おいしいものをたくさん食べて、ゆっくり休んだお正月。リフレッシュできたはずなのに、だるさや疲れやすさを感じている人はいないだろうか。年始は温泉旅行で体を休めたという会社員の小池亜佐美さん(仮名・50才)はこう話す。
「久しぶりに机に向かったら、年末より肩こりがひどくてつらい。それに暴飲暴食のせいで、体が重くて、何だかむくみます」
2016年に健康情報を発信するウエブサイト「ウーマンウェルネス研究会 supported by Kao」が男女895人に行った調査によると、「連休明けに最も体調変化を感じる時期」の1位は「年末年始休み」で54・2%。なんと、半数以上にのぼっていた。
ヨガ歴40年、国内外でヨガを指導する龍村修さんが、不調の理由を教えてくれた。
「寒い季節、長い間体を動かしていないと、筋肉が縮こまってしまいます。私の教室に通っている生徒さんも動きにくくなっていて、普段は180度も開脚できる人が、正月明けのレッスンではできなくなっていることも。普段より心身にゆがみが生じている状態なので、体の不調が起こるのは当然です」(龍村さん、以下「」内全て同)
そこで龍村さんがおすすめするのが指ヨガだ。ヨガといえば、広いスペースで、全身を使ってポーズをとっている姿を思い浮かべるが、いったいどんなものなのか。
「指ヨガとは、手の指を回し、手のひらを押すことで体全体の血液循環を促し、自律神経を正常に保つ健康法のこと。もともと東洋医学には『部分即全体』といって、体の『部分』に『体全体』が隠されているという考えがあります。
体の一部の不調は全体の不調で、体の一部を刺激すれば全身に影響するといわれている。よく知られているものでは、鍼灸や足ツボですね。足ツボと同じように、手にも全身とのつながりを示した図があります。
指ヨガを行えば、冬の間に収縮した筋肉がほぐれるだけでなく血液循環が促されることで肩こり、冷え症の改善も期待できます」
ポイントは呼吸法だ。ツボを刺激するだけでなく、呼吸に集中しよう。
「全身で行う通常のヨガでは、ポーズをとる時にゆっくり息を吐きますが、指ヨガも同じ。痛くて気持ちいい程度の強さで手を押したりもんだりしながら、息を『ふーっ』と声が出るくらい意識してゆっくり吐いてください。押す時に吐く、もむ力を弱めた時に息を吸う。その繰り返しです。
できればお風呂の後、手が温まった状態で行うと効果的ですが、基本的にいつ行っても大丈夫。家事や仕事など働く前にやれば、作業の疲れが残りにくいです」
ただ手を押してもむだけだから、場所も着替えも必要ない。さっそく、部位別に効果的な指ヨガをご紹介!