更年期の睡眠障害対策で取り入れたい食材
脳と腸は密接に関係しており、腸内環境の乱れが自律神経にも影響しています。そのため睡眠の質を高めるには、腸内環境を整えることを日ごろから意識することも大切です。
腸内環境を整えるためには、乳酸菌やビフィズス菌の増殖を助ける食物繊維や、オリゴ糖が豊富な食材が効果的です。とくに、これから旬を迎えるごぼうは、不溶性と水溶性の食物繊維やオリゴ糖が豊富に含まれています。きんぴらや煮物、鍋などのほか、ごぼう茶もおすすめです。
ごぼうのほかには、秋から冬が旬のさつまいもやかぼちゃも食物繊維が豊富です。これら旬の食材を取り入れて、腸内環境を整え快適な睡眠をサポートしましょう。
更年期の睡眠障害には漢方薬も役立つ
更年期の睡眠障害対策には、「自律神経の乱れを整え、ストレスが原因の睡眠の質を高める」「血流をよくして全身に栄養を行き渡らせ、安眠に導く」などの作用をもつ漢方薬を選び、根本改善を目指します。
おすすめの漢方薬
・加味逍遙散(かみしょうようさん)
血流をよくすることで、自律神経や女性ホルモンの乱れを整えるとともに、体にこもった熱を冷まして精神を安定させる効果がある漢方薬です。ほてりやのぼせ、不眠症に用いられます。
・加味帰脾湯(かみきひとう)
胃腸の機能を高めるとともに、血流を改善して栄養を体に行き渡らせることで不眠に働きかける漢方薬です。イライラなどの精神症状や不眠、貧血に用いられます。
漢方薬を始める際の注意点
漢方薬は食事の工夫などでは不調が改善しなかった人でも、効果を感じる場合が多くあります。
ただし、漢方薬はその人の体質に合っていないと、よい効果が見込めないだけでなく、副作用が起こることもあります。自分に合う漢方薬を見つけるために、服用の際は漢方に詳しい医師や薬剤師に相談するのが安心です。
◆教えてくれたのは:医師・木村 眞樹子さん
きむら・まきこ。医師。都内大学病院、KDDIビルクリニックで循環器内科および内科に在勤。総合内科専門医・循環器内科専門医・日本睡眠学会専門医。産業医として企業の健康経営にも携わる。 自身の妊娠・出産、産業医の経験を経て、予防医学・未病の重要さと東洋医学に着目し、臨床の場でも西洋薬のメリットを生かしながら漢方の処方を行う。 症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」(https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/)でもサポートを行う。