年収300万円で幸せな生活を送る達人たちが伝授する“幸せの買い方”「子供といっしょに無料動物園でピクニック」「100円ショップをフル活用」…節約生活を楽しむ極意

現在、パン屋開業をめざす夫と1才半の長男と兵庫県で暮らす。月の生活費は家族3人で月16万円ほどに増えたが、いまも節約生活をエンジョイする。
「最近のマイブームは食事メニューの固定化です。日曜のピクニックのおにぎりから始まって魚、鶏むね肉など曜日ごとにメニューを決めて食材を買い、無駄な時間と出費を減らします。味付けを変えたり、のりを加えてブラッシュアップしたりとさまざまなアレンジも楽しんでいます」
そんな夫婦の決め事は「お互いに好きなことをする」。倹約するだけではなく、好きなことにはお金を使って気持ちをアゲている。
「文房具が大好きで、最近、憧れのメーカーが一堂に会するイベント『文具女子博』に出かけました。こういうイベントは出産後初だったのでワクワクして、予算を決めてかわいらしいメモ帳や一筆箋をせっせと買い込みました。

満足いく買い物ができたので帰宅後もニコニコしっぱなしで、夫からは“行ってよかったね”と言われました。好きなものに囲まれる生活は幸せですね」
いしいさんは次の日曜日も、家族そろってピクニックに出かける予定だ。
「少し離れた非日常」がカギになる
子供の頃からの夢をかなえるため、大手証券会社を退職してタレント養成所に入所したのはピン芸人のフルマユコ(41才)。
OL時代は金に糸目を付けなかったと振り返る。
「大手とはいえ初任給は20万円弱。お金に余裕がなくても美容にかけるお金はためらわず、まつげパーマやネイルに散財していました。“毎月決まった給料があるなら、使い切っても困らないはずだ”という感覚で、当時は貯金なんてまったく考えていませんでした」(フル・以下同)
その日暮らしを続けるなか、お金をかけずとも幸せになる方法を学んだ。
そのひとつが、100円ショップのフル活用だ。彼女は店舗を訪れるたび、掃除や整理整頓の道具を迷わず好きなだけ買い物カゴに放り込んだ。
「好きなだけ買っても20個で2000円弱だから大した金額ではないのに、買い物欲が満たされました。しかも、道具を使って掃除をすると部屋がきれいになって心が落ち着きます。
100円の掃除道具の大量購入は、低予算なのに身も心もスッキリするおすすめの方法です」
普段はなかなか行けない場所を訪れることも試した。OL時代、フルは職場の近くにある高級スパをよく利用していたが当然、移動中に職場の近くを通るので日常に引き戻されるような気分になって、なかなかリラックスできなかった。

そこで思いついたのが「日帰り箱根旅行」だ。
「ちょっと遠めの観光地に行ってみようという思いつきです。休日の朝一番に電車で箱根まで行き、日帰り温泉に入って昼食を食べてぶらぶらして夕方になったら家に帰る。
これなら交通費を入れても5000円程度だったので、会社の同僚と月末の恒例行事にしました。当時、箱根は電車で1時間程度で無理なく行くことができ、由緒ある観光地の風情を味わえました。“次はあの旅館のお風呂に入ろう”“今度はあそこでお昼を食べよう”と同じ箱根でも毎回違う楽しみ方ができます」
温泉地が幸せを招くのではなく、「少し離れた非日常」がカギとなる。
「スパがダメなわけではなく、非日常的な場所を訪れることがポイントです。自分の好きなシチュエーションを堪能でき、普段は行かない少し離れた場所がベストだったんです」
(第2回に続く)
※女性セブン2025年5月22日号