10月に発表された都道府県魅力度ランキングでワースト1位となったのが佐賀県。昨年は茨城県だった。ライター歴45年を迎えたオバ記者こと野原広子(67歳)は茨城県出身で、佐賀県には縁があり何度も訪れている。“ランキングに現れない”両県の魅力についてオバ記者が綴る。
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毎年、イラッとくるランキング
この季節になるといろんなランキングが発表されるけれど、その中で毎年、イラッとくるのが都道府県魅力度ランキングよ。今年の最下位が佐賀県で去年は茨城県って、ほんと、ふざけてるよね。茨城はわが郷里で、佐賀県唐津市は仲良しのネットニュース編集者・中川淳一郎さんが移住して機嫌よく暮らしている県だ。
私も2年前に中川さんに会いに2度、唐津市を訪ねてその時に知り合った唐津の人を「どうしているかなぁ」とときどき思い出したりしている。ミュージシャンでみかん農家の山崎幸治さんは、初対面の時から顔を見てニヤニヤしちゃう関係だ。
佐賀愛を語るイベントに出演
そんなわけで、「オバ記者、下北沢で佐賀愛を語るイベントやるんでガツンとなんか言ってくださいよ」と中川さんから誘われたらそりゃあ、「行く」と即答よ。ちなみに2024年の魅力度ナンバーワン県は北海道で2位が京都府、3位が沖縄県だって。これもいつもの上位県だよね。
で、この3県がどれほど魅力的か、私だって知らないわけではないよ。北海道は高校3年の秋に初めて訪れてから半世紀に渡ってスキーやら、友人がススキノにパブを開店した時に手伝いに行っているし、そうそう、旭山動物園に通い詰めたこともあったっけ。そんなこんなで20回は津軽海峡を渡っているわよ。
だけど3年前の稚内までの鉄旅はいろいろ考えされられたよね。「ええ〜っ、どういうこと」と声に出したもんね。何がって、さびれっぷりよ。稚内も旭川も、なんなら札幌も、「少し前は盛っていたんだろうなぁ」という光景があっちにもこっちにも。これが魅力度日本一の現実? ツジツマ合わなくね?
茨城でおすすめのパワースポット神社
まあね。昨年の魅力度ランキング最下位の茨城女が何を言うかと言われそうだからさ。論より証拠で私は機会があれば東京の人を茨城旅に誘っている。特にここ数年の鉄板のおすすめスポットは日立市の御岩神社だね。パワースポットとは何か、ここの鳥居をくぐったとたんわかる。あたりを漂っている空気が濃くて純度が高く感じられて、ひと息つくたびに細胞レベルで浄化される気がするの。
しかし縁とは不思議よね。そりゃあ「魅力度最下位」なんて言われると気分悪いけれど、佐賀好きな仲間が集まって、そこで茨城女の私が佐賀愛を語らせてもらえるなんて、こんな幸せ、ある?
幸せといえば中川さんもそう。彼はネット編集者の激務を10年以上続けてきて心身ともに疲れたんだって。それでセミリタイアしてアメリカに移住を考えていたところにコロナ禍。「じゃあ、唐津はどう?」とライターのヨッピーさんがすすめてくれて、中川さんは妻のガチャさんとその気になった。ヨッピーさんは佐賀県県庁の移住担当の人と中川さんをつないで、中川さんも移住後は唐津のよさを大々的に発信。私ほか大勢の人が中川さんがそこまでいいと言うならと、唐津を訪ねてすっかりトリコになったと、ここまではモノの弾みだよね。
なんとヨッピーさんは移住後の中川さんを案じて、ひそかに県庁の担当の人と連絡をとっていたと、この日のイベントで告白したのよ。長く付き合っているから中川さんの性分をよく承知している。お互いに誤解がないか、行き違いがないか心配だったんだって。「ええ〜っ、そうなの! わし、全然知らんかった」と中川さんが驚いたこと。そういう中川さんも友人知人に私の話をしてくれていて、この日集まった人の半数以上がオバ記者を知っていたの。