健康・医療

「小麦」に含まれるグルテンが引き起こす免疫の暴走、「乳製品」にはがんの罹患が高まる恐れ…日本人の摂取量が大きく増えた食品に潜むリスク 

「牛乳の摂取で大腿骨付近の骨折リスクが高まる」とする論文も

子供の頃を思い出すと、「骨を強くする」「背が高くなる」と牛乳を飲むことは“いいこと”だった。女性は骨粗しょう症リスクを回避するために積極的に摂る向きもある。さらに、ヨーグルトは腸活食材の代表格だ。しかしこれら体をつくり、整えるはずの乳製品も“毒”となる。

「日本人は牛乳をあまり飲んでこなかった民族のため、牛乳に対する耐性がありません。日本人の8割ほどが乳糖不耐症とも推計され、お腹の調子を崩すなど食性にかなっていません。

また、カルシウム過多・マグネシウム過少とミネラルバランスが悪いうえに、がんのリスクが高まる恐れもあります。摂らないに越したことはありません」(山田さん)

乳製品は、がんのリスクが高まる恐れがある(写真/PIXTA)
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吉野さんが続ける。

「乳製品の摂取量は戦後直後と比較し、8倍ほど増えました。注視すべきは、乳がん患者も8倍ほどに増加している点です。乳製品にはわずかですがエストロゲンが含まれ、それが乳がん、子宮体がん、卵巣がんなどホルモン感受性の高いがんのリスクに影響を与えているのではないかという研究があります。

また、牛乳には細胞分裂を促すインスリン様成長因子(IGF)やエストロゲンも含まれているので、体内のがん細胞の増殖を促す可能性もある」

AGE牧田クリニック院長の牧田善二さんはコレステロール値への影響を指摘。

「牛乳はコレステロールが多く含まれているので、悪玉とされるLDHコレステロール値が高い人は、避けた方が無難でしょう」(牧田さん)

2023年には、米メリーランド大学の研究グループが「牛乳の摂取で大腿骨付近の骨折リスクが高まる」とする論文を発表。欧米では、牛乳に含まれる乳糖や乳脂肪が老化を促すという報告もある。吉野さんは「牛乳が骨を強くするというのは思い込み」と話す。

「海外の研究で、牛乳が骨密度を低下させ、骨粗しょう症リスクを上げるという結果が出ました。また、牛乳に含まれるカゼインというたんぱく質はグルテン同様に、腸漏れの原因になりうる。乳酸菌の摂取が腸活にいいのは事実ですが、乳製品ではなくぬか漬けや大豆製品などから摂ればいいのです」(吉野さん)

(後編に続く)

※女性セブン2025年7月24日号

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