料理・レシピ

《夏バテ・疲労・免疫力低下・不眠対策に》こぶみかんの葉やくこの実、スパイスで夏の不調を整える薬膳スープレシピ6つ

「鶏手羽元ととうもろこし、ゴーヤーの豆乳スープ」
薬膳の力で夏も元気に!「鶏手羽元ととうもろこし、ゴーヤーの豆乳スープ」
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暑さや湿気からくる夏特有の不調は、薬膳の知恵とエスニックの香りでやさしくメンテナンス。「食欲が落ちがちな夏こそ、身近な食材の力で体を整える、薬膳がおすすめ」と話す、国際薬膳師・栄養士・料理家の増子友紀子さんが教えてくれたレシピをチェックしよう。

「薬膳レシピは胃腸を温めて消化を助け、気を補って体力を回復させるなど、夏の不調にやさしく寄り添ってくれます。そこにエスニックの風味を少し加えることで、食欲が促され、体調の改善にもつながりますよ」(増子さん)

食で養生しながら、エスニックの新鮮な味わいも楽しんで。

夏バテ・疲労に

夏は高温多湿で少し動くだけでも体がだるくなり、疲れがたまりがち。疲労回復を助けるスープで、バテた体をしっかりリカバリーして。

「鶏手羽元ととうもろこし、ゴーヤーの豆乳スープ」のレシピ

カラフル夏食材の元気チャージスープ。

《作り方》(2人分)

【1】鍋に水2カップ、鶏手羽元4本、芯ごと8〜10等分に切ったとうもろこし1/2本、ちぎったこぶみかんの葉2枚を入れ、あくを取りながら中火で15分ほど煮る。

【2】無調整豆乳1カップ、3mm幅に切り、塩もみ後にさっと水洗いしたゴーヤー1/2本を加えたら煮立たないように温め、塩少量で味を調える。

《体整えポイント》

鶏手羽元は気力を補って胃腸の働きを助け、体力回復や疲労対策にぴったり。そこに、熱を冷まし解毒作用のあるゴーヤーを加えることで、体のだるさや食欲不振をやわらげ、内側から元気をサポートする組み合わせに。

「ツナときゅうりのエスニック風冷やし汁」のレシピ

冷んやりスープで疲れを取り不調も回復。

「ツナときゅうりのエスニック風冷やし汁」
「ツナときゅうりのエスニック風冷やし汁」
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《作り方》(2人分)

【1】ボウルに水1と1/2カップ、みそ・ナンプラー・白ごま各大さじ1を入れてよく混ぜ、冷蔵庫で冷やす。

【2】器に、輪切りにして塩もみしたきゅうり2本、ツナ缶(オイル漬け)1缶(70g)、食べやすくくずした絹ごし豆腐200gを盛る。

【3】【2】に【1】を注ぎ、パクチー適量をのせる。

《体整えポイント》

きゅうりは体の熱を冷まし、余分な水分を排出して夏バテやほてり、むくみを改善。手軽にエネルギーを補えるツナを合わせることで、元気もチャージ。

「トマトとオクラ、豚肉のスパイシースープ」のレシピ

ほてり解消にぴったり!夏にうれしい組み合わせ。

「トマトとオクラ、豚肉のスパイシースープ」
「トマトとオクラ、豚肉のスパイシースープ」
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《作り方》(2人分)

【1】鍋に水2と1/2カップ、コンソメスープの素小さじ1を入れ、中火にかける。

【2】沸騰したら細切りにした豚もも薄切り肉100g、ガラムマサラパウダー・パプリカパウダー各小さじ1/2を加え、あくを取りながら中火で2〜3分煮る。

【3】大きめのざく切りにしたトマト1個、輪切りにしたオクラ4本、チリペッパーソース大さじ1を加え、さらに2〜3分煮る。

【4】塩少量で味を調える。

《体整えポイント》

豚肉は体に潤いを与えてエネルギーを補い、夏の疲れや乾燥をやさしくケア。トマトは熱を冷まして潤いを生み、食欲不振やほてりに対応。オクラは胃腸を守りながら粘膜を保護し、便通も促してくれる。

免疫力の低下・不眠に

暑さや湿気などで眠りが浅くなる夏は、睡眠不足で免疫力も下がりがち。薬膳効果の高い食材とスパイスの力で、乱れた自律神経のバランスを整えて。良質な睡眠で夏に負けない体に!

