東洋医学では患者を診る時に4つの診断法を用いるが、その1つが顔を見て、体調や体質を診断する顔診断(望診)だ。「顔色が悪いけど大丈夫?」と友人を心配するのも実は顔診断の1つ。顔のどこにどんな不調が現れるのか? 顔からここまで不調が読み取れるという。
まずは、この写真を見てほしい。例えば胃の調子が悪い時は目の下や鼻、上唇に、肝臓が不調なら、眉間にシミやたるみ、吹き出物などの“不調のサイン”が現れる。そのメカニズムを、顔や体の見た目から健康状態を診る望診カウンセラーの渡邉由さんは、次のように説明する。
「体には、有害物質が入り込むと排出しようとする働きが備わっています。胃や腸などの消化器系に異物が侵入した場合、嘔吐や下痢、たんや鼻水が出るのはこの働きです。しかし、これには許容範囲があり、それを超えると深刻な病気につながりかねません。そのため、体の最も外側の臓器である肌に不調を知らせる“警告”が現れるのです」(渡邉さん)
特に顔には血液が集中しており、顔表面は消化器系の経絡(気の通り道)でもあるため、東洋医学では不調サインが出やすい場所とされている。
「ニキビやシミはもとより、抜け毛や枝毛、爪の線やだんご鼻、目立つ毛穴など、一般には美容の悩みとしてあげられるトラブルが、顔診断のチェックポイントなんです」(渡邉さん)
この時期は胃腸や消化器系の負担に注意!
梅雨入りから夏にかけての時季は、体調を崩す人も多いが、それには理由があると顔や体の見た目から健康状態を診る“望診カウンセラー”の渡邉由さんは言う。
「この時季の日本は非常に湿度が高い。東洋医学では、この湿気(湿邪)が原因で起こる症状を“湿邪のしわざ”と考え、特に“脾と胃”に負担がかかるといわれています。脾とは消化器系全般を指し、高温多湿を苦手としています。そのため食べすぎなどで、負担をかけると消化不良や食欲不振、倦怠感、疲労感、下痢などを引き起こしてしまうのです」(渡邉さん・以下同)
そして、咀嚼回数が減ると、さらなる不調を招く。
「暑いからさっぱりしたものが食べたいと、ただでさえ疲弊している胃に、そうめんやお茶漬けなどを流し込む“噛まない食べ方”をしがち。ですが、これでは唾液で分解されていない食物を、胃腸ですべて消化することになり、消化器系に大きな負担がかかります。体の仕事は、エネルギー摂取のために消化を行うのが最優先。そこに負荷がかかっていると傷の修復や肌の再生などは後回しにされてしまい、吹き出物が治りにくくなったり、髪にツヤがなくなるなど、見た目もどんよりとしてしまいます」
やたらと甘いものが食べたくなるのも胃腸が弱っている証拠。ここで欲求に従うと、悪循環に陥るという。
「体には、砂糖1gあたりにおよそ3~4gの水をため込む性質があります。つまり、砂糖を多く摂ると、排出すべき水まで体内に閉じ込めてしまい、冷えやむくみの原因に。また、余分な水分の蒸発がうまくいかず、湿疹や炎症も起こしやすくなります。
それに砂糖の甘みは、ダイレクトに消化器系を弱らせるともいわれています。食後の眠気や味覚障害、ヘルペス、口の中が粘るなどの症状も、胃腸に負担がかかっているサインなのでお見逃しなく」
※女性セブン2018年6月7日号
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