もっと効率的にケトン体を増やせることもわかってきたと白澤さんは言う。
ケトン体を増やしてくれるココナッツオイル
白澤さんが実践しているのは、モデルで女優のミランダ・カー(31才)も愛用しているというココナッツオイルを積極的に摂るということ。ココナッツオイルは、ココナッツの白い果肉を熱や溶剤を加えずに圧縮して抽出したものだ。
「このオイルは、主に中鎖脂肪酸で構成され、肝臓でケトン体に分解されます。ケトン体が増えれば脂肪が燃えやすくなる。1日にスプーン2杯ほどをコーヒーに入れてもいいし、料理に直接かけてもおいしいですよ」(白澤さん)
ココナッツオイルを摂ってケトン体を増やしながら糖質制限を行うと、よりダイエット効果が得られそうだ。
ケトジェニック・ダイエットでは、肉食も有効
もう一人、医師で「ケトジェニック・ダイエット」を実践しているのは、ナグモクリニック東京のアンチエイジング、機能性医学外来の医長、斎藤糧三さん。斎藤さんは、糖質を制限し、肉をしっかり食べて減量に成功した。83kgあった体重は、この方法で18kg減り、65kgになったという。
「主に牛肉をステーキで食べました。肉はカロリーが高くて太るというイメージがありますが、肉を敬遠してたんぱく質不足になると、余計太りやすくなります。ケトジェニック・ダイエット中はたんぱく質を積極的に摂ることが大事です。
このダイエット法だと、ケトン体が出て痩せやすいという体質そのものが作り上げられるため、リバウンドもほとんどありません」
しかし、欧米人ならともかく、日本人には肉よりもむしろお米など穀類の炭水化物のほうが、体質的に合っているような気がするが…。
「ヒトはそもそも、肉食の時代のほうが長く、約250万年前から主に肉を食べているといわれています。二足歩行に移って脳の容量がグッと増えたのも肉食がきっかけで、その摂取量はオオカミ並みとも。
対して穀物栽培は1万年ほどの歴史しかありません。生活スタイルが変わり、急に穀物を主食にしたからといって、体のつくりまで肉主食から穀物主食にスイッチできるわけではないのです」(斎藤さん)
つまり、肉を食べてエネルギーをつくることは、人間にとって、ごく自然なことなのだ。