元舞妓・紅子さんが浴衣の下に着ているのは?
「舞妓時代は汗に気をつけていたからか、かきにくい体質に。おかげでサウナには苦しくて入れません。昔の舞妓仲間とは“舞妓後遺症かな”って話しています(笑い)」というのは、15才で舞妓、20才で芸妓になり、現在は『京都着物レンタル夢館』に勤務する元舞妓の紅子さん。
扇子であおぐのはわき
「女性の着物には“身八つ口”といって、わきが開いているのですが、ここを扇子であおぐとすぐひんやりします」(紅子さん)
「太い動脈が通っているわきを冷やすと体が冷えるため、冷やすなら顔よりわきがいいですね」(山屋さん)
帯を胸の高い位置で締める
「舞妓の帯は幅が広く、胸の高い位置で巻くことにより顔の汗が出ないといわれています」(紅子さん)
「これは半側発汗という体の反射作用。帯で上半身を締める(圧迫する)と、圧をかけた側の汗を抑えます。しかし、汗の量は一定のため、圧迫されていない帯より下は、その分、多くの汗をかきます」(山屋さん)
浴衣の下にはステテコ
夏は浴衣で稽古に行くが、帯を締めているため下半身の汗が気になるという。
「綿や麻の素材のステテコをはくと、汗をよく吸ってくれます」(紅子さん)。
保冷剤を帯にはさむ
「ケーキなどを購入した時にもらえる保冷剤をハンカチや和紙でくるみ、胸元に1~2個忍ばせていました。溶けたら捨てられるので便利でしたね」(紅子さん)
メイク下地はびんつけ油
生蝋を植物油で練り、香料を混ぜたものがびんつけ油。
「白塗りをする顔、首、背中の下地に顔用のものを使います。油で膜を張るのか、これでも汗が抑えられた気がします」(紅子さん)
ウエディングプランナー・伊藤公子さんがする新婦へのアドバイス
客の要望に合わせ、自宅や屋外での式も多く、真夏でも空調の効いていない場所に待機することもある、ウエディングプランナーの伊藤公子さんの場合は…。
「夏場も式場では黒の長袖スーツが基本なので、わき汗をかくと白くなってしまうのが悩み。制汗剤や汗わきパッドで抑えながら、式当日は体を冷やしたり水分を控えています」
ベルトをきつく締める
「普段、ベルトはしないのですが、着物を着ると汗をかかないと聞き、式当日だけ、穴1つ分、きつく締めています。ベルトを締める時に"今日もベルトをしたから大丈夫!"と暗示をかけます」(伊藤さん・以下伊)
「これも半側発汗の効果が期待できます」(山屋さん)
新婦の不安を取り除く
新婦はどんな対策をしているのか?
「当日は介添えさんや美容師さんが常に付き添っているので、汗の心配をされる新婦様には“汗をかいてもすぐに直せるので、安心してください”とお伝えします。リラックスできるためか、その一言で“意外と汗をかかなかった”という声も多いですね」(伊藤さん)
エアコンの風を首に当てる
「場内では、こっそりエアコンの風を首の後ろに当てるなど、少しでも体を冷やすよう心がけています」(伊藤さん)