
「ああはないたくない!」と思いながら、気づけば自分がそうなっているのが“老い”というもの。69才のオバ記者が、街で見かけた“老い姿”について綴る。
細かいことで“マウント”の奪い合い
69才の私。そういえば50代最後の1年は、方々で「アラカン(アラウンド還暦=還暦間近)」と騒いでいた。あのときは中年期が終わるという危機感がそうさせていると思っていた。しかしもうすぐ70才になって、いよいよ老年期に突入するといういま、現実をどれだけ受け入れるか。覚悟があるかというと、う〜ん、これがなかなかねぇ。
身体的なことでいえば、最近、不意にせき込むことが増えた。それもコンコンなんてもんじゃなくて、「ぐぉーっほっほっ!」って野太いおっさん咳。中年期の私には不思議だったんだよね。なんで高齢者は変な咳をするのかと。それを最近は自分がやっているの。「いや、たまたま埃っぽかったからよ」と自分に言い訳をするけれど、それが重なると、あ〜ぁとため息に変わる。
体の変化といえば足もそう。以前は何時間座っていても、立とうと思えばスッと立って足が前に出た。それがいまは、ほんの数秒だけど、脚の付け根がこわばって前に出ない。目は+3.0の老眼鏡をかけて、歯もガタガタ。白髪はここ何年もカラートリートメントで染めているけど、黒髪より白髪の方が圧倒的に多いよね。
ま、それは年相応だから仕方がない、と諦めるとする。でも60代半ばから私が身体的な老いを嘆くと、「あら、私は白髪少ないって言われるよ」とか、「足の動きが悪いって早すぎない?」など、同世代から「私は若い」とマウントをとられることが増えたの。「ほんとだ。すごいね。うらやましいなぁ」と言うものの、心の中で「見た目はそうかもしれないけど、アンタ、さっきから同じ話、4回してるよ」と喉まで出かかった言葉を呑み込む。