
腸内環境を整えることは、免疫力アップに欠かせない。感染症が気になるこれからの時期におすすめの塩麹を使った腸活スープを、料理家・管理栄養士の吉沼弓美子さんが教えてくれた。
スープは冬の腸活に最適のメニュー
「秋から冬は、水分の摂取量が不足して便秘になりやすい季節。適度な水分が摂れて内臓を温めてくれるスープは、腸活にぴったりなメニューです」と話すのは料理研究家・栄養士の今泉久美さん。
「腸内環境を整えるために積極的に摂りたいのは、発酵食品と食物繊維が豊富な食材。スープはどちらとも相性がよく、かつひと皿にいろいろな食材を入れられるため、栄養のバランスがとりやすいのもメリット。年齢を問わず食べやすいのも、いいところですね」(今泉さん)
《スープが腸活にぴったりな理由》
・適度な水分を摂取できるから便秘解消に
・複数の具材を入れられるから栄養のバランスがとりやすい。
・内臓をやさしく温めて腸の働きをよくする
・食物繊維がおいしくたっぷり摂れる
・発酵食品とも相性抜群
【塩麹】菌そのものや菌の餌に加え、消化をサポートする酵素も含む
乳酸菌だけでなく食物繊維やオリゴ糖を含み、消化をサポートする働きのある“酵素”も含むのが特徴。酵素は熱に弱いため加熱しすぎないのがポイント。

「塩麹サムゲタン風スープ」のレシピ
鶏肉に塩麹を合わせて旨みアップ。もち麦で食べるスープに。
《作り方》(2人分)
【1】鶏もも肉150gはひと口大に切り、塩麹小さじ1をまぶして20分おく。しめじ1/2パックは石づきを除いて小房に分け、しょうが1/4片は薄切りにし、にんにく1/2片は包丁の背でつぶす。
【2】鍋に鶏肉、しょうが、にんにく、長ねぎの青い部分1/2本分、水2と1/2カップを入れて中火にかけ、煮立ったらしめじ、もち麦50gを加える。再び煮立ったら弱火で15~20分煮る。
【3】しょうが、にんにく、長ねぎを除き、塩麹小さじ2、粗びき黒こしょう適量で味を調える。器に盛り、(あれば)糸唐辛子・くこの実各適量をのせる。
《Point》
白米の20倍の食物繊維を含むもち麦は、水溶性と不溶性のバランスも◎。不溶性食物繊維を多く含むしめじと一緒に。
「れんこんのすりおろし塩麹スープ」のレシピ
味つけは塩麹のみでOK。滋味深いスープにしょうがが香る。

れんこんには水溶性食物繊維と不溶性食物繊維がバランスよく含まれる。そのほか、ビタミンC、カリウム、タンニンなどの栄養も豊富。
《作り方》(2人分)
【1】れんこん100gは皮をむいてすりおろす。
【2】鍋にだし汁1と1/2カップを入れて中火にかけ、煮立ったら【1】を加え、混ぜながらとろみがつくまで温める。塩麹小さじ2で味を調える。
【3】器に盛り、おろししょうが・(あれば)ゆずの皮のせん切り各適量をのせる。
もずく酢は腸活の優秀食材。もずくのぬめり成分・フコイダンは水溶性食物繊維の一種。さらに酢の酢酸が悪玉菌の増殖を抑えてくれる。
「もずくの塩麹サンラータン」のレシピ
味つきもずく酢を使って手軽に。少しのラー油でピリ辛感を。

《作り方》(2人分)
【1】鍋に水2と1/2カップ、鶏がらスープの素(顆粒)小さじ2を入れて中火にかけ、煮立ったら味つきもずく酢2パック(120g)、絹ごし豆腐1/2丁(150g)をさいの目に切って加える。再び煮立ったらしょうゆ大さじ1、ごま油小さじ2を加えて混ぜる。
【2】水溶き片栗粉(水・片栗粉各大さじ1を混ぜる)を加えてとろみをつけ、溶き卵2個分を流し入れる。塩麹小さじ2、粗びき黒こしょう適量で味を調える。
【3】器に盛り、小ねぎの小口切り適量をのせ、ラー油小さじ1をかける。
◆教えてくれたのは:料理家・管理栄養士・吉沼弓美子さん

料理教室『Cucina del Cielo』主宰。イタリアで家庭料理を学んだ経験を生かし、センスがよく作りやすい、体にやさしいレシピを提案。
撮影/広瀬貴子 取材・文/平井薫子
※女性セブン2025年12月25日・2026年1月1日号