健康・医療

《あの日娘の「死にたい」を否定しなかった》元TBS高野貴裕アナ都議選出馬へ「障害をもつ子の親になって感じたこと伝えたい」(後編)

娘が「死にたい」と口にしたときは必死でした

――投稿するメッセージにもこだわりを感じます

「感想とかではなく、ちゃんと有益な情報を伝えるということは考えています。“誰かのためになる”目線を入れていこうと。そうじゃないとやる意味がないので。

そこに付随して、高野家で私たちの一歩という意味を込めて『wappo』という任意団体を立ち上げて、同じような福祉の世界で闘っている人たちや、障害児を育てる親御さん、娘がお世話になった療育の先生にインタビューをさせてもらい、記事化してHP(ホームページ)に掲載しています。

いま、医療的ケア児を含め、障害児の数というのは年々増えてきているんです。やはり晩婚化で高齢出産の方が増えて、リスクも増えて、そういったお子さんたちが増えているということなんでしょうね」

――星野さんの『VERY』連載の中で、娘さんが「ちょっとだけ死にたい」とおっしゃったことがあって、その時に高野さんがプレゼンをされたという話が印象的でした。

壁にぶつかることもあった。
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「ありましたね、あの時は必死でした。妻から電話がかかってきて、親として、どうしようと考えますよね。本当に色んなところを調べました。

インターネットで有名な教授の言葉を拾ってきたりして、子供がそういう言葉を口にした時に、親はどうすればいいのか悩みに悩みました。私も初めての経験ですから、どうしていいかわからなくて、色んな文献をあさって、自分なりに紐解いて、彼女に説明しましたね。

ただ、娘には絶対に死んでほしくないですが、その時、娘が感じたその気持ちは否定することなく受け止めようと思っていました。それはいまも変わりません」

――お嬢さんは「ふうか」さんというお名前ですが、どなたが名付けを?

「僕なんです。ワードセンスは、僕の方が妻より上かも知れません(笑い)。娘には、人と手を差し伸べ合ってほしいと願って『ふうか』と名付けましたが、娘は人に手を差し伸べてもらう側の人生になりました。

高野さんと娘さんのふうかさん。
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僕自身もわが娘に出会わなければ、障害者や障害児のことも知らなかったし、どう接していいかもわからなかった。でも親になって、当事者になって、学んだことは共有したいなと思っています。そういう思いを伝えながら、いまは選挙活動を必死に頑張っています」

 

【高野さんのお嬢さんのインスタグラム】
https://www.instagram.com/fuka_9_/?hl=ja

【wappoの公式ホームページ】
https://wappo.jp/about

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