「帆立貝と卵と青梗菜、くこのスープ」のレシピ

辛味ソースでエスニック風味アップ。

「帆立貝と卵と青梗菜、くこのスープ」
「帆立貝と卵と青梗菜、くこのスープ」
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《作り方》(2人分)

【1】鍋に水2カップ、くこの実小さじ1、帆立缶1缶(100g)を汁ごと入れて中火にかけ煮立たせる。

【2】1枚ずつはずした青梗菜2株を加え、さっと火を通し、塩小さじ1/3、こしょう少量で味を調える。

【3】溶き卵1個を回し入れる。好みでサンバルソース少量を加えれば味変に。

《体整えポイント》

帆立貝は体に潤いを与えて腎を補い、乾燥や疲れやすさ、体力低下をケア。滋養たっぷりの卵は、血を補いながら心を落ち着け、睡眠の質向上や疲労回復にも。

《くこの実》

漢方薬や薬膳料理の食材として使われる。スーパーフードとしても注目されている。

「長いもと豚団子、なつめの花椒スープ」のレシピ

滋養たっぷり!疲れた心と体に染みる。

「長いもと豚団子、なつめの花椒スープ」
「長いもと豚団子、なつめの花椒スープ」
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《作り方》(2人分)

【1】豚ひき肉200gに塩・こしょう各少量を加え、団子にする。

【2】鍋に水2と1/2カップ、乾燥なつめ2個、【1】を入れて中火にかけ、あくを取りながら5分煮る。

【3】2cm角に切った長いも200gを加えて3分煮たらしょうゆ大さじ1、塩少量で味を調える。

【4】器に盛り、白髪ねぎ・花椒各適量をのせる。

《体整えポイント》

豚肉は気と潤いを補って体力を回復させ、疲労や乾燥のケアに◎。長いもは疲れやすさや食欲不振の改善に。なつめは心を落ち着け、不安や睡眠トラブルに効果が。

《なつめ》

楊貴妃も食べていたといわれる栄養豊富な果実。中華料理や薬膳で利用されている。

「レタスと卵、黒きくらげのスープ」のレシピ

イライラを解消。ぐっすり眠りに導く。

「レタスと卵、黒きくらげのスープ」
「レタスと卵、黒きくらげのスープ」
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《作り方》(2人分)

【1】鍋に水2カップ、鶏がらスープの素小さじ1、せん切りにした生黒きくらげ50gを入れ、3分ほど中火で煮る。

【2】大きめにちぎったレタス1/4個を加え、さっと火を通す。

【3】白すりごま大さじ1、塩小さじ1/2で味を調える。

【4】器に盛り、温泉卵2個を各器の中央に落とし、粗びき黒こしょう少量をふり、ラー油適量を回しかける。

《体整えポイント》

レタスは体の熱を冷ましてのぼせやイライラ、睡眠トラブルをケア。黒きくらげは血の巡りを整え美肌にもアプローチ。卵で滋養と補血効果が高まり、疲労回復や心の安定につながる。

◆教えてくれたのは:国際薬膳師・栄養士・料理家 増子友紀子さん

ピンクのエプロンをした女性
国際薬膳師・栄養士・料理家の増子友紀子さん
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薬膳の知恵を日々の食卓に活かすライフスタイルを発信。著書に『心とからだを整える 春夏秋冬 薬膳レシピ』(マイナビ出版)。

撮影/yoshimi スタイリング/鈴石真紀子 取材・文/近藤鈴佳

※女性セブン2025年7月3・10日号

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