
女優として、母として、完璧を追い求めた末に心の緊張の糸が切れたのだろうか。いまだ全容が明らかにならない広末涼子(44才)の逮捕劇。2年前の騒動時、元夫が意味深に語った2年周期の変調。今回もまた、彼女はそのサイクルにのみ込まれたのか──。
連日、大勢の報道陣が集まる静岡県・浜松西署に品川ナンバーのレンタカーが到着したのは4月11日の朝。静岡地検が裁判所に請求した広末涼子の勾留が決定した翌日のことだった。
「親族の女性が広末さんに差し入れをするために、東京から駆け付けたようです。広末さんの身柄は最長で20日間拘束される可能性もありました。留置場では日常品を買うお金や衣類などが必要になるため、彼女の身を案じる親族や知人が急いで車を飛ばしてきたのでしょう」(現場を取材した記者)
波乱の半生を歩み、過去に数々の騒動を起こしてきた広末にとっても逮捕や留置場での生活は初めてのこと。芸能関係者の間に衝撃が走り、広末の周囲は精神状態が不安定な彼女の身を案じている。
「逮捕容疑は4月8日に病院で看護師の女性を蹴り、腕をひっかくなどの暴行を加えた傷害容疑。病院に搬送される前に、自身が運転する車で大型トレーラーに追突する大事故を起こし、同乗していたエージェントの男性にけがをさせた自動車運転処罰法違反(危険運転致傷)の疑いでも捜査が行われていました」(前出・現場を取材した記者)
アルコールのにおいはせず、薬物検査でも陽性反応は出なかったものの、取り調べ中に大声を出したり、歩き回ろうとするなど、明らかに取り乱した様子だったという。

異変は事故の数日前から起きていた。
「広末さんは、4月上旬から奈良県で行われていた映画の撮影に参加していました。大物俳優もキャスティングされていた撮影現場で、彼女とスタッフが口論する様子がたびたび目撃されていたそうです。独立後初の主演映画ということもあり、力が入りすぎていたのか、あるいはもともとの彼女の性格なのか……。感情の起伏があまりにも激しく、撮影が中断することがあったため、スタッフや共演者も彼女の体調を心配していました」(映画関係者)
10代の頃から“国民的アイドル女優”と呼ばれ、常に注目される存在だった広末には新幹線や電車に乗る習慣がなかった。自ら車を運転することも珍しくなかったという。
「運転も上手だったので、無謀な運転で事故を起こしたことが不思議でなりません。彼女がハンドルを握った車は、トンネルの壁にぶつかり、跳ね返った勢いでトレーラーに突っ込んで大破したといいます。道路にブレーキ痕はなかったそうで、まともな精神状態だったとは思えない」(広末の知人)

県警が早い段階で広末を釈放しなかったのは、充分な取り調べができなかったことに加え、パニック状態にある彼女を外に出したら何をするかわからないという判断もあったようだ。4月10日には、東京・世田谷区の自宅で家宅捜索も行われた。
「10人近い捜査員が家に入り、押収物をプラスチックの容器に入れて運び出していましたが、違法薬物は見つからなかったといいます。家宅捜索は午前10時頃から2時間ほど行われ、家には広末さんのお子さんたちもいたとみられています」(全国紙社会部記者)
2年に1回ぐらい心の安定が崩れる
2度の結婚と離婚を経験した広末は、2男1女を育てるシングルマザー。2022年5月にベストマザー賞を受賞した際には「子育てをしていても女優はできると立証できたら、この業界だけではなく女性が子育てをしながら活躍していける場が開けると思ってやってきた」と力強く語っていた。
「アメリカの小児科医が提唱する、誕生直後から子供と長時間、肌を触れ合わせることで親子の気持ちが通じ合うという育児理論“アタッチメント・ペアレンティング”を研究し、子供たちとの絆を大切にする熱心な母親でした。
多忙なときに、長男から『子供より仕事が大事なのかよ』『おれなんて生まれてこなければよかった』と言われ、ショックを受けて女優の仕事を辞めようと思ったこともあるそうです。不倫をしているときでも家事と育児はおろそかにせず、『1日が36時間だったらいいのに』と口癖のように言っていました」(前出・広末の知人)
40℃近い熱があっても子供を置いていけないからという理由で病院に行かず、がまんのしすぎで急性腎盂炎になったことが3回もあるという。愛情深い広末だけに、子供たちを悲しませた今回の逮捕劇は痛恨の極みだったに違いない。
2023年に世間を騒がせた人気シェフ・鳥羽周作氏(46才)との不倫騒動を経て離婚、翌年2月に広末は前所属事務所からの独立を果たした。自ら会社を立ち上げ、社長業もこなすようになった彼女は、以前よりもさらに目まぐるしい日々を送っていた。
「体のあちこちが悲鳴を上げ、点滴をしたり、座薬を入れて現場に行ったことも。彼女は仕事が決まると、睡眠時間を削ってせりふを覚え、役作りに没頭する完璧主義者でまぶたが痙攣したまま演技をしたこともあるそうです。その間、育児にも真剣に取り組んでいました。鳥羽さんと再婚しないのは、彼女には“シングルでもやっていける”という自負と、母と子の強い絆から生まれる“理想の母子家庭像”があったようです」(前出・広末の知人)
半面、思うように事が進まなかったり、環境が整っていなかったりすると、突然プツンと“心の糸”が切れてしまう。独立後の働きぶりは、明らかにキャパオーバーだった。

元夫のキャンドル・ジュン氏は不倫騒動後の会見で、広末が「2年に1回くらいさまざまな仕事のことで彼女の心の安定が崩れる」と明かしていた。不倫騒動から今年で2年。ジュン氏の予感が的中してしまったのだろうか。
事故を起こした車に同乗していたエージェントの男性は4月13日、過熱する報道やネット上の誹謗中傷をけん制するように自身のSNSにこう綴った。
《ここ数日連絡ができない状態で失礼しました。報道やニュースを見てるととても悲しくまた悔しい気持ちになっています。結果にはなぜそうなったかの理由が必ずあります》
広末の周囲は、いつか真実が明らかになり、彼女が立ち直る日が必ず来ると信じているという。
※女性セブン2025年5月1日号






