
昨今、株式投資において、成長が期待されるのが、「インバウンド銘柄」だ。昨年の訪日外国人客数が約3687万人と過去最高を記録し、消費額も8兆円超で、今年1月の訪日外国人客数も、単月で過去最高を更新した。
「外国人旅行者が爆買いしそうなもの」を狙う
インバウンドアナリストの宮本大さんによれば、この盛り上がりは今年も続きそうだ。
「すでにチケットの売れ残りが出ている大阪・関西万博以上に期待できるのが、9月に東京で開催される世界陸上。より多くの外国人客を招き入れるためには、地方空港の増便などによってアジア圏からのLCCを受け入れる必要があるため、外国人向けのオプションツアーなどを展開する旅行会社などは狙い目。
また、インバウンド銘柄を語るうえで必須なのがホテル。いまは高級ホテルだけでなく、ビジネスホテルも業績は好調です。さらに交通系インフラも期待できる。特に西日本圏内は、姫路、広島、四国など観光資源があるため『JR西日本(西日本旅客鉄道)』や『JR九州(九州旅客鉄道)』などは伸びしろがあります」

一時期に比べてやや円高になったとはいえ、外国人からみれば日本はまだまだ“激安の国”。「外国人旅行者が爆買いしそうなもの」を狙えばいい。こころトレード研究所所長の坂本慎太郎さんはこう語る。
「しっかり値上げして利益を確保できているところは注目度が高い。例えば、アミューズメント施設も好調で、アメリカでも屋内施設『スポッチャ』を展開している『ラウンドワン』や、近年人気を集めているクレーンゲームなどを中心としたゲームセンター『GiGO』を運営する『GENDA』はいま、M&A(企業の買収や合併)を展開中で狙い目です」(坂本さん・以下同)
サブカルチャーや娯楽施設のほかに外国人からの人気を集めているのが、日本ブランドの化粧品。だがメーカーではなく、販売店舗の方に注目すべき。
「化粧品口コミ・購入サイトの『アットコスメ』を運営する『アイスタイル』は、原宿や大阪にさまざまなブランドの化粧品を自由に買い回れる大型店舗を展開しており、今後の伸びしろが期待できます」
外国人観光客を対象にした副業で稼ぐ方法も
投資だけでなく円安を追い風に今年も押し寄せる外国人観光客を対象にした副業で稼ぐ選択肢も充実している。インバウンドアナリストの宮本大さんが語る。
「いま、ホテルだけでなく、より手頃な『民泊』の利用者が激増中なのです。どこも従業員不足で、のどから手が出るほど人手が欲しい。
ある程度の語学力があれば、“日本文化の先生”としての副業もおすすめ。自宅の一室や台所などを利用した日本料理教室や、和室でのお茶体験などを提供する人が増えているのです」(宮本さん・以下同)

語学に自信があれば、国家資格の「全国通訳案内士」を取得すると選択肢がグッと増える。そこまで語学が得意ではないなら「ランドオペレーター」の資格もおすすめだ。
「日本全国にある機関で研修を受け、各都道府県に登録するだけ。海外の旅行会社から依頼を受け、宿泊先やタクシーの手配などをする仕事です。資本金も必要なく個人事業主として手数料を受け取れる。
いま、インバウンド向けの人材はどこの業界も足りていません。バイトアプリの『タイミー』などを活用し、“空港に迎えに行くだけの仕事”などもあります」
スキマ時間を利用した副業でも、充分稼げそうだ。

※女性セブン2025年3月13日号