長期的なダイエットが続かない人でも、短期間で確実に痩せられるダイエットがあるという。それは、女性専門のパーソナルトレーナー・石本哲郎さんが考案した3か月ダイエット法。
「食事管理」と「1回15分の時短筋トレ」を両方同時に行うことで、ダイエット効果が上がり、3か月という短期間でも痩せることが可能なのだという。
この石本式筋トレ法のメリットは、週2回×1回15分だけで、女性らしい美しい体作りに役立つ筋肉のみを効率的に鍛えられる点。ただし、ポイントを間違えると効果は半減するため、動きを確認しながら行うのがコツ。
休憩をはさみながら、部分別の筋トレを連続して15分行う
「筋トレと一口に言っても、目的によって鍛える場所ややり方は違います。ボディービルダーのようなムキムキの体を作るわけではなく、女性らしいメリハリある美ボディーを目指すなら、鍛えるべき筋肉は限られます」(石本さん・以下同)
女性がダイエットをするなら、内もも、ヒップ、胸、背中、お腹の筋肉を鍛えるのが効果的。石本式筋トレの場合、初心者でも簡単に行え、しっかり効果が出るような種目を選択しているという。
「筋トレ未経験者の場合、1つの動きを行うのもハードに感じるかもしれません。だからといって、勝手に回数を減らしてしまうと効果は期待できません。例えば、『STEP1』のワイドスクワットを15回続けるのが難しければ、腰を落とす深さを浅くしたり、イスの背もたれに手をつくなど、支えを利用して難易度を下げ、必ず15回やりきることが大切です」
そして、1つの筋トレを1セット行ったら、必ず1~2分の休憩をはさむこと。例えば、15回×2セットを行う場合、連続して30回行うのではなく、15回行ってから1分休憩し、筋肉を一度休めてから、再び筋トレを行った方が、より大きな負荷をかけられ、効率よく鍛えられる。
筋トレは、一日の中のどのタイミングで行ってもよい。生活のペースに合わせ、取り入れやすい時間を決めて習慣化しよう。
効果を最大限にする1日のスケジュールは?
「ダイエットは、初めから張り切ると続きません。最初の1週間は筋トレのコツを覚えつつ、体重と食事内容、摂取カロリーを記録し、現状を把握するだけで充分。この時期は、ウオーミングアップ期と考えてください」
ウオーミングアップを終えてからが本格的な減量期に。3日おきに週2回×15分の筋トレを行いつつ、「6か条」を守ってダイエットを続ける。
「筋肉をつけながらヤセるには、血中のアミノ酸濃度を保って筋肉を作れる状態をキープすることが重要です。そのためにはとにかくたんぱく質を摂ること」
上の24時間スケジュールを参考にたんぱく質を摂るのが理想的。筋トレの2時間前は甘いもの(糖質)を摂ってもいいので、ストレスがたまったら「週に2回は甘いものが食べられる」と思おう。
「目標に達した後も、筋トレと1500kcal程度に抑えた食事管理を続け、維持することが大切です」
それでは早速、筋トレにトライ。ここでは、「内もも」と「ヒップ」を鍛える筋トレを紹介しよう。
【STEP1】内ももを鍛えて脚を細くするワイドスクワット
太ももの内側の“内転筋”を鍛えると、形のいい脚になる。「内転筋がつくと、普段負荷をかけがちな外ももの筋肉とのバランスがとれ、脚の形がよくなるんです」。腰を落とす時にひざがつま先より前に出ると、ももの前面が鍛えられるので要注意。
【1】足を肩幅より広く開いて、つま先は外側に
足は肩幅の1.5倍を目安に大きく開き、つま先を45度外側に向ける。背中は真っ直ぐ伸ばしたまま少し前に倒し、ひざはつま先と同じ方向に向けて軽く曲げる。両手は力を抜いて、体の前に。
【2】ひざが直角になるまで腰を落とす
上体を少し前に倒したまま、太ももが床と平行になるまで、腰をゆっくり真下に落とし、1秒キープする。この時、ひざが前に出ないようにし、目線は斜め下、猫背にならないように注意する。ゆっくりと立ち上がり、ひざが伸びきる手前で止める。【1】【2】を15回×2セット繰り返す。
