【追悼いしだあゆみさん】おだやかだった晩年 超朝早寝早起きの“電気を使わない生活”、楽しみは「コンビニで人間観察」 大量の洋服にはさみを入れ、身の回りの物を処分
「私から見れば理想の夫婦でした」
恋多き女性から薄幸な妻までさまざまな役柄を演じてきたいしださんだが、プライベートでのロマンスはドラマ以上にドラマチックだった。1977年から1978年にかけて放送されたドラマ『祭ばやしが聞こえる』(日本テレビ系)で共演したショーケンこと萩原健一さん(2019年没、享年68)と1980年に“結婚”した。
1983年に萩原さんが大麻の不法所持事件を起こしたときは家宅捜索に立ち会い、翌1984年に飲酒運転で人身事故を起こし業務上過失傷害罪で逮捕されたときも、夫を思い、彼女自ら矢面に立って対応した。

「いしださんはショーケンよりも2才年上の姉さん女房でしたから、ひときわ責任を感じていた。不祥事を起こした彼を責めることなく、“どんなバカ男と言われようが、彼は私の夫。見捨てません”とかばっていました。実は、後に2人は“事実婚”だったことが明らかになり、余計に驚きましたよ。“妻”としての責任感が強すぎる人でしたね」(別の芸能関係者)
前出の知人は、いしださんの芯の強さを感じ取っていた。
「ショーケンが大麻で逮捕されたとき、“昔、勝新さんは楽屋で(大麻を)吸っていたことがあったわよ!”と、冗談とも本気とも取れないことを言って、周囲をドキッとさせていました」(前出・知人)
結局、“結婚生活”はわずか4年でピリオドを打つことになったが、後年、インタビューで次のように明かしていた。
「(結婚生活は)よかったですね。すごく愛されましたから。愛されたということはこっちも愛していたということですしね。私から見れば理想の夫婦でした」
そこには、周囲からは見ることができない、いしださんと萩原さんだけの絆があったのだろう。
「線香花火みたいに生きたいの」
生前、いしださんはそう話していた。その言葉通り、静かでいて力強く、凜とした人生だった。
※女性セブン2025年4月10日号