友人にはどう謝る?

【ケース3】悪口を本人に聞かれてしまった!
「体調が悪かった」
「気の迷い」
「私、なんでこんなことを言っんだろう」
‥‥う〜ん、どれもダメな気がする。悪口の内容によるけれど、最悪のときは、
「言い訳はできないし、謝っても許してもらえないよね」
――と、全面降伏するかな。
だから私は基本的に人の悪口は言わないようにしているのだけど、悪口をいうことになったときは必ず逃げ道を作ることにしているの。たとえば「ケチ」とは言わず「しっかり者」、「仕事ができない」とは言わず「いるだけで和む人」というとかね。イヤミと言われようが、毒を抜いて話す癖をつけると舌禍が少なくなるんじゃないかしら。
【ケース4】ドタキャンしないといけなくなった!
中年期以降は「体調不良」を言い訳にして謝ると誰も何もいえません。ただし、本気で心配されるような病気は言わないこと。
「風邪をこじらせて治らないからごめんね、今日は遠慮させてもらえる?」
――って言うかな。みんなに迷惑をかけたくない、という気持ちを込めて。この方法は大昔、マナー講師の先生に取材したときに教わりました。67才になったいまは実感を伴って納得しています。老いには勝てないってことよ。
私は高校卒業後、すぐに就職したのだけれど、職場には同じ高校から就職したKちゃんという子がいたの。その子は私から見たら鈍臭く、決して社交的でもありません。ところがしばらく一緒に働いてみて、彼女にしかない才能に気づいた。
それは、高圧的な物言いをする社長に叱られたとき、肩を内側に入れて身を小さくし、「すみません」を繰り返すこと。言い分があっても言葉にはしないで、唇を尖らせ、上目づかいで社長をチラッと見る。
「なんだ、何か言いたいことがあるのかッ!」
と言われると、
「いえ、すみません。ありません」
と、さらに肩を丸くして“叱られている”という形を作る。そうなると、社長も怒りようがなくなって、しまいには笑い出していたわね。
頭ごなしに叱られると、人は詫びるより先に反論したくなるもの。でも言い返したら火に油。私はKちゃんから、“お詫びとは形が大事”ということを学んだ。この手法は私も活用し、仕事上でずいぶん役に立ちました。叱られる。黙る。俯く。一拍置いた後におずおずと、「あのー、いいですか?」とそろりこっそり言い分を言う。売り言葉に買い言葉で返すより、何倍もうまくいきました。
まぁ、これらの対処法は、あくまで私の場合。参考にできる部分があれば何よりです。
◆ライター・オバ記者(野原広子)

1957年、茨城県生まれ。体当たり取材が人気のライター。これまで、さまざまなダイエット企画にチャレンジしたほか、富士登山、「AKB48」のなりきりなどにも挑戦。バラエティー番組『人生が変わる1分間の深イイ話』(日本テレビ系)をはじめ、テレビ番組にも出演。現在は週刊誌『女性セブン』にエッセイ「いつも心にさざ波を!」を連載するほか、各地で講演会も開催。主な著書に『で、やせたの? まんがでもわかる人生ダイエット図鑑』(小学館刊)。