
この令和にまさか、白米が“贅沢品”になるなんて――。度重なる値上げでついに米の価格が「5㎏で4000円」を突破し、本格的に家計を圧迫し始めている。私たちの体をつくる主食たる「米」を控えるためには、それに代わる“高コスパ主食”を見つけなければいけない。
米の代わりになるのはパン、うどん、パスタなど多岐にわたる
農林水産省が3月17日に発表した「全国のスーパー約1000店舗で3月3~9日に販売された米5㎏の平均価格」は4077円で、前年同期のほぼ倍となった。昨年夏に一時品薄状態となってから値上がりが続き、10週連続を経て、史上最高値を更新する“ 緊急事態”に。ファイナンシャルプランナーの飯村久美さんが解説する。
「米がこれほどの“高級品”になったことは、いまだかつてありません。農林水産省が2月に備蓄米の放出決定を発表しましたが、市場への流通は4~5月頃になる見込み。しかも、備蓄米は品種も産地も混ざった“ブレンド米”が想定されるので、味にはあまり期待できない。
米のコスパが落ち続けているいま、ほかの主食を取り入れた献立を考える方がいいでしょう」

エネルギー源である米の代わりになるのはパン、うどん、パスタといった小麦製品や、そば、もち、はるさめ、オートミールなど多岐にわたる。健康を損なわず、家計をひっ迫しない主食はどれか。米の代わりになりうる食材の1食あたりの価格、栄養価、使い勝手などを比較した。
安さは「うどん」栄養は「パスタ」
米不足と米の高騰が続く中、意外にも値下がりしているのが、パンやうどん、パスタといった「小麦製品」だ。管理栄養士の望月理恵子さんが言う。
「2022年は輸入小麦の値上がりが大きな話題になりましたが、2023年10月期より政府売渡価格が下がっており、2025年4月期は直近6か月間の平均買付価格をもとに計算すると、平均で4.6%も引き下げられています。今後はさらに小麦製品が手頃な価格になり、買いやすくなるという見方もあるほどです」

節約系インスタグラマーのmemiさんは、毎日の朝食は食パン、昼食は麺類が多いという。
「菓子パンや総菜パンよりはるかに安いので、わが家は朝は食パンと決めています。近所のスーパーでいつも買う6枚切りの食パンは、去年の69円から79円に値上がりしていますが、それでもほかのものと比べれば値上がり幅がゆるやかなので、買い続けています。
麺類も、そこまで値上がりはしていない印象。うどんは1袋19円くらいで売っているスーパーも多いですし、パスタは業務スーパーなら5㎏で1300円くらい。1食80gとすれば約21円なので、100gあたり約100円のお米と比較するとずっと安い」

冷凍うどんや乾麺のパスタは長期間保存できるので、安いときにまとめ買いしておけば、家計がピンチのときに大活躍してくれる。
「一般的に、冷凍うどんは5玉パックで販売され、1玉50円前後、パスタは1食(約80g)80円ほど、中華麺も1玉100円ほどと、いずれも米より安くつきます。そばやそうめんの乾麺は値段の幅が大きいものの、スーパーのプライベートブランドを狙うと、1食あたり50円前後に抑えられます」(飯村さん)

これらの主食の中で、つゆや具材などを加えない「単体」での栄養価は、食物繊維やビタミン、ミネラルが豊富なそばが圧倒的。しかし、安さを重視しすぎてお手頃価格のそばを選ぶと小麦粉の割合が多くなり、風味や食感が格段に落ちてしまうかもしれない。それより、具材やソースで自由に栄養をプラスしやすいパスタの方が、健康的かつ飽きずにおいしく食べられるだろう。

「パスタは血糖値を上げにくい『低GI食品』なので、満腹感を得やすく、炭水化物の中では比較的ヘルシーといえます。具材の選び方次第では、より栄養価を上げられます」(望月さん・以下同)
緑豆やじゃがいも、さつまいもからできるはるさめも、ヘルシーな麺類として主食に“格上げ”してみよう。
「はるさめも、パスタと同じく低GI食品で、腹持ちがいい。茹でることでボリュームが出るため、1食あたり40gもあれば充分。40円ほどと、かなり安く抑えられます」
パンや麺類だけでなく、豆腐も主食として食卓を支える。豆腐は豊富なたんぱく質と少しの脂質が含まれる低GI食品なので、1人前を1丁(約300g)とすれば、充分お腹いっぱいになるのだ。
「ただし、米よりも糖質が圧倒的に少ないので、エネルギー源としてはやや心許ない。そこでおすすめなのが高野豆腐。1枚(約20g)あたり100kcalで、たんぱく質10gを含み、価格は60円ほど。食物繊維が多く、カルシウムや鉄分などのミネラルも豊富」