女性が健康的にボディメイクをしたいのなら、まず「骨盤をケアすべき」って本当?
『いつまでも美しくいたければ、女は骨盤を立てなさい』(日本文芸社)の著書をもつボディワークプロデューサーのkyoさんによると、実は痩せ体質も骨盤次第なのだとか。さっそく骨盤と女子のダイエットに関係について、教えてもらった。
骨盤次第で余分な脂肪がついた体に。40代以降は特に注意!
下半身がむくみがちで、ウエストにはくびれがない。しかも夜なかなか寝つけなかったり、冷え性で体の不調を感じたり…。kyoさんによると、骨盤のゆがみがそんな不調や体のたるみの原因かも。
「体の中心にあって、背骨や股関節とつながる骨盤は、上半身と下半身の架け橋のような役割を担っており、体幹の筋肉もそのほとんどが骨盤につながっています。そのため、骨盤のゆがみを放置していると、筋肉の発達にアンバランスが生じ、ボディラインが崩れてしまうんです」(kyoさん。以下「」同)
さらには、体内の循環が悪くなり、老廃物の排出が滞ることに。その結果、代謝が落ちるので、太りやすい体になってしまう。また、ゆがんでいる部分には余計な力がかかるため、コリや痛みといった症状につながる場合もあるという。
「前傾や後傾、ねじれといった傾き、開き具合の左右差など、多かれ少なかれ、誰しもが骨盤にゆがみや癖を抱えているもの。でも、40代以降は骨盤を支える筋肉や靭帯の力が加齢で落ちていくので、こうした骨盤のゆがみが慢性化やすい。腰回りの余分な脂肪が燃焼されなくなる、という問題も生じてきます」
kyoさん自身、30代に入って体の不調を感じたのが、骨盤について学び出したきっかけだったのだとか。
小顔や痩せ体質も実現。美ボディを目指すなら骨盤を整えるべし
一方、骨盤が理想的な位置にあると、維持するだけで美しいボディラインにつながる”理想的な姿勢”が保ちやすくなる。
「”理想的な姿勢”とは、頭と骨盤を繋ぐ背骨がゆるやかなS字カーブを描いている状態。この姿勢をキープしようとすると、自然と腹圧が上がるので、腹部が引き締まったり、とボディラインにプラスの変化が生まれます」
土台の骨盤が本来の位置にあると、背筋が通った姿勢になりやすいのだそう。それだけでも頭の位置が変わるので、小顔効果も得られるとか!
「深い呼吸がしやすくなるので、代謝が上がり、脂肪が燃えやすい体につながるという利点もあります。内臓機能が高まったり、免疫力がアップしたり、といった健康効果も期待できますよ」
骨盤を調整するのに役立つのが、kyoさんが考案した「ペルヴィスワークス」。これは「ゆるめる」「整える」「再教育する」の3ステップで骨盤を本来あるべき位置に状態に戻し、骨格を整えてくれるという。
「このエクササイズでは、骨盤底筋をはじめとする骨盤周りの筋肉やインナーマッスルを鍛え、骨盤の開閉力を高めます。筋膜ストレッチも含むので、骨格のゆがみを招く筋膜同士の癒着防止にも◎。動きはどれもゆっくり、負荷は自重のみだから、運動経験が少ない人でも大丈夫ですよ」
日常生活の動作をチェックし”骨盤をゆがめる癖”を理解しよう
もちろん骨盤のゆがみは、日常生活の姿勢や動作から生まれるものなので、運動を加えるだけではなく、生活習慣を振り返って、直せるところは直すのがベター。そこで、まずは骨盤の傾きをチェック。次の【1】【2】【3】でもっとも当てはまるのが多いのが、自分のタイプと心得て。
【01】
□ 歩いているとき、視線が下を向きがち
□ ソファに座るとき、背もたれに背中全体をつけて寄りかかると楽
□ 床に座るとき、あぐらをかくのが楽
□ 椅子に座っていると、ひざが開いてくる
【02】
□ 立っているときに両肩をグッと引いて、胸を張ると、肩甲骨がくっつき気味に
□ 腰を反った姿勢をとりがち
□ 椅子に座るとき、背中を反らせたほうが楽
□ 床に座るとき、ひざ下を両側に開いた”アヒル座り”をすると楽
【03】
□ 片側の肩にばかりカバンをかけている
□ 椅子に座るときに、いつも脚を組んでしまう
□ 文字を書くと、右斜め/左斜めに上がっていく
【01】がもっとも多い:骨盤が後傾ぎみ
かかとに重心が傾いているので、猫背が楽な状態。バストやお尻が下がり、ボディラインが崩れやすくなる。
【02】がもっとも多い:骨盤が前傾ぎみ
腹筋が弱くなっているので、内臓が下垂していく。また、足が内股になって、お尻が広がりやすい。そのため、「ぽっこりお腹」で「出っ尻」な体型に。
【03】がもっとも多い:骨盤にねじれ
利き足や利き目などの左右差が強いと、偏りを補おうと、骨盤をねじってバランスをとることに。連動して全身あちこちにゆがみが出るため、必要のないところに脂肪がついやすくなる。また、血行の流れも悪くなるので、冷え性やむくみに悩む場合も。
続いて、骨盤の開き具合をチェック。次の姿勢で座って、確認を。
【1】床に両脚を伸ばして座る
【2】脚をこぶし一つ分ほど開き、力を抜く
【3】つま先の傾き度をチェック
「つま先が外側に向く場合は骨盤が開きぎみ、内側に倒れる場合は骨盤が閉じぎみ。左右のつま先のどちらか一方だけが大きく倒れるのなら、倒れる側の骨盤が開きぎみという状態です」
季節や時刻によっても骨盤の状態は変わる!?
ちなみに、骨盤は開いたり、閉じたりを繰り返しているもので、季節や生理の周期によって、さらには朝と夜でもその具合は変わるそう。
「例えば、過ごしやすい気温の秋は骨盤も安定期。骨盤のゆるみ・閉まりがちょうどいい具合になって、骨盤の感度も上がりやすい。ただし、冷えにも敏感になる時季で、骨盤は冷えるとねじれやすい。冷え性の人は注意したい時季ですね」
骨盤は寒さに対応して引き締まるので、痩せたい人には今がいいタイミングかも。興味がある人はこれからスタートする【骨盤調整エクサ】ハウツー編を乞うご期待!
取材・文/岩垣良子 写真/瀬尾直道 取材協力/スタジオ・ヨギー
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お話をうかがったのは:kyoさん
本名は、小林亨(こばやし・きょう)。ボディワーク・プロデューサー。フィットネスインストラクターとして25年以上の経験をもつ。痩身、体型維持、機能改善のプログラムを整体や解剖学など、さまざまな分野から学び、「ペルヴィスワーク」を考案し、2005年よりオリジナルメソッド「ビューティ・ペルヴィス(R)」として、スタジオ・ヨギーで展開。
15年にはスタジオ「b-i STYLE(ビィ スタイル)」(http://www.b-i-style.com/)を東京・青山にオープン。『いつまでも美しくいたければ女は骨盤を立てなさい』(日本文芸社)をはじめ、著書も多数。ヨガウェアブランド「ヨギー・サンクチュアリ」のアンバサダーとしても活動している