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《百恵さんに学ぶ「孫との距離感」》「月イチ交流」は多いのか、少ないのか…ストレスなく孫育てを楽しむために重要なこと 金銭的な負担もポイント

孫育てでストレスをためないようにしたい(写真/PIXTA)
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「毎日でも会いたい」「大変だし年1回で充分」。祖父母と孫との適切な距離感は千差万別で、そこに確固たる“正解”はないのかもしれない。それでも孫とかかわる上で大切なポイントを押さえておけば、孫育てはぐっと楽しくなる。

 お盆や正月、誕生日といった節目をお祝いし、一緒に公園で遊び、家でテレビを見る。さらに習い事の送迎や食事の面倒をみることも—孫の日々の成長を実感することは、祖父母にとってはこの上ない喜びだ。だが、目に入れても痛くないはずの孫が、顔を合わせる「頻度」によってはストレスのもとになることも。さて、百恵さん(66才)の場合はと言うと──。

 今年、三浦友和(73才)との結婚45年を迎えた百恵さんは、東京・国立市で悠々自適の生活を送っている。

「愛犬の世話や趣味のキルト制作に打ち込むなどシニアライフを満喫しています。すでに息子2人は独立して家を出ていますから、友和さんとの夫婦ふたり暮らし。映画鑑賞デートは年間50回以上で、最近は次男の三浦貴大さん(40才)の出演作を一緒に“チェック”したそうです」(芸能関係者)

 そんな百恵さんは、“おばあちゃん4年生”だ。長男の三浦祐太朗(41才)と妻で声優の牧野由依(39才)との間に女の子が誕生したのは2022年春のこと。ふたりにとっては初孫で、七五三に同行したり乳幼児向けのテレビ番組を一緒に見たりと孫育てを楽しんでおり、3才半になる孫もじいじとばあばが大好きだという。10月29日に放送された『徹子の部屋』(テレビ朝日系)に出演した祐太朗は、両親と孫の交流を明かした。

「百恵さん夫婦の家で過ごす時間が楽しいようで『(ふたりの)おうちに行きたい』と祐太朗さんにせがむそうです。おねだりに応えるべく、祐太朗さんたちは月に一度は子連れで実家を訪れているんだとか。百恵さんも定期的に孫と会えることを喜んでいるといいます」(前出・芸能関係者)

 百恵さんは「月イチ交流」だが、世間一般ではどうか。2025年3月に「ハルメク生きかた上手研究所」が、孫のいる55〜87才の女性259名に孫とのかかわり方を調査したところ、1年間で孫と直接会う回数は平均で「56.6回」。週に1回ほどは孫の顔を見ているという結果になった。この数字と比べると、一見、百恵さんの月イチはやや控えめなように感じる。

 しかし、調査の結果を見た実際に孫を持つ人からは、「週1は多すぎる」「そんなに会えるなんてうらやましい」などの声が上がっており、人によって受け止め方はかなり異なるようだ。

「孫疲れ」を避けるために

「孫との距離感」を左右する要因の1つは、息子夫婦と娘夫婦のどちらの孫か、という点だという。5才の孫がいるIさん(66才/女性)は、次のように語る。

「孫が生まれた息子夫婦の家は車で1時間半ほどの距離にあります。誕生直後は顔見たさにしょっちゅう訪ねていましたが、2才頃から幼児教室などで忙しくなり、いまは顔を合わせるのは半年に一度くらい。

 会わない間に私の顔を忘れてしまうのか、いざ会っても最初はオドオドしていて、やっと慣れてきたと思ったらもう帰る時間。本当は2週間に一度は会いたいけど、あまり増やそうとすると嫁のストレスになるかもしれないのでがまんしています」

 NPO法人「孫育て・ニッポン」理事長で、産前・産後アドバイザーの棒田明子さんが解説する。

「困ったときに気兼ねなく頼れるのはやはり“自分の母親”ですから、どうしても娘夫婦の孫と会う機会の方が多くなりがちです。『共働き夫婦がうまくいく秘訣は、妻の実家のそばに住まいを構えることだ』と考えている現役世代もとても多いです。一方で息子夫婦の孫に対しては“もっと会いたいけど嫁に遠慮してしまう”という人も一定数います」

孫と一緒にアニメ「ちいかわ」 にハマっていたこともあるそうだ(2022年10月)
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 金銭的な負担に頭を悩ませる人も多い。月3〜4回のペースで孫と会うというMさん(64才/女性)がため息交じりに語る。

「孫はピアノやバレエ、スイミングに絵画と習い事が多く、発表会や展示会などのたびに私が呼ばれます。その都度、食事代やご褒美のプレゼントといった“お小遣い”をおねだりされるので、お金がいくらあっても足りません」

 年金暮らしの身には、孫へのお小遣い程度でも負担は小さくないだろう。さらに岩崎さんにはほかの悩みもあるという。

「直前になって孫の行事を知らされ、友達との予定をキャンセルする羽目になったことが何度もあります。でも孫から『ばあばも来て!』と言われたら断れません。自分の時間が充分に取れていない気がします」

 Mさんのように孫と頻繁に会うことで心身ともに疲弊してしまう状態を「孫疲れ」という。

「最近は祖父母世代も生涯現役で働いていたり、老老介護で大変だったりするケースが多い。そんななか孫の世話まで頼まれることで、体力面や経済面、さらに精神面まで参ってしまう人もいます」(棒田さん・以下同)

 孫育てに“やらされている感”を持つようになったら特に注意したい。

「息子や娘を助けられるのは自分だけと思ってしまいがちですが、現在はフレックス制や育児時短を導入して子育てを支援する企業も増えていますし、行政サポートもあります。限界が来る前にこうした仕組みを活用することも孫疲れを防ぐ選択肢です」

 多すぎても少なすぎてもうまくいかない孫との交流。何より大切なのは、祖父母が過干渉にならないことだ。

「心配になってつい教育やしつけに口を出したり、自分のやり方を押し付けてしまう祖父母は多いのですが、これがいちばんのトラブルのもと。あくまで祖父母はサポーターであることを意識しましょう」

 その点、孫との交流を「月イチ」にとどめている百恵さん。孫育てを楽しみながらストレスにせず、自分の趣味にも打ち込めるので、バランスが取れていると言えるかもしれない。

「人生の主役は孫ではなく自分たちであることを忘れないでほしいです。遠方で対面するのが難しいならテレビ電話や手紙で交流するというのも手です。互いに心地よい距離感を保って交流することがトラブルを防ぐはずです」

 引退後も「自己流」を貫く百恵さんを見習いたい。

女性セブン20251127日号

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