
暑~い夏こそ、カレーが食べたい!有名料理人たちが、自分と家族のために繰り返し作って食べる、とっておきのレシピを大公開。カンタンなのにどれも驚きのおいしさで、“らしさ”全開の翌日アレンジも必見です!
※余ったカレーは常温で放置せず、必ず冷蔵、または冷凍したものを再加熱し、「翌日カレー」として使ってください。
「おにぎりぼんご」女将・右近由美子さんのチキンカレーレシピ
ご主人を亡くしてからは、「私の家族はお店のスタッフたち」と語る右近さん。

「だから、まかないは“おうち料理”そのもの。カレーは家族みんなが大好きだから、一番多く登場するメニューじゃないかしら。基本はルーの箱に書かれた通りに作って、そこにちょっぴりこだわりを足すのがわが家のレシピ。店のおみそ汁で使うだしで具を煮て、セロリを加え、旬野菜の素揚げを添えています。翌日のカレーうどんのために、多めに作るのもコツかしら」(右近さん・以下同)

「愛用のカレールーは、スパイシーでどんな具材とも相性のよい、ハウスの「ジャワカレー(中辛)」一択!」
「鶏肉と夏野菜のカレー」レシピ
決め手はセロリの清涼感。素揚げ野菜をたっぷり添えて。
《材料》(約12~13人分)
鶏もも肉…2枚 にんじん…4~5本 玉ねぎ・じゃがいも…各5~6個 セロリ…2本 だし汁…7~8カップ カレールー(中辛)…300g ケチャップ…適量 サラダ油…適量
【仕上げ用】かぼちゃ・れんこん・プチトマト・オクラ・ヤングコーン・ご飯…各適量
《作り方》
【1】鶏肉はサラダ油を適量中火で熱したフライパンで皮目から両面こんがりと焼き、ひと口大に切る。にんじん、玉ねぎ、じゃがいもはそれぞれひと口大に切る。セロリは根元の硬い部分を切り落とし、茎と葉を粗いみじん切りにする。
【2】鍋にサラダ油適量を中火で熱し、にんじん、玉ねぎ、じゃがいもを炒め、全体に油が回ったら鶏肉を加える。
【3】だし汁を注ぎ、沸騰したら火をやや弱めにし、あくをすくいながら具材が柔らかくなるまで15~20分煮る。
【4】火を止め、ルーを割り入れて溶かす。再び中火にかけ、ときどきかき混ぜながら10分ほど煮込む。
【5】セロリとケチャップを加えて混ぜ、沸騰したら火を止めてしばらく休ませる。

【6】仕上げ用の野菜は食べやすく切り、揚げ油適量(分量外)でカラッとするまで揚げる。
【7】器にご飯、またはチーズやクリームチーズ各適量をのせたおにぎりを盛り、温めた【5】をかけ、【6】をのせる。

《Point》
旬の野菜を大きめに切って素揚げ。カリッとした食感がアクセントになって、最後まで楽しく食べられる。

【翌日アレンジ】「豚肉とねぎたっぷりのカレーうどん」レシピ
具材総入れ替えで、飽きさせない工夫を。食欲のない日もツルツルッといける!

《材料と作り方》(1人分)
【1】「翌日カレー」適量は具材を取り除いて小鍋に入れ、濃いめのだし汁(かつおと昆布)適量を加えてのばす。
【2】サラダ油適量で色よく炒めた豚こま切れ肉100g、ゆでうどん1玉、斜め切りにしたねぎ1/2~1本分を加え、軽く煮る。
【3】器に盛り、小ねぎの小口切り適量を散らす。
◆おにぎりぼんご

1960年の創業以来、おにぎり一筋。炊き立てご飯をふわっとまとめた、大きく具だくさんのおにぎりを求めて、終日行列が絶えない。
住所:東京都豊島区北大塚2-27-5
「レストラン ナチュール エ サンス」河窪雅秀シェフのチキンカレーレシピ
ジューシーで香ばしい鶏肉が主役。さらりとしつつ深い味わい。
修業時代に教わったレシピを進化させたというこのカレーは、穏やかな中にもピリッと力強さを秘めた、河窪シェフの人柄を感じさせる味。サラッとスープ仕立てで食べやすいのも、この季節にはうれしいポイント。

「少ない材料で、なるべく手間をかけずに作れるようにしています。その分、できればタンドリースパイスを使っていただきたい。肉をじっくり漬け込んだような本格的な味が簡単に作れますよ」(河窪シェフ・以下同)

「S&B「ゴールデンカレー」は、35種類のスパイスとハーブの香りがフレッシュに感じられる逸品で、昔から一切浮気なしに愛用中」

「タンドリーチキンカレー」レシピ
《材料》(4人分)
鶏もも肉…2枚 玉ねぎ…1個 にんじん…1本 にんにく・しょうがのみじん切り…各1かけ分 カレールー(甘口)…2かけ タンドリースパイス(なければガラムマサラ)…小さじ1
【A】チキンスープ(顆粒)…大さじ2 唐辛子…2本 ローリエ…2枚 水…4カップ
塩・こしょう…各少量 サラダ油…大さじ1 ご飯…適量
《作り方》
【1】鶏もも肉は筋を切り、塩・こしょうを振ってフライパンで皮目のみをこんがりと焼き、食べやすい大きさに切る。玉ねぎとにんじんは、フードプロセッサーなどでそれぞれ粗いみじん切りにする。

