新型コロナウイルスの感染拡大により、外出自粛が続くなかでも、体力や筋力をキープしたいもの。でも、いきなりハードなものは続けられないし、単調なものでは飽きてしまう。
そこで、ゆっくり動かすだけで効果絶大だという“エキセントリックトレーニング”がおすすめ。しかも、「ムダな筋肉は使わない」「息が上がってはダメ」というから、運動が苦手でも安心してできる。さあ、お家時間を楽しみながら体を動かしてみましょう!
“ゆっくり、短く”で効果大!エキセントリックトレーニングとは?
エキセントリックトレーニングのメソッドを実践し、自身のジムで指導している鉄本昌和さんによれば、伸ばす部位以外の筋肉は極力使わず、必要な筋肉のみを効率よく鍛えられるエクササイズだという。筋肉を伸ばす時間は3秒から最長5秒。それ以上は逆に運動効果を低減させるため、ゆっくり、短く、が鉄則だ。
ポイントは、息を吸って、「1、2、3」で息を吐きながら、鍛えたい部分を最後まで伸ばしきること。各5回×3セットから始め、最終的に10回×3セットを目指す。素足か、滑り止め付きの靴下で行おう!
お尻と太もも裏を鍛える
お尻にあるいちばん大きな大臀筋は、骨盤と大腿骨(太ももの骨)をつなぐ筋肉で、股関節が曲がらないように支えることで立つ姿勢を保持している。「筋肉である大腿筋とその側面の中臀筋を鍛えれば体のバランスがよくなり、歩行も安定。腰痛も緩和されます」。ただし、すでに腰痛がひどい場合は無理せずに行おう。
【1】仰向けになり、両手を肩幅より開いて床に置き、お尻を高く浮かせる。
【2】【1】の状態から右足を上に伸ばす。両手はしっかりと床につけ体を支える。
【3】【2】の姿勢を保ったまま「1、2、3」と数えながら上げたお尻をゆっくりと下ろしていく。「左右で筋肉のバランスが違うため、弱い方が上げ下げしづらく感じると思います」(鉄本さん)。
【4】右足を下ろす。左足も同様に【1】~【4】を繰り返す。
お尻の側面もエクササイズ!
【1】左手で頭を支え、右手を床に置いて上半身を支えながら横向きに寝る。
【2】右ひざを前に曲げる
【3】右足を上に開いて、そのまま右足を上げる。
【4】【3】の状態を保ちながら「1、2、3」のリズムで右足をゆっくり床まで下ろす。反対の足も同様に。
◆あとちょっとTRY!
ひざが曲がっていないことが重要なので、上半身の姿勢は前傾でもOK。「慣れてきたら右手を左手に近づけ、両手の幅を狭くし、足をもう少し高く上げ、5秒かけてもっとゆっくり下ろしてみましょう」。
胸筋を鍛えてバストアップ
「立ったまま腕立て運動」で胸まわりがスッキリし、バストアップが期待できる。「両手の幅を狭くすれば、より鍛えられますよ」。
【1】壁から1mほど離れて立ち、手は肩幅より少し広げて壁につく。足は肩幅に開く。
【2】「1、2、3」のリズムで、ゆっくりひじを曲げていき、壁ぎりぎりまで顔を近づける。
【3】体を元の位置に戻すときに力がかからないよう、片足を前に出して体を支え、【1】の姿勢に戻る。
二の腕もトレーニング!
胸筋トレーニングの【1】のように、壁から1mほど離れて立ち、両手で三角を作る。その後は胸筋トレーニングの【2】~【3】と同様ひじを曲げながら顔を壁に近づけていく。
買い物袋で握力を強化!フタも開けられるようになります
「硬いフタが開けづらくなる理由は、腕の内側の筋肉が弱るからです。この筋肉は買い物袋を持ち上げるより、下ろす動作で鍛えることが可能です」。たとえば、1L程度の重さの水や買い物袋を写真の状態からゆっくりと下ろすだけ。上げるときは両手で支えて余計な負荷をかけないこと。これなら買い物帰りに実践できそうだ。
教えてくれたのはこの人:鉄本昌和さん
パーソナルトレーニングジム『メディサイズ』代表・鉄本昌和さん/エキセントリックトレーニング研究の第一人者である野坂和則教授の指導を受け、東京・麻布十番でジムを主宰。芸能人や著名人も数多く指導している。
※女性セブン2020年4月16日号