
忙しい日でも栄養バランスは妥協したくない! そんなあなたに、「日本人の食事摂取基準」に基づく33種類の栄養素をすべて詰め込んだ、手軽で“完璧な一皿”レシピを紹介!
栄養バランスのために選ぶなら“より栄養効果の高い”食材を!
「女性は年齢とともに筋力や代謝が低下し、必要な栄養素が不足しがち。毎日の食事はできるだけ偏りをなくすよう心掛けて」と管理栄養士の中村美穂さん。
そこで、体づくりに重要な炭水化物・脂質・たんぱく質・ミネラル・ビタミンの5大栄養素をすべて取り入れた、オリジナルの栄養バランス完璧なワンプレートを考案!

「体のために食べるなら、より栄養価の高い食材を食べるほうが断然“お得”。1つで多くの栄養素を持つ食材を選ぶのがポイントです。いまの季節ならブロッコリーや小松菜、かぼちゃ、さつまいも、玉ねぎ、にんじん、ごぼう、れんこん、きのこ類など。栄養たっぷりの一皿なら、血流も便通もよくなり、骨粗しょう症、認知症予防にもつながりますよ」(中村さん・以下同)
※エネルギーは500Kcal前後、たんぱく質は20g以上、食塩相当量は1g前後を基本にしたレシピです。
魚メインの完全飯
「とくにおすすめの食材は、魚です。オメガ3脂肪酸、ビタミンD、カルシウムなど、栄養豊富なので、野菜をプラスすることで簡単に栄養バランスが整いますよ」
「鮭の炊き込みご飯」のレシピ
炊飯器ひとつで手軽に作れる、秋にぴったりの栄養ご飯。一皿のカロリーは431kcal。
《作り方》(4人分)
【1】米2合を研いで炊飯釜に入れ、麺つゆ(3倍濃縮)大さじ2、みりん大さじ1を入れ、2合の目盛りまで水を入れて混ぜる。さつまいも1本(240g)とにんじん1本(140g)は大きめの乱切りにする。水気を拭き取り塩小さじ1/4を振った生鮭2切れ(200g)、大きくほぐしたまいたけ100gと共にのせ、炊く。
【2】【1】が炊けたら、具をほぐしながら混ぜる。各器に盛り、刻んだ青じそ適量をのせる。

特に注目!栄養POINT
【鮭】高たんぱく質でオメガ3が豊富。血流改善や脳機能維持に/ビタミンD、ビタミンB群が骨の健康や疲労回復をサポート/アスタキサンチンによる強い抗酸化作用
【きのこ】低カロリーで食物繊維が豊富、腸内環境を整える/ビタミンDがカルシウム吸収を助ける/免疫力を高めるβ-グルカンが豊富
【さつまいも】食物繊維が豊富で、腸内環境を整え便通を促す/ビタミンCを多く含み、免疫力アップや美肌効果に/β-カロテンを含み、抗酸化作用で老化や生活習慣病の予防に
【にんじん】β-カロテンが豊富で、ビタミンAとして皮膚や粘膜の健康維持に効果的
【青じそ】ビタミンCが豊富で抗酸化作用や免疫力がアップ
「ぶりのごまみそだれ丼」のレシピ
サーモン、まぐろ、かつおなど好みの刺身でもOK!一皿のカロリーは483kcal。

《作り方》(2人分)
【1】ぶり刺身120gは塩・こしょう各少量を振る。皮をむいて種を取ったアボカド1個は2~3mm幅に切り、トマト1個は1.5cmの角切りにする。スプラウト適量は根を切り洗う。
【2】すり白ごま・水各小さじ4、レモン汁・みそ各小さじ2、しょうゆ小さじ1を混ぜてたれを作る。
【3】各器にご飯を160gずつ盛り、ベビーリーフ30gをのせ、【1】を盛り付けて【2】をかける。
特に注目!栄養POINT
【ぶり】赤身部分には鉄を多く含む/オメガ3脂肪酸(DHA・EPA)が豊富/抗酸化、抗炎症作用が期待できる/生活習慣病予防や血流改善に
【アボカド】良質な脂質であるオレイン酸を含み、悪玉コレステロールを抑制/抗酸化ビタミンのビタミンEが豊富で、老化防止や美肌に/ナトリウムを排出し、血圧を整えるカリウムを多く含む/食物繊維や葉酸を含み、栄養バランスが良い
「かつおの甘辛煮混ぜご飯」のレシピ
冷めると味が染みておいしいかつお煮は常備菜にも。一皿のカロリーは430kcal。

《作り方》(2人分)
【1】ごぼう60gはそぎ切りにしたあと短く刻み、水洗いをして水気を切る。かつお刺身120gは食べやすく切り、さっと湯通しをして水気を切る。
【2】鍋に【1】、みりん小さじ4、しょうゆ小さじ2、砂糖小さじ1、しょうがせん切り6gを入れ、水1/2カップ(ひたひたになる量)を加えて強火にかける。煮立ったら弱火にしてふたをし、5分ほど煮る。ふたを取り、汁がなくなるまで煮詰める。
【3】にんじん40gをせん切りにして水を振り、電子レンジ(600W)で1分ほど加熱し、水気を切る。小ねぎ20gは小口切りにする。
【4】温かいご飯320gに【2】と【3】を混ぜ合わせ、塩少量で味を調えて各器に盛る。刻みのり・白いりごま各適量をのせる。
特に注目!栄養POINT
【かつお】高たんぱくで脂質が少なく、鉄分が豊富/貧血予防や代謝アップに
【ごぼう】食物繊維が豊富で腸内環境を整える/オリゴ糖を含み、善玉菌の働きをサポート
【にんじん】β-カロテンが抗酸化作用を発揮
【小ねぎ】ビタミンCが含まれ、免疫力をサポート
【のり・ごま】ミネラルが豊富で、味と栄養をプラス
「さば缶トマト煮込みライス」のレシピ
ブロッコリーを加えて彩りも栄養価もさらにアップ!一皿のカロリーは482kcal。

《作り方》(2人分)
【1】フライパンに小房に分けたブロッコリー160g、さば水煮缶1缶汁ごと150g、カットトマト缶200gを加えてふたをし、ブロッコリーがやわらかくなるまで中火で煮る。
【2】米粉(または小麦粉)大さじ2を水1/2カップに加えて溶き、【1】に入れてとろみを付ける。しょうゆ小さじ1、オリーブオイル小さじ2を加えて混ぜ、塩・こしょう各少量で味を調える。
【3】各器にご飯を160gずつ盛り、【2】をかける。
特に注目!栄養POINT
【さばなどの青魚】オメガ3脂肪酸(EPA・DHA)が豊富/抗酸化、抗炎症作用があり、血流改善や動脈硬化予防に役立つ/ビタミンDを含み、カルシウム吸収を助ける/煮込みなどで汁ごと摂ると、栄養を無駄なく摂取できる
【トマト】抗酸化力の高いリコピンを多く含む/ビタミンCやカリウムが免疫力維持やむくみ予防に/リコピンやβ-カロテンは油調理で吸収率がアップ/トマトのクエン酸がカルシウム吸収をサポート
◆教えてくれたのは:管理栄養士・料理家・中村美穂さん

料理教室『おいしい楽しい食時間』主宰。栄養学と薬膳、ローフードを融合した料理が好評。著書多数。syokujikan.com
撮影/田中宏幸 スタイリング/三谷亜利咲 取材・文/近藤鈴佳 撮影協力/UTUWA
※女性セブン2025年11月6日号