【2】鍋にサラダ油を中火で熱し、にんにくとしょうがを炒める。香りが立ったら【1】の玉ねぎとにんじんを加え、塩・こしょうを振り、しんなりするまで炒め合わせる。火を止め、30分~1時間そのまま置いて味をなじませる。
【3】【A】を加えて中火にかけ、鶏肉を加えてあくを取りながら30分ほど煮る。

【4】火を止め、カレールーとタンドリースパイスを加えて混ぜ溶かす。再び中火にかけ、4~5分煮る。
【5】器にご飯を盛り、【4】をかける。
《Point》
タンドリースパイスを加えるだけで、ぐっと本格的な味に。なければ、ガラムマサラでも代用できる。

【翌日アレンジ】「食パンでカレーパン風」レシピ
カリッと揚げ焼きして、イメージ一変。お弁当やおやつ、おつまみにもピッタリ。食パン1枚から作れるのもうれしい。

《材料と作り方》(1人分)
【1】「翌日カレー」大さじ2は、中の鶏肉を割く、またはみじん切りにする。ゆるければ小麦粉少量を加えて温め、とろみをつける。
【2】食パン(8枚切り)1枚は、耳を切り落とし、めん棒で厚み5mm程度になるよう軽く伸ばす。真ん中に【1】をのせて三角に折りたたみ、端を指でつまんで接着する。
【3】溶き卵適量にくぐらせ、パン粉・粉チーズ各適量をまぶし、多めのサラダ油を弱火で熱したフライパンで両面きつね色になるまで焼く。
◆レストラン ナチュール エ サンス

開店23年目を迎えた鎌倉のフレンチの老舗。地元野菜をふんだんに使った体が喜ぶ料理と、繊細で美しい盛り付けに食通からの信頼も厚い。
住所:神奈川県鎌倉市雪ノ下3-6-39
「ニルヴァーナ ニューヨーク」引地翔悟シェフのチキンカレーレシピ
「ラッサム」は南インドの家庭料理で、酸味のあるスパイシーなスープのこと。消化を助けるクミンやブラックペッパーが使われ、現地では元気になれる料理の代表的存在なのだそう。もちろんそれだけではなく、鶏の旨みが溶け出たスープは、最後の一滴まで飲み干したいおいしさ。

「夏場は結局今日もコレ、という日が多いですね。体にスーッと染み入って、活力をもらえます」(引地シェフ)

「夏野菜と手羽元のラッサムカレー」レシピ
毎日食べても飽きがこない体に染み入るスープカレー。

《材料》(2〜4人分)
手羽元…6本 おろしにんにく・おろししょうが…各1かけ分 トマト(完熟)…2個 なす…1本 オクラ…6本 水…3カップ
【A】ガラムマサラ…大さじ21/3黒こしょう…少量
【B】タマリンドペースト(なければ酢または梅干しの果肉)・しょうゆ・塩…各小さじ1
砂糖…ひとつまみ
サラダ油…大さじ1 パクチーの葉…適宜 ご飯…適量
《作り方》
【1】手羽元は塩ひとつまみ(分量外)をまぶしつけてもみ込み、10~30分置く。トマトはざく切りに、なすはへたを切り落として半月切りに、オクラはへたを落として斜め切りにする。

【2】鍋にサラダ油を中火で熱し、おろしにんにく・おろししょうがを炒める。香りが立ったらトマトを加え、つぶしながら5分ほど炒め煮する。

【3】【A】を加えて炒め、香りが立ったら【1】の手羽元、なす、水を加え、15分ほど煮込む。
【4】オクラ、【B】を加え、さらに5分煮る。
【5】器にご飯を盛り、【4】をかける。刻んだパクチーを散らす。
【翌日アレンジ】「冷やしラッサムそうめん」レシピ
ひと晩寝かせると、骨からだしがさらに出て、より奥深い味わいに。ツルッとのどごしのいいそうめんとも好相性!

《材料と作り方》(1人分)
【1】そうめん1束はゆでて流水で洗い、氷水でしめる。「翌日カレー」はよく冷やし、具の手羽元は骨を除いて細く割く。
【2】器に【1】を入れ、【2】を適量かける。仕上げに、ガラムマサラ・黒こしょう各少量を合わせて振りかける。
◆ニルヴァーナ ニューヨーク

大学で心理学を学んだシェフが、多彩なスパイス使いで五感を刺激するスタイリッシュなモダンインド料理を提供。
住所:東京都港区赤坂9-7-4 東京ミッドタウン ガーデンテラス1F
撮影/田中宏幸、菅井淳子、市瀬真以 取材・文/高城直子
※女性セブン2025年9月4日号