健康・医療

野菜ジュースは効果ある?ない?1日に必要な野菜量を摂るための飲み方

市販で売られている野菜ジュース。健康のために飲んでいる人も多いが、実は、過食を防いだり、カロリー燃焼などにも役立つという。適量や種類による期待される効果などについて管理栄養士の菊池真由子さんに聞いた。

カゴメの調査では食事の30分前に飲んで過食防止

野菜ジュースを飲む女性
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「野菜ジュースは食事の30分前までに飲んでおくのが理想的です。そうすれば、食後の血糖値の上昇が緩やかになり満腹感も持続しやすく、間食やつまみ食いの予防になります」(以下・菊池さん)

カゴメの調査でも、食前30分前に野菜ジュースを飲むと、食事の最初に野菜を食べる「ベジタブルファースト」と同様の効果(食後の満腹感の維持)があるという結果も出ている。

「どんな野菜ジュースでも構いませんが、ダイエット効果を上げるならトマトジュースのように単一野菜のジュースより、いろんな野菜がブレンドされたミックスがおすすめです」

1日に飲むべき適量はどれぐらい?

野菜ジュースがグラスに注がれている
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複数の野菜がはいれば、その分さまざまな栄養素が含まれる。効率のよいダイエットには豊富な栄養素を摂ることが近道だ。では、1日にどのくらいの量を飲むのがよいのか。

「目安は、1日に約200ml。この量を超えてしまうと野菜ジュースに含まれる糖分の摂りすぎになってしまいます」

野菜を食べれば痩せる!?

オレンジ系、グリーン系、レッド系の野菜ジュースが並んでいる
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さらに、ダイエットや美容に期待できる効果は野菜の種類によって異なると菊池さん。

「野菜ジュースは、主にグリーン(葉物系)、レッド(トマト系)、オレンジ(にんじん系)と主に3色にわかれます。中でも、ダイエットにおすすめなのがグリーン。整腸作用の働きを持つクロロフィルが多く含まれているので、腸内が改善され便通もスムーズに。ダイエットのお悩みで多いお腹ぽっこり解消につながります。

レッドには、シミの改善に有効なトマトのリコピンがたっぷり。シミが気になる人や紫外線をたくさん浴びた日に飲むといいですね。また、βカロテンが豊富なオレンジは、ズバリ美肌効果。新陳代謝を活発にして肌の老化を予防します。肌の衰えを感じている人は、積極的に補給しましょう」

もう1つの飲むべき大事なメリットが1日に摂るべき野菜量の底上げ。つまり、野菜不足の食事を野菜ジュースでサポートすることができる。

「例えば、コンビニで選ぶランチ。おにぎりやサンドイッチ、麺類を食べることが多いと思いますが、圧倒的に野菜が少ない。それを野菜ジュースで補います。お茶やコーヒーの代わりに野菜ジュース。もちろん、サラダでしっかり野菜を食べるなら野菜ジュースを飲む必要はありません。野菜ジュースの1日分の適量が200mlですから、1日のうちで野菜が少ない食事にコップ1杯分を合わせればいいのです」

例えば、朝食がパンとコーヒーならば、コーヒーの代わりに野菜ジュースを飲む。野菜の代わりに飲む場合は、食時の30分前ではなく食事中、または、食後でもよい。

糖質、たんぱく質、脂質など栄養バランスを整える

レタスや人参などの野菜にゆで卵が乗ったサラダ
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「糖質、たんぱく質、脂質、ビタミン・ミネラル。栄養のバランスが整えばそれだけで体の代謝は上がります。ですから、知らぬ間にカロリーを消費しやすい体に変わっていく。つまり、野菜不足を解消するということはダイエットにも有効なのです」

野菜に含まれるビタミン類は食事のカロリーを燃焼するので、野菜を食べた方が痩せやすいのだという。

「ただし、果汁が含まれていると糖分がハネ上がってしまうので”野菜100%”の野菜ジュースを選んで。”野菜100%”と言っても加工品ですから、加工の段階で濃縮や加熱などの処理が施されています。野菜そのものを食べたのと同様の栄養効果は得られませんが、それでも野菜を体にとり入れる方が断然いい。最近は、食物繊維が多く含まれるタイプなども出ているので、便秘気味の人は試してみては?」

また、たんぱく質も不足している食事なら、野菜ジュースとたんぱく質を一緒に摂るのがベター。

「ベビーチーズ2個、ゆで卵1個、ヨーグルト(プレーン)1個などたんぱく質も一緒に摂れば、野菜ジュースだけを追加するよりも、より食べたカロリーを体温として発散しやすくなります」

むろん、野菜ジュース1杯で1日の必要量の野菜をとれるわけではない。痩せたければ、たっぷり野菜を食べることを習慣に!

教えてくれたのは:管理栄養士・菊池真由子さん

菊池真由子先生の顔写真
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管理栄養士。健康運動指導士。NR・サプリメントアドバイザー。日本オンラインカウンセリング協会認定上級オンラインカウンセラー。大阪大学健康体育部(現・保健センター)、阪神タイガース、国立循環器病センター集団検診部(現・予防検診部)を経て、厚生労働省認定健康増進施設などで栄養アドバイザーを務める。ダイエットや生活習慣病の予防対策など、のべ1万人の栄養指導に携わる。その活動の集大成として刊行した、『食べても食べても太らない法』(三笠書房)が10万部超え、『図解 食べても食べても太らない法』(三笠書房)が17万部超えのベストセラーに。また、『食べれば食べるほど若くなる法』(三笠書房)が7万部を超え、8月に最新作『図解 食べれば食べるほど若くなる法』(三笠書房)が発刊。

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