
キャベツの価格が落ち着いても、米や卵など、メイン食材の高止まりが続くいま、食費を抑える手として、安価な食材をプラスするなどしてボリュームを出す“かさ増し”がおすすめ。大根、厚揚げ、さつまいもなど野菜や大豆製品、乾物を使って、節約しても満足できるレシピを料理研究家・柳瀬真澄さんが提案する。
「大根と豚肉の角煮」のレシピ
豚肉200g分を大根200gでかさ増し。豚肉200g分の脂肪とカロリーをカット。
《作り方》(2人分)
【1】耐熱容器に皮をむいて10等分に切った大根1/5本(200g)を並べ、水大さじ1をかけラップをして電子レンジ(600W)で5分加熱。小松菜1株(50g)は塩ゆでして4cmの長さに切る。
【2】鍋に豚バラ肉ブロック200g、酒大さじ2、しょうがの薄切り1片(5g)、水3カップを入れて強火にかけ、ひと煮立ちしたら弱火にしてあくをとる。小麦粉小さじ2を入れ、蓋をして30分煮込む。肉に竹串がすっと通ったら、とり出して水洗いし水気をふいて6等分に切る。
【3】【2】の鍋を洗い、【1】の大根、【2】、酒・みりん・しょうゆ各大さじ2、砂糖大さじ1、だし汁1と1/2カップを入れて強火にかけ、煮立ったら落とし蓋をして弱火で30分煮込む。蓋をとり中火で10分煮て煮汁を飛ばす。器に盛り、【1】の小松菜を添える。
「厚揚げと鮭の野菜あんかけ」のレシピ
鮭100g分を厚揚げ170g~200gでかさ増し。鮭に似せて同サイズに切るのがポイント。

《作り方》(2人分)
【1】油抜きした厚揚げ1枚(170~200g)、鮭1切れ(100g)はひと口大のそぎ切りにし、片栗粉適量をまぶす。玉ねぎ1/2個(100g)は5mm幅、にんじん1/3本(40g)は太めのせん切り、小松菜2株(100g)は4cmの長さにざく切りする。
【2】フライパンにサラダ油大さじ1を熱し、【1】の厚揚げと鮭を入れて両面を3分ずつ焼いたらとり出す。
【3】【2】にサラダ油小さじ2を入れ、【1】の玉ねぎ、にんじん、小松菜の順に炒めたら、麺つゆ(3倍濃縮)1/4カップ、酒大さじ1、水3/4カップを入れ約3分煮る。水溶き片栗粉(片栗粉大さじ1:水大さじ2)を入れてとろみをつけ【2】を戻してからめる。
「さつまいもとえびのチリソース」のレシピ
えび80g分をさつまいも150gでかさ増し。ほっこりとした甘みがチリの辛みとマッチ!

《作り方》(2人分)
【1】フライパンに1cm分のサラダ油を入れて中火で熱し、5mm幅の半月切りにして水にさらした皮つきさつまいも2/3本(150g)を加え、揚げ焼きしたらとり出す。片栗粉少量をまぶしたむきえび8~10尾(120g)も1分ほど揚げ焼きしてとり出す。
【2】【1】のフライパンに大さじ1分のサラダ油を残し、トマトケチャップ大さじ2、おろししょうが小さじ1と3/5(8g)、おろしにんにく小さじ4/5(4g)、豆板醤小さじ1/2を入れ、中火で炒める。
【3】【2】に【1】、長ねぎのみじん切り1/6本(30g)、酒小さじ2、砂糖小さじ1/2、鶏がらスープの素(顆粒)小さじ1/4、塩・こしょう各少量、水大さじ4を入れ、ひと煮立ちしたら水溶き片栗粉(片栗粉小さじ1/2:水小さじ1)を加えてとろみをつける。器に盛り、小口切りにした青ねぎ1本(3g)を散らす。
「ポテトインハンバーグ」のレシピ
ひき肉100g分をじゃがいも100gでかさ増し。肉が少なくても食べ応えは大満足!

《作り方》(2人分)
【1】フライパンにバター20gを入れて弱火で溶かす。中火で玉ねぎのみじん切り1/2個(100g)を入れて10分炒め、粗熱をとる。
【2】ボウルに、ゆでて皮をむいたじゃがいも1個(100g)、バター10gを入れてつぶす。2等分にして丸め、薄力粉少量をつける。
【3】ボウルに合いびき肉200gと塩小さじ1/3を入れて粘りが出るまでこね、【1】、こしょう小さじ1/4、ナツメグ少量、牛乳に浸したパン粉(牛乳・パン粉各大さじ1)を加えて混ぜたら2等分にする。半量で【2】のじゃが玉1個を包み小判形にする。同様にもう1個作る。
【4】フライパンにサラダ油小さじ1を中火で熱し、【3】を入れて両面に焼き色がつくまで焼いたら、蓋をして弱火で10分焼いてとり出す。
【5】【4】のフライパンをふき、とんカツソース・トマトケチャップ各大さじ2を入れて中火にかけ、ひと煮立ちしたら火を止める。器に【4】を盛ってソースをかけ、好みの野菜適量を添える。
「高野豆腐のヤンニョムチキン」のレシピ
鶏肉150g分を高野豆腐100gでかさ増し。むちむちした食感がまるで鶏肉!

