健康・医療

《40代以上女性に増加傾向》認知症やうつ病のリスクも?医師が警鐘を鳴らす「スマホ不眠」の影響とは

ベッドに横になり、スマホをいじる女性
寝ながら使用すると複視になるリスクも(写真/GettyImages)
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【目次】

スマホの使いすぎが招く悪循環とは―「スマホ不眠」が認知症やうつ病の原因に!

 

スマホ依存度チェックリスト
※奥村歩さん作成
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夜だけじゃない。日中の使いすぎが不眠を招く

「私のクリニックには、スマホの使用がやめられない“スマホ依存”となり、そのせいで不眠になったという患者さんが多くいます。特に40代以降の女性にその傾向が顕著です」と話すのは、脳神経外科医の奥村歩さんだ。

スマホを片手にベッドに入りあくびをしている女性
メールやLINEのやり取りが頻繁な40代女性は特に注意が必要(写真/GettyImages)
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「寝る間を惜しんでスマホを使う原因としては、動画やゲームなどのコンテンツが豊富にある、ということもありますが、夜中のメールにもすぐ返信しないと不安になるなど、日本人ならではの“空気を読む性質”も一因にあげられます」(奥村さん・以下同)

40代以上女性は、家族や職場、友人、習い事や推し活の仲間など、多数のコミュニティーに属しているケースが多く、メールやLINEのやりとりも頻繁だ。すぐに返信しなければと、受信音に敏感になり、睡眠が浅くなる人もいる。

不眠を防ぐには、就寝前にスマホを見なければいい、と思うかもしれないが、ことはそう単純ではないようだ。日中にスマホを使いすぎることこそ、不眠を招く原因となるからだ。

「スマホからは情報を詰め込んだ動画がひっきりなしに流れてきます。日中にこれらを長時間見ていると、覚醒物質のオレキシンや快楽物質のドーパミンが脳から分泌され、睡眠を促す脳内物質のメラトニンの働きを阻害。そのため、就寝時間になっても脳の興奮が収まらず、眠れなくなるのです」

スマホを1日平均2時間以上使用すると、脳が過労状態となる。その疲労を取るために睡眠が必要になるが、興奮状態のせいで眠れない。眠れないから脳の疲れがとれない。こうした悪循環に陥ってしまうのがスマホ不眠の怖いところだ。

スマホ不眠がうつ病や認知症の発症を促す

スマホ不眠は、認知症の一因になるとされている。

「認知症のなかでも、日本人でいちばん多くみられるのがアルツハイマー型。これは、脳内に発生するゴミの一種“アミロイドβ”の蓄積が原因で発症するとされています。脳内のゴミを取り除くには質の高い睡眠が有効ですが、スマホによる不眠が続くと、脳内にゴミが蓄積。認知症の発症を促してしまいます」

一方、睡眠専門医の梶本修身さんは、慢性的な睡眠不足が引き起こすうつ病や、横になった状態でスマホを見続けることで起こる複視(ものが二重に見える症状)などのリスクも見逃せないと指摘する。

「とはいえ、いまの時代にスマホを使うなというのは無理な話。上手な共存方法を探ることが重要です」(梶本さん)

◆教えてくれたのは:脳神経外科医・奥村歩さん

おくむらメモリークリニック理事長。認知症やうつ病に関する診察を専門とし、スマホが脳に与える影響にも詳しい。新著『脳内物質を整える仕事術』(三笠書房)が今夏発売予定。

◆教えてくれたのは:医学博士・梶本修身さん

東京疲労・睡眠クリニック院長。睡眠時無呼吸症候群など、さまざまな睡眠のトラブルにまつわる臨床を行う。新著に『眠れなくなるほど面白い 図解 疲労回復の話』(日本文芸社)。

取材・文/植木淳子

※女性セブン2025年4月10日号

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