齢者は、摂取していなかった高齢者に比べて認知症発症率が40%低かったとの報告があります」

にもかかわらず、日本人の98%がビタミンD不足だという(※)。

「ビタミンDは食事や紫外線を浴びることで生成されます。日光に当たる時間は、春や夏なら1日15分程度、秋や冬なら1日30分程度で、朝がおすすめです」

ビタミン摂取はバランスが大切。食事からの摂取を心がけよう。

※2023年、東京慈恵会医科大学が発表。

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