<きつい人はこちらにトライ!>
イスの背もたれに手をついて行ってもOK。【1】の姿勢をキープする時にバランスを崩してしまう場合や、腰を深く落とすのがきつい場合は、イスの背もたれなどにつかまって行うといい。ただし、背もたれが低すぎると猫背になってしまい、腰を痛めやすいので注意すること。上半身は少し前傾、目線は斜め下に。
【STEP2】美尻と美脚を作る2種類のヒップリフト
この筋トレでは、裏ももからお尻にかけて、刺激する部位を変えながら、広範囲に鍛えられる。かかとに重心をおいて行う【1】【2】の場合、大臀筋(だいでんきん)と裏ももが刺激され、お尻と太ももの引き締めに効果的。足裏をくっつけて行う【3】【4】では、お尻の上部にある中臀筋(ちゅうでんきん)が鍛えられて、美尻&脚痩せに効果あり。
仰向けに寝て足を肩幅程度に開き、両ひざを曲げ、胸の前で手を交差する。腰をしっかり床につけて隙間をなくし、つま先を上げてかかとに重心をおく。 かかとに重心をおく
お尻の穴を締めるようにイメージしながら、背中と腰が一直線になるよう、できるだけ高くお尻を上げて1秒間キープする。つま先は上げたまま、頭も持ち上げて、二重あごになるくらい背を丸める。お尻をゆっくり下ろしたら、床につく直前でストップし、再びお尻を上げる。これを20回繰り返す。
仰向けに寝て胸の前で手を交差したら、両ひざを曲げた状態で足裏をつける。全体がぴったり合わなくても、かかと部分がつけばOK。腰をしっかり床につけて隙間をなくす。
かかとが離れないように注意しながら、両ひざを大きく開いたまま、お尻を限界まで高く上げて1秒間キープする。お尻をゆっくり下ろしたら、床につく直前でストップし、再びお尻を上げる。これを20回繰り返す。
【1】【2】を20回+【3】【4】を20回を1セットとし2セット行う。
もっと痩せやすい体質に!「筋トレ前後にやるべきこと」
筋トレの効果を高めるには、食事のタイミングと内容が大きく関係する。特に筋トレの前後に摂るべき食事を紹介する。
【筋トレ2時間前】
ヤセるためには、空腹で運動をして、少しでも体内に蓄積された脂肪を燃焼させようと考える人が多いという。しかし、空腹での筋トレはパワー不足になり、筋肉を充分に動かせない場合がある。そんな状態でトレーニングをしても、筋肉はあまり刺激されないうえ、脂質の代謝を促して体脂肪を燃焼させる成長ホルモンの分泌も抑制してしまう。
「筋トレの2時間前には、おにぎり1個程度や和菓子(糖質約40g)などを摂りましょう」
ダイエット中でも甘いものがやめられない人は、筋トレ前に食べるのがベスト。パフォーマンスがアップするだけでなく、体脂肪になりづらいので、一石二鳥だ。
【筋トレ後2時間以内】
筋トレ後は、筋肉を育てるゴールデンタイム。筋肉の材料となるたんぱく質を摂ろう。
「できれば筋トレ後30分以内か、遅くとも2時間以内に、20g以上のたんぱく質を摂りましょう。肉や卵、豆腐などの食事から摂るのはもちろん、手軽にたんぱく質が補給できるプロテインを利用するのもおすすめです」
大豆が原料のソイプロテインや、牛乳が原料のホエイプロテインなど、プロテインにもさまざまあるが、どれでも効果に大差はないので飲みやすいものでいい。ただし、たんぱく質の含有量を確認すること。プロテインバーは少しカロリーが高めなので注意しよう。
イラスト/あきばさやか
※女性セブン2020年2月6日号
この人に聞きました:石本哲郎さん
女性専門パーソナルトレーナー。「女性専門パーソナルジムリメイク」、「女性専門フィットネスショップリーンメイク」代表。一般女性を中心にのべ1万人以上を美ボディーに導く。主な著書に『根性なしでも10kgヤセたい!!』(ワニブックス)など。
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