《作り方》(2人分)
【1】ボウルにひと口大に切った鶏もも肉150g、おろししょうが小さじ1(5g)、酒大さじ1、塩少量を入れ、10分置く。戻した高野豆腐2枚(100g/乾燥36g)は水気をしぼり、手で6等分にちぎる。鶏肉と高野豆腐に片栗粉適量をまぶす。
【2】フライパンにサラダ油大さじ1を熱し、【1】を並べ中火で7分ほど揚げ焼きし、裏返してさらに5分ほど揚げ焼きにしてとり出す。
【3】【2】のフライパンをふき、ごま油小さじ2、おろしにんにく小さじ1/2(2.5g)を入れて弱火で炒める。香りが立ってきたら、コチュジャン大さじ1と1/2、しょうゆ・酢・砂糖各大さじ1を入れる。火を強めて混ぜ、ひと煮立ちしたら火を止め、【2】を入れて全体をからめる。器に盛り、白ごま適量を振る。
「エリンギと牛肉の青椒肉絲」のレシピ
牛肉50g分をエリンギ100gでかさ増し。牛肉に似せて細切りにカット。

《作り方》(2人分)
【1】焼き肉用の牛肉100g、エリンギ2本とピーマン3個(各100g)は5mm幅の細切りにする。牛肉は酒大さじ1、塩・こしょう各適量で下味をつけて片栗粉適量をまぶす。
【2】フライパンにサラダ油大さじ1を熱し、しょうがのみじん切り1片(5g)を入れ、中火で炒めて香りが立ってきたら【1】の牛肉を加えて炒める。肉の色が変わったら【1】のエリンギとピーマンを入れて軽く炒め、焼き肉のたれ大さじ2を加えて強火で炒め合わせる。仕上げに、ごま油小さじ1を回しかける。
「もやしのお好み焼き」のレシピ
お好み焼き粉25g分をもやし100gでかさ増し。高価なキャベツ代わりに最適。

《作り方》(1人分)
【1】ボウルにお好み焼き粉(市販)25gと水1/5カップを入れて混ぜる。
【2】フライパンにサラダ油小さじ1を熱し、【1】の2/3量を入れて生地を丸く広げる。もやし1/2袋(100g)、揚げ玉10g、豚バラ肉1枚(25g)の順にのせ、真ん中を凹ませて卵1個を割り入れる。残りの【1】をまんべんなくかけ裏返す。ヘラで卵を押しつぶしながら広げ、中火で4分焼く。
【3】【2】を再び裏返してソース適量をぬり、マヨネーズ適量をかけ、かつおぶし・青のり各適量を散らす。
「切り干し大根とザーサイの卵焼き」のレシピ
卵1個分を切り干し大根50gでかさ増し。食感アップで食べ応え抜群。

《作り方》(2人分)
【1】戻した切り干し大根50g(乾物10g)とザーサイ15gは粗みじん切りにする。
【2】ボウルに卵2個、白だし・砂糖各小さじ1、水大さじ1を入れて溶きほぐし、【1】を入れて混ぜる。卵焼き器にサラダ油適量を熱し、3回に分けて流し入れ、そのつど巻いて焼く。食べやすく切り器に盛る。
「豆苗餃子」のレシピ
鶏ひき肉100g分を豆苗200gでかさ増し。豆苗の香りが食欲をそそるヘルシーな一皿!

《作り方》(20〜25個分)
【1】豆苗2袋(200g)は根と豆を切り、湯通ししたら水気をしぼって1cmの長さのざく切りにする。
【2】ボウルに鶏ひき肉150g、塩小さじ1/8、こしょう少量を入れて練り混ぜ、【1】、おろししょうが(5g)・ごま油各小さじ1、しょうゆ小さじ1/2を加えて混ぜ合わせる。それを餃子の皮20~25枚で包む。
【3】フライパンにサラダ油大さじ1/2を熱し、【2】を並べ、蓋をして中火で1分ほど焼く。軽く焼き目がついたら餃子が3分の1浸るほどの湯を入れ、蓋をして5分ほど蒸し焼きにする。水分がなくなったら蓋をとり、サラダ油少量を回しかけて焼き目をつける。
「玉ねぎとんカツ」のレシピ
豚肉180g分を玉ねぎ100gでかさ増し。新玉ねぎを使うと甘みとジューシーさがアップ!

《作り方》(2人分)
【1】玉ねぎ1/2個(100g)は1.5cm幅で4等分の半月切りにする。
【2】豚ロース肉しゃぶしゃぶ用8枚(120g)に塩・こしょう各適量を振る。豚肉2枚の端を5mm重ね合わせて1枚にし、小麦粉少量を振って【1】の玉ねぎ1個を置いて豚肉で包む。同じものを3個作る。
【3】ボウルに薄力粉大さじ3、卵1個、水大さじ1を入れてよく混ぜる。
【4】フライパンにサラダ油1cm分を中火で熱し、【3】、パン粉各適量の順につけた【2】を入れ、きつね色になるまで揚げ焼きにする。器に盛ってとんカツソース適量をかけ、好みの野菜適量を添える。
◆教えてくれたのは:料理研究家・柳瀬真澄さん
フードコーディネーター。定番から創作料理まで幅広い料理に精通。『InRed&SPRiNG特別編集 ゆるラク自炊BOOK』(宝島社)の監修ほか著書多数。
取材・文/佐々木めぐみ レシピ提供・調理・スタイリング/柳瀬真澄 撮影/菅井淳子
※女性セブン2025年5月1日号