30年以上にわたって日々の食事による糖尿病治療を研究し、20万人以上の生活習慣病・糖尿病患者を診てきた医師の牧田善二さん。話題の著書『医者が教える食事術 最強の教科書』は53万部超え。『中居正広の金曜日のスマイルたちへ』(TBS)に出演し、その食事術が話題になった。
「血糖値」をコントロールすれば必ずやせる
牧田さんが提唱するのは食事による血糖値コントロール。
「血糖値が急激に上がるとインスリンが多量に出て糖を溜め込みやすくなり、太ってしまいます。食事は糖質を控え目にしながら、白ワインやオリーブオイルなど血糖値の上昇を抑制する食材を組み合わせることがポイント。
赤ワインのほうが太らないと思われがちですが、近年、白ワインの成分に血糖値を抑制する作用があることがわかってきました」
そんな牧田さんが、医学的なデータによる驚きの新事実に基づいたレシピを公開。やせる食事術と、“やせる”食材をフル活用した5品のレシピを教えてもらった。
※レシピは2人分。電子レンジは600Wを使用
焼きりんごシナモン
グラスフェッドバターで口当たりさっぱりと
●材料
りんご…1個 グラスフェッドバター…20g グラニュー糖…大さじ2 シナモンパウダー・ミント…各適量
●作り方
【1】りんごは6等分に切る。
【2】フライパンを熱してバターを溶かし、【1】を入れて片面を焼き、グラニュー糖の半量を振りかける。裏返して焼き、残りのグラニュー糖をかけ、ふたをして2~3分蒸し焼きし、シナモンを振る。
【3】皿に盛ってフライパンに残ったソースをかける。お好みでミントを添える。
グラスフェッドバターとシナモン…牧草を餌に育った牛のミルク由来のグラスフェッドバター。シナモンに含まれるプロアントシアニジンという成分には、血糖値を下げる作用がある。
サーモンカルパッチョ
●材料
サーモン(刺身用)…100g 海藻ミックス…5g 玉ねぎ・ハーブミックス・スライスレモン・チャービル…各適量
【A】オリーブオイル・レモン汁…各大さじ2 塩・こしょう…各少量
●作り方
【1】サーモンと玉ねぎはスライスする。海藻は水で戻して水気を切る。
【2】皿にハーブミックスと【1】を盛り、Aを混ぜ合わせてかける。レモンとチャービルを添える。
豚ロースのソテー
●材料
豚ロース…2枚 塩・こしょう・小麦粉…各少量 きのこ(マッシュルーム・しいたけ・しめじ)…150g ブロッコリー…1/2株 オリーブ…6個 オリーブオイル・しょうゆ…各大さじ1 白ワイン…大さじ2
●作り方
【1】豚肉に塩・こしょうし、薄く小麦粉を振る。オリーブは刻む。
【2】きのことブロッコリーは食べやすく切る。
【3】フライパンにオリーブオイルを熱し、豚肉を両面焼く。【2】を加えて焼き、塩・こしょうで調味し、皿に盛る。
【4】フライパンに白ワインを加え、オリーブ、しょうゆを入れて煮詰め、【3】にかける。
きのこ類…海藻同様、豊富に含まれる食物繊維が血糖値の急激な上昇を抑制。免疫力を上げる働きも。
牛肉ときのこの炒め物
●材料
牛こま切れ肉…200g エリンギ・えのきたけ…合わせて200g ピーマン…2個 にんにく…1片 塩・こしょう・片栗粉…各少量 サラダ油…大さじ1
【A】しょうゆ・オイスターソース・酒…各大さじ1 砂糖…小さじ1
●作り方
【1】牛肉に塩・こしょう・片栗粉をまぶす。
【2】にんにくはみじん切りに。
【3】エリンギとえのきは食べやすく切り、ピーマンは乱切りに。
【4】フライパンに油とにんにくを入れて熱し、牛肉を軽く炒めて取り出す。【3】を炒めてしんなりしたら【4】を戻し、Aを加えて炒め合わせ、皿に盛る。
鯛と夏野菜のマリネサラダ
●材料
真鯛(刺身用)…100g きゅうり…1本 トマト…1/2個 オクラ…4本 【A】レモン汁…大さじ2 酢…大さじ1 オリーブオイル…大さじ2 塩・こしょう…各少量
●作り方
【1】鯛はひと口大に切る。きゅうり、トマトは小さ目の乱切りに。オクラは塩ゆでし、小口切りに。
【2】ボウルにAを入れて混ぜ、【1】を入れて混ぜ合わせ、皿に盛る。
健康食事はどっち?医師が○×ジャッジ
白いご飯と炒飯ではどっちが太りやすい?──正解は、白いご飯。“脂質は食べても太らない”など、牧田さんが太らない食事法を解説する。
Q.果物を摂るなら…?
○ 果物はなるべく皮ごと
× ジュースはアウト!
果物の果糖は体に吸収されやすいが、食物繊維が豊富な皮ごと食べると糖が吸収されにくくなる。スムージーやジュースにすると最も吸収されやすくなるので太りたくないなら避けて。
Q.ご飯と炒飯、どっちが太りにくい?
○ 炒飯
× ご飯
糖質は脂質と一緒に摂ることで血糖値の上昇が緩やかになる。炒飯は、米の周りが油や卵で包まれるため、腸で糖の吸収が穏やかになり、血糖値の急上昇を防ぐ作用が。
Q.疲れたときに甘い物を摂ると疲れがとれる!?
× とれない
疲れたときや集中力を高めたいときに糖分を摂ると、血糖値が上昇し脳内に快楽物質が分泌されて一時的にハイな状態に。しかし急激に血糖値が上昇すると、その後ガクンと下がり、余計に疲れやだるさを招くことに。
Q.ダイエット中のおやつにチーズは…?
○ プロセスチーズではなくナチュラルチーズが正解
製造過程で加熱処理されるプロセスチーズは乳酸菌が死滅しているため、生きた乳酸菌が含まれるナチュラルチーズが○。ちなみに、裂けるタイプのチーズもナチュラルチーズだ。
撮影/奥村暢欣(料理)、北原千恵美(人物)、料理・レシピ制作/清水加奈子
※女性セブン2018年7月12日号
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