【オバ記者連載11】「72才会社会長」とお見合いで現れたのは…

当サイトがおくる好評連載『アラ還・オバ記者の悪あがき美容道中』。現在59才、バツイチ独身、自らを「女の崖っぷちから、一歩落ちている」というオバ記者ことライターの野原広子が、美容、ダイエットに奮闘し、女を磨く日々を綴ります。オバ記者が目指すのは、還暦を迎えるその日までに人生の伴侶をゲットすること！　第11回となる今回は、ダイエットの近況、そして婚活サイトで知り合った「会社会長」とのお見合いについて。

＊　＊　＊

前回、紹介した“極小ビーズが筋肉を刺激して、優れたマッサージ効果を発揮”する『ドクターエア　3Dフットケア』を巻いて寝ているのがいいのか。それとも1食2パック食べている納豆が効果を上げているのか。ここのところ血圧は起き抜けで166／85と、下降ぎみ。だけど、体重はピクリとも動かない。

私が通う体操教室では、月に一度、体重、体脂肪、3サイズに太もものの太さほか、体の各所の測定をするんだけど、体重は横ばいの80.3kgだって。

「でも太ももは0.5cm、ウエストも0.3cm減。体脂肪は1.3グラム落ちているじゃないですか」と、微妙な数字を並べられてもなぁ。

だけどこで立ち止まったら、坂道をころがる雪だるま。そう自分に言い聞かせて、地下鉄の階段で自主トレをしているの。階段を見上げる一瞬が勝負でね。「いけるッ」と足がスッと出るときもあれば、「ムリ」と踵を返すときもある。

それもこれも3か月に一度行う、体操教室の体力測定のためよ。7月の入会時は、写真のように椅子に腰かけて片足立ちをして、それから座るエクササイズが、30秒で1回もできず。「ふんッ」と片足に力を入れても立てない口惜しさといったらないのよ。で、8月にはやっと1回。それを次回の測定の11月までに、どうにか2回にしたいわけ。

と、とっても前を向きな私。昔からそうだけど、こんなとき男って、寄ってこないよね。

ボルサリーノ風の紺色の帽子をかぶって迎えた男性

前回書いた婚活サイトのプレミアム会員になったら、深海魚のような男ばかり現れたって話ね。まずは72才のK氏。

「ヒロコさんの希望の年齢よりずっと年上で気が引けますが、すてきな笑顔が頭から離れません。小生、15年前に妻に先立たれてから、渋谷区のマンションに次男と住んでいましたが、次男は結婚して独立。今は世田谷の一戸建てにひとり暮らしです。平日、忙しく仕事をしているときはいいのですが、休日や夜、広い家にひとりでいると寂しく、生涯を共にする伴侶がいたらと思わずにいられません」

こんなメールをよこしたの。何通かメールのやり取りをした後で、「とにかく会ってお話しないことには始まりません」とK氏が指定した初顔合わせの場所は、「会社の平河町分室」。

ビルの入り口で出迎えたK氏は、ボルサリーノ風の紺色の帽子をかぶっていて、72才という年齢の割に、顔にシワがないんだよ。それに鼻が異様に高い。ジャケットにしろ、パンツにしろ、安物じゃないのは一目でわかる。

何はともあれ、「会議室」に通され、「祖父の代からアメリカ軍に物資を納める会社を経営していて、長い間、社長をしていましたが弟に譲って、今は会長です」と、背もたれに体をあずけて自己紹介。

「ここはKさんの会社なんですか？」と、椅子が12客並んだ広い部屋を見回すと、「まあ、そうですね」とさらりと。お茶を運んできた秘書らしき女性に、「おっ、ありがとう」という姿はさすがの貫禄。

ところが、「ぼくは幼稚園から慶応ですが、慶応らしくないとよく言われるんですよ」と言われ、私の頭の中に、初めて？マークが灯った。さらに、「お時間です」と、さっきの秘書が言いに来て、K氏が「あ、じゃあ、別の部屋に」と、部屋を移動させられたあたりで？？

午前11時半から午後9時に別れるまで、ランチと夕食をはさみながらみっちりK氏の話につき合った私の報告は、次回に続きます。