
日々の暮らしの中で、「食事作り」は毎日続いていくもの。だからこそ、「無理せず続けられるものがいい」と、料理家のウー・ウェンさんは話す。作り慣れた“定番料理”を繰り返し作ることで、家族がホッとする「いつもの味」になっていく。ウーさんが家族のために何度も作るおうちごはんの決定版を紹介。
家族と自分のために毎日作れる料理がいい
「暮らしは“流れ”です。流れる時間の中で、冷蔵庫にあるものや、その日買ってきたもので無理なく作る料理がいちばん。春巻きも南蛮漬けもスープも、具材は自由でいい。何度も作り慣れた料理は日々の暮らしを助け、家族が喜ぶ味に成長していきます」
そう話すウーさんは、家庭料理はシンプルで、毎日作れるものがいいと言う。
「私はよく春巻きを作りますが、日本の天ぷらと同じで具材は1種類、旬の食材を包むだけ。これだけで充分おいしい。夏の疲れが残るこの季節は、南蛮漬けも大活躍。カジキマグロを使えば魚の下処理がいりません」
「秋鮭の春巻き」のレシピ
旬の秋鮭が蒸されてふっくら。アクセントのハーブで新感覚。

《作り方》(2人分)
【1】生鮭2切れは皮を取り、ひと口大に切る。塩小さじ1/3、こしょう・タイム各少量をまぶし、下味をつける。
【2】小麦粉大さじ1/2を水小さじ1で溶き、のりを作る。

【3】【1】を4等分して春巻きの皮1枚で包み、巻き終わりに【2】を塗ってしっかり留める。同様にあと3本作る。

【4】揚げ油適量を170℃に熱し、【3】を入れ、きつね色になるまでカラリと揚げる。
【5】器に盛り、クレソン適量を添え、わさび・塩各少量でいただく。
「ウー家の麻婆豆腐」のレシピ
刺激的なしびれる辛さ豆腐が主役の「煮込み料理」。

《作り方》(2人分)
【1】木綿豆腐1丁(300g)はひと口大に切り、ザルにあげ、20分ほど水切りする。
【2】牛薄切り肉80gはざく切りにする。
【3】フライパンに太白ごま油大さじ1と1/2、【2】を入れ、肉の色が変わるまで弱火〜中火でじっくり炒める。粗びき唐辛子大さじ1/2〜1、みじん切りにしたトウチ15gを入れて炒める。
【4】しょうゆ大さじ1/2、【1】を入れて炒め、酒1/2カップを入れて煮立たせる。弱火にしてふたをし、8〜10分煮る。
【5】片栗粉大さじ1/2を水大さじ1で溶いて入れ、とろみをつける。小口切りにした細ねぎ3本分を散らし、火を止める。
【6】器に盛り、花椒粉小さじ1/2を振る。

「ある日のミネストローネ」のレシピ
冷蔵庫の余り野菜を一掃!野菜の甘みが溶け込む極上スープのできあがり。

《作り方》(2人分)
【1】玉ねぎ1個、にんじん・ズッキーニ・セロリの茎各1本、ベーコン(ブロック)50gはすべて1cm角に切る。マッシュルーム4個は十字に切る。トマト1個は乱切りにする。
【2】鍋にオリーブオイル大さじ1、ベーコン、叩いたにんにく1片を入れて、中火で炒める。香りが立ったら【1】の野菜をすべて入れ、炒め合わせる。
【3】油が全体になじんだら水3カップ、ローリエ1枚を入れて煮立たせ、弱火にしてふたをし、30分ほど煮る。
【4】細切りにしたセロリの葉1本分を加え、塩小さじ2/3、こしょう少量で味を調える。
「カジキマグロの南蛮漬け」のレシピ
カジキで作ればボリュームたっぷり。さっぱりした南蛮酢は玉ねぎだけで。

《作り方》(2人分)
【1】玉ねぎ1個は薄切りにする。
【2】鍋に酒1/2カップ、黒酢大さじ3、しょうゆ大さじ2、みりん大さじ1、唐辛子(輪切り)1〜2本、せん切りにしたしょうが1片分を入れ、中火にかける。煮立ったら2分ほど煮て、【1】を入れ、さっと煮て火を止める。
【3】カジキマグロ2切れ(300g)はひと口大に切り、塩小さじ1/2、こしょう少量、片栗粉大さじ1をまぶす。
【4】鍋に太白ごま油1/2カップを170℃に熱し、【3】を入れ、きつね色になるまでカラリと揚げ、油を切る。
【5】保存容器に【4】を入れ、【2】をかけ、冷蔵庫でひと晩置く。
【6】器に盛り、みじん切りにしたパセリ適量を散らす。
◆教えてくれたのは:料理家 ウー・ウェンさん

中国・北京市出身。ウー・ウェンクッキングサロン主宰。母親から受け継いだ中国家庭料理や医食同源に根ざした料理が人気で、中国の暮らしや文化を伝えている。『ウー・ウェンの麺 ごはん』(高橋書店)など著書多数。
撮影/木村拓 スタイリング/駒井京子 取材・文/岸綾香
※女性セブン2025年9月25日・10月2日号