
5月上旬にアース製薬がSNSで「もう蚊に気をつけて。出てるぞ」と発信するほど、蚊の発生時期が早まっている。今年は5~11月くらいまで蚊が見られる「蚊の当たり年」になる可能性が高いのだとか。絶対に刺されないための方法を専門家に聞いた。
蚊の発生時期が早く長くなっている
蚊といえば夏に発生すると思われがちだが、地球温暖化の影響で、近年は春から初冬までと長い期間見られるようになった。
「特に今年は春から初夏にかけて気温が高く、5月には猛暑日を記録。さらに、適度に雨も降りました。こうした環境では蚊が繁殖しやすい。そのため、例年以上に、蚊が多く発生する可能性が高いでしょう」
と、害虫防除技術研究所所長の白井良和さんは言う。
雨が降り、気温が上がると蚊の幼虫であるボウフラの成長スピードが速くなる。そのため、暑くなる時期が早まっている近年は、蚊の活動開始時期も早まっているというわけだ。
「梅雨時期から7月いっぱいは特に多く、その後、猛暑で一時的に蚊の活動が鈍る可能性はありますが、秋口の9〜10月に再び発生のピークがきて、11月までは注意が必要です」(白井さん・以下同)
まずすべきは発生源を断つこと
夏前からすでに大発生している蚊だが、日本で人を吸血して悩ませる蚊は主に2種類だという。
「ヒトスジシマカとアカイエカのそれぞれメスです。ヒトスジシマカは、体に白と黒のシマ模様があり、背中に一筋の白い線が入っています。昼から夕方にかけて活動する“昼の蚊”で、普段は屋外のやぶや茂みなどに潜み、人や動物が近くを通るとサッと現れて血を吸います。人が家に入るときに服などにくっついて一緒に入ってくることもあります。ヤブ蚊とも呼ばれています」
一方、アカイエカは薄赤茶色をしていて、夕方から夜にかけて活動する“夜の蚊”。夜中に耳元でプ〜ンと聞こえたら、それはアカイエカに狙われていると思っていい。
「アカイエカは日中、排水溝などのよどんだ水場に生息し、日が沈んでから血を求めて探索行動を開始します」
蚊の恐ろしさは、刺されて血を吸われ、かゆくなることだけではない。マラリアやデング熱、黄熱などの病気を媒介することを忘れてはならない。蚊はこうした媒介により、全世界で年間数十万人の命を奪っており、最も人間を殺している生物といわれている。

「蚊は卵から成虫になるまで7〜20日ほど。刺されないためにまずすべきことは、発生源を断つことです。蚊は水が1cmほどでもたまる場所があれば産卵でき、ボウフラが成長します。水たまりはもちろん、詰まった側溝、ひっくり返したバケツの縁のみぞ、庭に置かれた植木鉢の受け皿、古タイヤの内側などにもボウフラはわきますから、家の周りに、少量でも水がたまるような容器がないか確認し、撤去するのが対策の第一歩になります」
ほかにも、撃退&防衛方法を詳述する。参考にしてほしい。
Q.蚊に刺されやすい人の特徴は?
A.呼吸が荒く、汗っかきの人は注意

「体温が高い人、運動をしたりお酒を飲んだりして呼吸が荒くなり、二酸化炭素を多く出す人、汗っかき、肌が潤っている人は蚊に刺されやすい」(白井さん・以下同)
ちなみに、柑橘系やハッカの香りは蚊除けになる。
Q.虫除け剤以外で蚊を防ぐ方法は?
A.夜寝るときは電気をつけて扇風機を回す

「夜に耳元で蚊のプ〜ンという羽音が聞こえたら、電気をつけましょう。夜の蚊・アカイエカは光が苦手なので暗い所へ逃げていくはず。気流が乱れるので扇風機をつけるのも◎」
日中はハンディーファンを持ち歩くのもよい。
Q.日焼け止めと虫除け剤はどちらを先に塗る?
A.虫除け剤は最後につけてムラがないようにのばす

「虫除け剤をつけてから日焼け止めを塗ると、効果が弱くなる可能性があるので、日焼け止めを塗ってから虫除け剤をつけるのが効果的。スプレー剤の場合、吹きかけた後に、塗りムラがないよう、のばすことも忘れずに」
Q.網戸を閉めていても蚊が入ってくるのはなぜ?
A.網戸と窓の間に隙間がある可能性大

網戸を閉めているのに蚊が入ってくる場合、網戸と窓のフレームの間に隙間があいている可能性がある。入らないようにするには、網戸と窓のフレーム部分が重なるようにして窓を全開にするか、半開きの場合は下の図のように開けるのがおすすめ。
Q.刺されやすい格好は?
A.暗い色や濃い色で、肌にピタッと密着した服

蚊は黒などの濃い色や暗い色を好む。「刺されないようにするには、白や淡い色の服がおすすめ。厚さが2mm以内の生地なら服の上からも皮膚を刺せるため、肌に密着した黒のレギンスは要注意。ゆったりした服なら◎」
◆教えてくれたのは:害虫防除技術研究所所長・白井良和さん
有限会社モストップ取締役、医学博士。蚊やゴキブリといった不快害虫の対策商品について効果を確認する試験を行うほか、Web記事執筆、雑誌の監修、動画投稿など幅広く活躍。
取材・文/土田由佳
※女性セブン2026年7月23日号